「ポリマー初心者にもわかる!エポキシ樹脂とポリエステル樹脂の違いと使い分け方」
Q:いつもお世話になりありがとうございます。
エポキシ樹脂とFRPはどうちがいますか?
A:いつもお世話になりありがとうございます。
ご質問ありがとうございます。
FRP素材屋さん馬渕です。
FRPというのはファイバーを固めたプラスチックの略ですので広義にはエポキシ樹脂もポリエステル樹脂も入ります。
そのためここではエポキシ樹脂とポリエステル樹脂の違いということで解答いたします。
FRPの定義をおさらいしましょう。
FRPとは?
FファイバーでR強化したPプラスチック
というものの総称がFRPです。
そのためカーボン繊維をエポキシ樹脂で固めたものは
FRPの定義に入ります。
ご質問はおそらく比較対象として一番一般的な
ポリエステル樹脂との違いをおっしゃられていると思いますので、
同じFRPのPでもポリエステル樹脂とエポキシ樹脂の比較で解答したいと思います。
なお、同一カテゴリの樹脂でも多数の種類があるためあくまで代表的な一般論での解答となります。
硬化メカニズムの違い
一般的なエポキシ樹脂は、決められた体積のA液とB液を正確に混合攪拌します。
それによってA液とB液が手をつなぐことで化学変化させ硬化させます。
比較的ゆっくりとした時間で硬化反応が進みます。
作業上の注意点としては、体積比を守らないと、手をつなぐ相手がいなくなることで、
物性不良がでたりします。
一般的なポリエステル樹脂は、硬化剤と樹脂中のコバルトの熱反応で樹脂を固めます。
そのため、比較的早く硬化する良さはありますが、熱による収縮があり、
硬化後の物性はエポキシに劣る場合があります。
エポキシの利点
ポリエステル樹脂よりエポキシが優れている点というのは、
1.寸法安定性
ポリエステル樹脂は硬化時に収縮が6-8%前後あると言われます。
そのため狙った大きさよりも縮むので狂いが生じます。
例えば精密な製品である場合は、ポリエステル樹脂ではなくエポキシ樹脂を使用することが多いのはこのためです。
硬化時の体積変化が少ないという良さがエポキシ樹脂にはあります。
2.接着力の高さ
エポキシはポリエステル樹脂よりも接着力が良いです。
3.機械的強度
エポキシは強度に優れます。
(物性一般に強度が優れています。)
ではなぜ、これら利点があるにも関わらずFRPではポリエステル樹脂が主流なのでしょうか?
今度はエポキシと比べた利点を見てみましょう。
ポリエステル樹脂の利点
1.価格
ポリエステル樹脂の方が安価です。
2.安価で種類が豊富
一般的な強度ではエポキシと比較できませんが、それぞれ特性を持たせた樹脂であれば機能性を付与できます。そのためバリエーションに富み、安価で施工ができる良さがあります。
3.硬化速度が早い
ポリエステル樹脂は硬化剤の種類や、添加材、あるいはジメチルアニリンなどの添加によって
硬化速度を早めることが可能です。
場合によっては数分など極めて早い硬化速度を持ちます。
このような違いからポリエステル樹脂が主流となり、一部工業製品などではエポキシ樹脂が使用されているという解答になります。
どうぞよろしくお願い致します。
今回初めてFRPのキットを購入しました。質問が2点あります。
説明書に詳しく書かれているのですが、1点青色の蓋の小さい容器に入っている物が有りましたが名称が書かれていなかったので、スムースにはがれるワックスで良いでしょうか。又、テスト的に小さいサンプルを練習で作りました。初めてにしては思い通りの物が出来たと思いますが、制作過程でポリアステル樹脂のすごい匂いにびっくしました。出来るだけ吸わないようにして、一応マスクは付けましたが、私が思うに体に害はないのでしょうか、蒸発して気体になったらとてもマスクだけでは防御出来ないと思います。吸い込んでしまったら体に悪影響が有りますか。怖くて使えません。
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
1.青い容器
こちらはおっしゃるようにワックスタイプの離型材です。
塗って、拭き取ってを3回程度繰り返すと、型にワックスが馴染み脱型しやすくなります。
2.ポリエステルについて
内容物にスチレンが入っております。臭いについては個人差がありますが、外部などの換気の良い所で作業をしていただきますようよろしくお願い致します。