セルフビルドで別荘のバスルームを作りたい。
はじめまして、○○○○と申します。
「僕らのFRP工作実験室」拝見させていただき、とても勉強になります。
現在セルフビルドで別荘を建築しており、2階のバスルームをFRP防水仕上げで施工しようと考えております。
全く初心者ですが、FRP防水について技術的な質問をさせて下さい。
また最後に購入を考えている材料や部材を書き出してみました。抜けているものがありますでしょうか?
以下大変長文ですがなにとぞよろしくお願いします。
1) 浴室の床(縦横約4m x 3m)と壁(高さ約2.5mx4mと0.5m x 3m、残りはガラスの壁)を
FRPで防水仕上げとしたいと考えております。
壁や床を一気に仕上げるには面積が大きすぎ、特に初心者には難しいと思いますが、たとえば壁だけ先にFRP防水し、床は壁が完成した後に樹脂を流すようなことはできますでしょうか?それとも同日に一気に仕上げたほうがよいでしょうか?
研磨すれば密着しますので、工程を分けても大丈夫です。
実際に大型面積の場合は、工程を分けて施工します。
2) 「実験室のプール制作」と同じように、ガラスマットを2重にし、壁にタッカーで留めて一気に2プライ仕上げようとおもっています。 タッカーでたくさん留めても大丈夫でしょうか?それとも最低限にとどめるべきでしょうか?
垂直・水平間隔(ピッチ)、どれくらいでタッカーで留めればよいでしょうか?
タッカーの数は場所にもよりますが、最初は大目にとめつけてください。
防水に関係のない上部であれば何箇所でも大丈夫です。
これといった決まりはありません。
3) トップコートは白にして、FRPをバスルームの「仕上げ」にしたいと考えています。(FRP防水の上にはタイルなど仕上げ材は張りません。) 理想的には、壁や床を樹脂製の白いバスタブの表面のような仕上がりにしたいと考えています。FRPの表面をきれいなつるつるの状態にするためには 2プライのあと「サーフェースマット」を積層した方がよいでしょうか?それとも「ガラスクロ
ス#100」を積層した方がよいでしょうか? それともどちらも不要で丁寧にサンディングするだけで良いのでしょうか?
バスタブのようなつるつる仕上げはつるつるの型から離型して出来上がります。
従いましてつるつる仕上げにしようとすれば膨大な研磨作業が必要になります。
サフェース等で少しは平滑になりますが、鏡面とは程遠いです。
FRP貼り付け作業の場合、鏡面にはならないことをご理解いただきますようよろしくお願い致します。
4) もし「ガラスクロス#100」や「サーフェースマット」を積層する場合、最初からガラスマット2層とサーフェースマットまで、合計3層を下地にタッカーで貼
りつけて、一気に積層できますか?それともガラスマットを積層した後、サンダーで平滑化し、そのあと3層目を積層するのでしょうか?
ガラスマット450×2層くらいまでは通常1度に行います。
番手合計がこのくらいであれば施工可能かと思います。
あまり分厚いと硬化熱により反りがでやすくなるので注意が必要です。
5) HPの「FRP実験室」ではサンディングに電動サンダー(オービタルサンダーやベルトサンダー)などは使われていないようです。何か理由はあるのでしょうか?また耐水ペーパーで水を付けてサンディングすると粉が飛ばないので良いような気がしますが、水を使うサンディングは何か問題があるのでしょうか?
電動サンダーを使っていないのは面積が狭いからです。
耐水の場合は、粉が飛びにくいですが、サンダーのつまり原因となること、後工程でしっかりとした乾燥が必要なことから省いていると思います。
大型面積の場合は、番手の粗いサンダーで研磨していきます。
7) 床のFRP防水からガラスの壁までは100mm程立ち上がり、そのあとガラスの壁を支えるU字型アルミチャンネルをのせる35mm程の狭い平らな部分もFRP防水する必要があります。
またアルミチャンネルの外に水が漏れないようにチャンネルの外もチャンネルより40mmほど立ち上がり、そこもFRP防水する必要があります。このような細かな階段状の部分にガラスマットを積層するのは難しいと思い
ますが、このような部分を不織布防水テープだけで積層しても大丈夫でしょうか?それとも何か別の良い方法はありますか?
角部の積層はガラスマットでは難しいです。それぞれ正寸に切り取って貼り付けて後工程で角研磨も良いですが、
繊維がまたがっていないので強度は期待できません。
そのため不織布のブチルテープが適しています。
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購入する材用・部材
樹脂 FRP防水用軟質樹脂
http://item.rakuten.co.jp/frp/fr12/
ガラスマット #380
http://item.rakuten.co.jp/frp/fr16500/
硬化剤
http://item.rakuten.co.jp/frp/10000067/
面木
http://item.rakuten.co.jp/frp/10000154125/
アセトン
http://item.rakuten.co.jp/frp/10000046/
トップコートhttp://item.rakuten.co.jp/frp/5551/
その他、スポンジローラー・アルミねじローラー・豚毛脱泡ローラーなど
トップコートはホワイトが非常に高価です。なぜでしょうか?
トップコートのホワイトは耐候性を上げたタイプですので、耐久性が高いです。
そのため高価になっています。
通常のオルソ系トップコートですと耐熱が60度程度ですが、イソ系のトップコートは100度を超えてきます。
屋外で使用する場合、オルソ系は表面が粉のように分解されていきますが、イソ系は分子間結合力が強いため紫外線による劣化が極めて起こりにくい材料です。
用途に応じて使い分けてください。
どうぞよろしくお願い致します。
FRP素材屋さん 馬渕敦史