FRP樹脂の耐熱温度はどのくらいですか?
Q:いつもお世話になってます。
FRPでの耐熱性はどのくらいでしょうか?
また耐熱が必要な場所をFRPしたいのですが、耐熱性の高い樹脂はありますでしょうか?
A:いつもお世話になりありがとうございます。
FRP素材屋さんです。
一般的な樹脂の耐熱性能はおよそ60℃程度です。
このあたりから変質しだすので、一般的には高い温度には適しません。
ただ、弊社にも耐熱性に優れた樹脂があります。
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通常ですと約100℃まで耐えられる樹脂があります。
もっと高温が必要な場合、130℃耐熱、150℃耐熱、200℃耐熱という樹脂があります。
このあたりの樹脂はカーボン型用になります。
カーボン成形時のオートクレーブは220℃で10気圧という非常に過酷な条件になります。
そういった用途に開発されていますので、耐熱性能は高いです。
但し、発熱温度も高くなるため取扱が注意になること。
また液状特性と、期待特性があり、それぞれ耐熱温度が異なりますので、
ご注意ください。
取扱が厳重注意となりますので、一度ご相談いただければよろしいかと思います。
FRP素材屋さん
どうぞよろしくお願い致します。
FRP素材屋さん
ユニットバスタブですが、FRPで修繕した後に全体にトップコートを塗りたいと思ってます。
お湯を張ったらはげてしまいますとの事ですが、何か良い方法があるものなのですか?
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
FRP素材屋さん馬渕です。
この案件は非常に難しく、正しい施工とベターな素材の組み合わせが必要になります。
さて、その上で、お湯をはると通常一気に温度が50度近くまであがることがあります。
その分、分子間運動が活発になり、上から塗装したものがめくれやすくなります。
例えばべっとりとついた鍋汚れが、お湯をいれることによって簡単に取れる・・・
のと同じようなイメージです。
氷点下から50度、60度まで一気にあがる大変過酷な環境にあります。
ステンレスのシンクにお湯をかけるとベコン❢❢とすごい音がして形がかわります。
そのように温度によって形すらも変わってしまうことがあります。
これが同じ状態のものであればよいのですが、違うもの同士であれば、収縮率、変形率がかわり、剥離しやすくなります。
このような条件があることをまずご理解ください。
これを避けるためには、
1.研磨を入れる。とにかく研磨です。
化学的に手をつなぐことはありませんので、物質的につなげてしまう方法です。
これはレゴブロックのように複雑に絡み合う形状同士の接合です。
原始的でばかにされがちですが、極めて有用な接合方式になります。
※アンカー効果
2.過度な収縮をさける。
上塗り材については収縮が起こると、安定した下地に対して収縮が起こり
下地100:上93
等になると、常時ストレスにさらされます。
そのためこれを
下地100:上98
というように収縮率をおさえることにより常時ストレスから開放してあげることが重要です。
以上の点などから改善方法を探っていただければと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
FRP製タンク300L程度なのですが、よく耐熱(高温について)はよく聞くのですが、零下温度は一般的に何度位まで耐える事ができますか?
あまり低すぎるとFRPに亀裂を生じる恐れ・水が凍結し滞積膨張する等がある様な気がします。
滞積の膨張は別として亀裂等が送る可能性のある温度及び塗料等で対策等できるのでしょうか?
一般家庭の受水槽に使用しております。
FRP素材屋さん馬渕です。
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
FRPはマイナス温度には強くなっています。
零度以下の耐えれる限界値というのはございませんが
冷凍庫や北海道でも使用されていますのでよほどの事がないかぎり大丈夫かと思います。
あとはFRP自体の厚みや構成により変わります。
どうぞよろしくお願い致します。
厨房のタイル下地に木下地をしてFRP防水をしようと思ってますが、トップコートは塗るほうが良いのでしょうか?
厨房の床掃除の時に熱湯をかけたいそうなのですが大丈夫でしょうか?
なにか対策はありますか?
食品加工工場内のコンクリート製排水マスにFRP防水を検討してます。
常に熱湯が流れるため、耐熱性の高い樹脂で施工が必要です。
排水マスは、500角程度の小さな物です。
プライマー、樹脂、トップコートの有無などどの材料を購入すればよろしいでしょうか?
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。 FRP素材屋さんサポートチームです。
食品加工工場内のコンクリート製排水マス(500角程度)にFRP防水を検討されており、特に熱湯が常に流れるため、耐熱性の高い樹脂での施工が必要とのことですね。適切な材料と施工方法についてご案内いたします。
仕様量については、
https://tomatokogyo.com/frp/archives/frp%E6%A8%B9%E8%84%82%E3%81%AE%E4%BD%BF%E7%94%A8%E9%87%8F%E8%A8%88%E7%AE%97%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%88.html
FRP素材屋さん計算シートを利用ください。
1. 推奨材料リスト
食品加工工場内の排水マスという環境を考慮し、耐熱性だけでなく、耐薬品性や衛生面にも配慮した材料を選定します。
1. プライマー(下地処理材)
◦ 製品名・種類: 湿気硬化型ポリウレタンシーラー。セメント(コンクリート)は水分を多く含み、アルカリ性を示すため、FRP樹脂との相性を良くし、アルカリ性を抑制し、下地からの水分の揮発をブロックするために必要です。
◦ 塗布量目安: 0.2kg/㎡程度。
◦ 製品例: 「ウレタン樹脂シーラー 1L」。
2. FRP樹脂(防水層形成材)
◦ 製品名・ビニルエステル樹脂が耐熱性(約100℃)と耐薬品性に優れており、防錆目的での鉄製タンクへの施工例もあります。熱湯の具体的な温度が不明な場合、より高温対応の超低収縮樹脂が安全策となります。
◦ 製品例: ビニルエステル樹脂
https://www.frpsozai.com/shopbrand/ct139/
3. ガラス繊維(補強材)
◦ 製品名・種類: ガラスマット #380または#450。FRP層の強度と防水性を確保します。通常、防水には#380を2層敷きが推奨されますが、500角程度の小さなマスであれば#450を1層または#380を1~2層で十分な強度が得られる可能性があります。
4. 硬化剤
◦ 製品名・種類: FRP樹脂、ゲルコート、トップコート共通の硬化剤を使用します。
◦ 添加量目安: 樹脂量に対して1%~5%程度を添加しますが、作業時の気温(冬期は多めに)や樹脂の量に応じて調整が必要です。硬化剤の入れ忘れや混合不足は硬化不良の大きな原因となるため、正確な計量と十分な攪拌が不可欠です。
◦ 製品例: 「FRP素材屋さん FRP硬化剤硬化剤定番 メポックス」。
5. 角部の処理材(シーリング材)
◦ 製品名・種類: ポリウレタン系シーリング材。排水マスの角はFRPが直角になじみにくいため、シーリング材を充填してR(丸み)をつける必要があります。これにより、ガラスマットの馴染みが良くなり、空気溜まり(膨れ)を防ぎます。
◦ 製品例: 「ポリウレタンシーリング剤 ノンブリードMAX320ml」。
6. トップコート(表面保護材)
◦ 製品名・種類: FRP層の保護と耐久性向上のために必要です。排水マスという用途では、耐摩耗性、耐薬品性、そして耐熱性が求められます。超低収縮樹脂との互換性があり、耐久性の高いトップコートを選定することが重要です。
◦ 塗布量目安: 0.4kg/㎡程度。
◦ 製品例: ソースには耐熱性のトップコートは明記されていませんが、一般的なFRPトップコートは「灰トップコート(イソ系高耐候性)」になります。
耐熱はおよそ100から110度程度
2. 施工手順
排水マスのFRP防水は、以下の手順で進めます。
1. 下地処理:
◦ コンクリート製排水マス内部を丁寧に清掃し、油分や汚れ、ゴミを完全に除去し、乾燥させます。
◦ 表面の不陸(凹凸)やバリがあれば、グラインダーやサンドペーパー(荒い番手#40など)で研磨して平滑にします。研磨粉は完全に除去してください。
2. 角部のR加工:
◦ マスの内側の入隅(内角)にポリウレタン系シーリング材を充填し、ガラスマットがなじみやすいようにR形状に整えます。これにより、ガラス繊維の反発や空気の巻き込みを防ぎます。
3. プライマー塗布:
◦ ポリウレタンシーラーを均一に薄く塗布します。厚塗りすると、表面は硬化しても内部が硬化しにくい「樹脂だまり」となり、硬化不良の原因となるため注意が必要です。
◦ 適切な塗布ローラー(中毛ローラー推奨)を使用し、約30分~60分で次工程に移れる状態になります。
4. ガラスマット+FRP樹脂積層:
◦ プライマーが完全に乾燥した後、ガラスマットをマスの形状に合わせて裁断します。
◦ ビニルエステルに硬化剤を正確な割合(例: 1%前後)で混合し、塗布ローラーでガラスマットに含浸させながら塗っていきます。
◦ ガラスマットの繊維の間に空気が残らないよう、脱泡ローラー(豚毛ローラーやアルミローラー)で丁寧に脱泡します。この脱泡作業を徹底することで、膨れや強度低下を防ぎます。
◦ 必要な厚みと強度に応じて、この工程を繰り返してFRP層を形成します。
5. 中塗り(推奨):
◦ FRP層が完全に硬化した後、必要であれば樹脂にトップコートを少量混ぜた中塗りをします。これにより、ガラスマットの目を軽減し、FRP層とトップコートの密着性をさらに高めます。中塗り後も硬化を待って研磨することが推奨されます.
6. トップコート塗布:
◦ FRP層(または中塗り層)が完全に硬化・乾燥した後、トップコートに硬化剤を正確な割合で混合し、均一に塗布します。FRP用のトップコートは通常の塗料より膜厚が厚く、硬度が高いため、耐摩耗性に優れます。
3. その他の注意点
• 換気: 樹脂や溶剤を使用する際は、作業中の十分な換気を行い、火気厳禁としてください。
• 硬化剤の正確な計量: 硬化剤の量が多すぎると急激な発熱や収縮、黄変の原因となり、少なすぎると硬化不良の原因となります。
• 温度管理: 硬化時間は気温に大きく左右されます。低温下では硬化が遅くなるため、必要に応じて作業場所の温度を確保したり、硬化剤の量を調整したりする必要があります。
• 樹脂の保管: 樹脂は生ものと同様に鮮度が重要です。長期保存は物性低下の原因となるため、必要量を適切に購入し、冷暗所で保管してください。
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
YOUTUBE 連日工作チャンネルでは、FRPの施工方法について詳しく解説しています。
ぜひご利用ください。 チャンネル登録はこちら https://www.youtube.com/channel/UCVS14Pff56Y13KHbH8DuGrw?sub_confirmation=1
食品加工工場内のコンクリート製排水マスにFRP防水を検討してます。
上記の記事で質問させて頂いた者です。
早速、ご丁寧な回答ありがとうございました。
先日、熱湯と記載しましたがスチームも含むため、100度を超える温度だと思います。
文面にあった、超低収縮樹脂例えばTMT-T53257を使用すれば、もう少し高い温度帯でも使用可能でしょうか?
何度も申し訳ございませんが、ご教示下さい。
「食品加工工場内のコンクリート製排水マスにFRP防水を検討してます。 」
上記の記事で質問させて頂いた者です。
早速、ご丁寧な回答ありがとうございました。
先日、熱湯と記載しましたがスチームも含むため、100度を超える温度だと思います。
文面にあった、超低収縮樹脂例えばTMT-T53257を使用すれば、もう少し高い温度帯でも使用可能でしょうか?
何度も申し訳ございませんが、ご教示下さい。
該当の樹脂の耐熱温度は150度以上ですので、理論上可能です。
該当の樹脂は素材中にフィラーが入っておりまして、そのため樹脂が白濁しますので、脱泡作業が行いにくい特徴があります。
その点のみご留意いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
お問い合わせありがとうございます。
該当の樹脂の耐熱温度は150度以上ですので、理論上可能です。
該当の樹脂は素材中にフィラーが入っておりまして、そのため樹脂が白濁しますので、脱泡作業が行いにくい特徴があります。
その点のみご留意いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
お問い合わせありがとうございます。