小谷城へ行こう!古城探検第十四弾・第1回 悲劇の城
3月のあるよく晴れた日曜日琵琶湖に行きたいという父母の思いを受けて滋賀県にいくことになりました。
今回は末子も連れているので、親子3代ということになります。
今回は、滋賀県の琵琶湖に行こうということで
小谷城(おだに)に行くことになりました。
我が岐阜はもともと山が多く、豪族が各地に割拠していたため山城が多く、それが織田信長や斎藤道三と結びついて各地で伝承が残っています。
そのため”山城界のハリウッド”(適当)ともいうべき土地柄ですが、そのお隣もそれに負けないほどのインパクトを持ちます。
右隣、長野県、信濃は山岳の狭小地を利用した豪族が割拠しており、戦国中期~末期には武田信玄の征服地となりました。
武田軍はこの信濃の地で、織田信忠、滝川一益連合軍に対し、守勢にまわるとあっけなく敗れましたが、それでも山国にふさわしい素晴らしい山城群を持ちます。
一方左隣の滋賀ですが、こちらも
”山城界のニューヨーク”(適当)といっても差し支えないほどの土地です。
トップバッターはやはり観音寺城でしょう。
大小100を超えると言われる曲輪(くるわ)群で構成される戦国最大級の山城であり、六角氏の本拠点であります。
さらにあの石田三成に過ぎたるものと言われた佐和山城であったり、
さらに今回の浅井家の本城、小谷城があります。
さらには戦国で最先端の安土城があります。
忘れては行けないのが当時ここが日本のまぎれもない中心であり、ここに日本の中枢が存在していた。と言う事なのです。
そのような神聖な土地、すなわち”聖地”
であります。従いまして、
身を清め、正しい心で、赴かねばならない。とそういうことなのです。
そのため断食で心身ともに清め、謹んで拝観する。そういう心がけこそ肝要なのでしょう。
さてさて小谷城は織田信長の妹、お市の方と浅井長政のお城で有名です。
歴史を深く理解するには実際にその地に赴き、自分の足で探索する、時に登り、時に下り、時にスベリ、時に足を踏み外す。そういった失敗の積み重ねこそ重要なのです。(適当)
浅井家は北近江の主で、近江の国を六角氏と二分する勢力でした。
その六角氏の属国であった浅井家は浅井長政の時代に六角氏から独立しました。
美濃を攻略し、近江ルートで京へ登ろうという信長の野望とも一致し、妹であるお市の方との婚儀がなりたったというわけです。
近江半国、北近江といえども、その石高はおよそ35万石ほどあったと言われます。
35万石の動員兵力はおよそ1万であり、たとえば甲斐の国23万石を大きく上回ります。
これは馬鹿にならない兵力であり、豊かな経済力をもっていたことがわかります。
如何に開発がすすみ先進的な国かがよくわかります。
近江一国で65-70万石はあり、
京都に近く、肥沃な近江平野は当時の先進地域だったに違いありません。
そうした戦略的にも経済的にも重要な土地柄だったため戦が絶えなかった地域です。
その北近江の主、浅井家の本城、小谷城は小谷山に気づかれた要害堅固の山城で、
日本5大山城に数えられるほどの名城です。
そもそも姉川の戦いで朝倉、浅井連合軍が多勢の織田軍に対し、数に大きく勝る織田軍に決死の突撃を試み、13段の構えのうち、11弾までを突き崩します。
結局は朝倉の敗退で終戦を迎えますが、ここから3年もの長きにわたり、織田軍を苦しめます。
これは信濃侵攻からあっという間に寝返り、裏切り、離散、戦場離脱を繰り返し電撃的に負けた武田軍とはエライ違いなのです。
この小谷城があったればこそ、織田軍は衰退する浅井朝倉を攻めあぐねたということです。
さてその小谷城は城下である清水谷を挟んでVを逆さにしたような形状をもち、小谷山のピーク頂上は、小谷城跡地ではありません。
ここは大獄(おおづく)城と呼ばれ、逆Vの左手、ピークに位置します。
ここから山麓に向けて福寿丸、山崎丸と続きます。
地勢が逆V字になっているのがわかります。
大獄城の標高が約500mもあります。
比高差なんと330m
小谷本城でも比高差約235mあります。
この2つに広がる尾根は非常に急峻で左の大獄城には、山崎丸、福寿丸の副出丸があります。
右側、小谷本城には、突端の出丸に加え、台所にある金吾丸、その上部に、御茶屋、御馬屋、桜馬場、千畳敷などの曲輪群を従えた本丸があります。
尾根全体を曲輪群で構成されている巨大要塞です。
その向こう側は、大堀切で仕切られ、中の丸、京極丸、小丸、そして山王丸があります。六坊を挟んで大獄城になります。
小谷城はこのV字型の山全体を利用した巨大な山岳要塞の総称ということです。
如何に巨大化がよくわかります。
清水谷から望む大獄城
左手が山崎丸、福寿丸
ではなぜピークを本丸としなかったのか?
織田軍はこの難攻不落とも言える堅城をどのように攻略したのか?
というミステリーが残ります。
それは次回に持越しです。
第12弾古城探検・☆特別編☆山城の用語について再確認してみよう。
第5弾古城探検!日本版マチュピチュ・岩村城へ行こう! 第四回
第5弾古城探検!日本版マチュピチュ・岩村城へ行こう! 第三回
第5弾古城探検!日本版マチュピチュ・岩村城へ行こう! 第二回
第5弾古城探検!日本版マチュピチュ・岩村城へ行こう! 第一回