防水リフォームの立ち上がり面が剥がれてくる…
Q:まぶちさん教えてください!!
防水リフォームの現場で、壁面に塗ったFRPの立ち上がり面が剥がれてきていました。
原因と対策を教えて下さい。
A:いつもお世話になりありがとうございます。
まずなぜ、立ち上がり面が剥がれてくるのか?
という原因をつかむことが一番肝要です。
このFRPの反りというのは、硬化前と硬化後で体積がかわることに
由来するものです。
もし硬化後体積収縮が少なければその層の反りというのものは激減します。
おそらく立ち上がり壁面かと思いますが、
この壁面への接着能力を反りのちからが上回ったと考えられますよね。
壁面の接着能力3<FRPの反り能力4
こうなってしまったということです。
であれば、改善の方策は2種類あります。
1.壁面の接着能力を増やす。
2.FRPの反りを減らす。
という方法です。
つまり
壁面の接着能力4>FRPの反り能力3
このようにしてあげるのが良いかと思います。
まず壁面の接着能力が適切で合ったかどうかということです。
◎下地処理についてはプライマーが適切であったかどうか?
1.下地の乾燥状態:含水率は適切であったか。(表面のみ乾燥ではダメです。)
2. プライマーの塗布量は適切であったか。(厚塗りは☓です。)
3.表層に粉体、ゴミなどは付着していなかったか?(砂の上にセロテープをはっても下にはくっつきません。)
次にFRPの反りをなくす方法ですが、
◎FRPの反りについて
1.FRPの反りは硬化収縮の反りであり、発熱温度と収縮量は相関関係があります。
急に発熱して高温になると体積がギュッと縮まり、反りにつながります。
きちんと硬化管理をされた時に、反りが起こったケースを私はしりません。
2.軟質防水樹脂を使用していますか?その昔、FRP防水がはじまったころは一般の樹脂でベランダ防水を作ってましたが、大変なクレームの嵐になりました。そこで開発されたのが軟質防水樹脂になります。よくクッキーとグミで例えますが、
クッキーの方が堅いですが、グミのほうが折れにくいです。
であれば、どちらが強度があるのか?という答えに関してはケースバイケースとしか答えようがないのがわかっていただけると思います。
FRP防水においてはこうした軟質タイプを使用した方がなにかと都合が良いです。
3.樹脂リッチになっていないか?
反りの原因は体積の収縮とさきほどお答えしました。
FRPを構成する材料において反りの原因となるのは樹脂でしょうか、ガラスマットでしょうか?
ガラスマットは硬化前、後で体積は変わりませんので、FRP全体に占めるガラスマットの量が多ければ多いほど反りの確率は減っていきます。
初心者に多いのは樹脂をつけすぎて反りが出るケースです。
適切な量を均一に塗布することが反りの減少につながるのです。
他にもFRP単板、FRPの反りについて解説しておりますので、検索して見てくださいね。
FRP素材屋さん 馬渕