ベランダ塗装の剥がれ・トップコートのはがれがみられます!!
Q:ベランダの塗装のはがれがあります。
FRP素材屋さんこんにちは。
インターネットで探してたどり着きました。
膨大な量の情報がのっているので信頼できそうなのでご相談します。
3年前に新築したベランダのFRP塗装が剥がれています。
このベランダのネズミ色の塗装がハガレて下の透明な部分が見えてきてしまっています。
業者に確認を入れたら、FRP防水という塗装で上の塗料だけがハガレているということで大丈夫だ。
という解答でしたが、なぜ塗装がはがれたのでしょうか?原因は?
FRP素材屋さんはどう思われますか?
A:いつもお世話になりありがとうございます。
FRP素材屋さんまぶちです。
症状としてはおそらくコレだと思います。
インターネットには明らかに間違った情報が流れていることがありますので、
注意してください。
私は昔このFRP防水工事の職人を10年近くやっておりまして、
主任施工工事数700件を超えております。
1級FRP施工技能士を持っており
岐阜県の優秀防水施工技能士に選ばれておりますので
解答の信憑性は取れると思います。
FRP防水
このFRP防水工事というのは実は歴史がそれほど長くなく、初期の工事ではたくさんの
不具合があったこともまた事実です。
今回のケースですが、業者が言うように防水のトップコートと呼ばれる保護層のハガレになります。
下地のFRP樹脂は紫外線に弱いので、
紫外線に強いトップコートという塗料で保護してあるのです。
これがねずみ色の塗料になります。
FRP保護層のトップコートとは?
ちなみにこのトップコート、膜厚で0.2-0.3mmほどあり、
通常の塗料よりも遥かに厚みがあり、外的衝撃、傷などにも強いです。
トップコート(33) 表面保護・色付けしたいときのFRPカラーコートのトップコートです。紫外線から守ってくれます。 |
今回の塗装の剥がれのみではただちに水漏れすることはないかと思います。
しかしながら長期に渡って防水層が太陽光に暴露すると
防水層の樹脂が紫外線で分解されて防水層が劣化します。
よく屋外暴露状態のスワンボートなどで繊維が毛羽立っているのをご覧になったことがあるかと思います。
あれは樹脂分が太陽光で減少し、内部のガラス繊維がむき出しになってきているものです。
そのため保証期間内であれば早めに業者さんに連絡してトップコートの塗替えをしてもらった方が良いです。
トップコート剥がれの原因は?
ちなみに
このトップコートのはがれの原因はいくつかありますが、
おおよそは以下の2つ
①防水施工上の問題と、②工程管理上の問題、③素材の問題に分けられます。
1.防水施工上の問題
トップコートを塗る前には下地の防水層をよく研磨しなければなりません。
これはトップコートと樹脂層の密着をよくするためです。
イメージとしては凹凸をたくさんつければレゴブロックのように接着します。
この研磨工程、結構大変なので手抜き工事では真っ先にサボりがちになります。
2.工程管理上の問題
本来、トップコートと樹脂層は密着しなければなりません。
しかし工務店の施工管理によっては、ベランダ完成後もたくさんの職人さんがベランダに出入りします。
そのためベランダ塗装を初期に完成させてしまうと後工事で汚れが付着するので、トップコートの塗装を後にしてくれ。というケースがあります。
防水層状態で仮完成→引き渡し前に塗装まで完成
そうすると、防水層のみが完成したのち、大分日にちがたってからトップコートを最後に塗ることになります。
そうすると同じ日にトップコートまで仕上げるより層間の密着性が格段に落ちます。
実際にこのケースで剥がれたベランダをたくさん修理したことがあります。
この場合、本当にトップコートが卵の殻を向くようにパリパリと剥がれることがありました。
トップコートは硬度が固く一見強いのですが、靭性に劣るので柔軟性には劣ります。
防水層は防水用軟質ポリエステル樹脂、トップコートはイソ系のトップコートというように硬さが違うので、割れやすく成るのです。
基本的に防水層とトップコートはしっかりと密着させることが大事です。
実は解決は簡単なことでトップコートをかけて当日中に塗装を完了させてから養生板という保護材でしっかりと保護してあげれば良いだけなのです。
私が職人だったころは工務店さんに事情をしっかりと
説明して同日トップコートを基本にしてもらいました。
当然問題は一件もおきていません。
この方がお施主さんのためだからです。
3.材料(樹脂)の問題
防水用の樹脂というのは密着性能を高めるため、弱インパラという樹脂になっており防水層の上で作業もできるが、密着性能も良いという相反する要素を兼ね備えた樹脂になります。
ただ、昨今、とくに量産戸建て、建売の一部ではコスト削減のためコストの安い樹脂を使うケースが後をたちませんでした。
そのため上で作業はできるが密着が悪いという樹脂で施工され、トップコートがはがれることがよくありました。
以上がベランダ塗装剥がれの問題の原因です。
修理の方法
さて、リカバリの方法ですが、現状ベコベコ浮いてきているという症状は下記のレベル別不良ランクではレベル3に位置してしまいます。
この場合トップの塗り替えでは済みそうにもありません。
なぜなら浮いた可能性のあるトップコートの上に再度トップコートで塗装しても
下から浮いてくるからです。
そのためガラスマットを1層入れて再度防水層を作ってやらなければなりません。
現状レベル3になりますので
今度業者さんが治される際には、きちんとガラスマットを入れているかどうかを確認しましょうね。
でないとまた再発することに成るかもしれません。
日中はサポートの電話が殺到しますのでできればメールでいただけると嬉しく思います。
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
レベル1-2の補修方法は?
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レベル1-2であれば以下のセットが適しています。
FRPベランダの塗り替え施工について【詳しく】解説してみた件
をご参考にしてください。
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FRP素材屋さん 馬渕