ハイカットクリアレジン2が紫色になった。注型、アクセサリーで使える?
【Q&A】耐紫外線ハイカットクリアレジンの「紫の着色」と「無色透明」の仕上がりについて
Q1:今回購入した「高透明性FRP積層用UVカットハイクリアレジン2」が紫色に着色しました。これは製品の特性ですか?
お客様からのご質問の要点
数年前に購入していた「透明クリア樹脂」のような無色透明の仕上がりを期待し、「黄変しにくい」という注釈を見て「高透明性FRP積層用UVカットハイクリアレジン2【ノンパラ】」を注文しました。
しかし、硬化後の仕上がりが全体的に紫色に着色しており、無色透明ではありませんでした。 これは製品の特性なのか、促進剤混入過多、劣化、硬化剤の種類間違いなどの原因があるのでしょうか?(硬化剤は推奨品の「FRP用硬化剤 クリア 100ml」を使用しています。)
A1:FRP素材屋さんからの回答
お問い合わせいただきありがとうございます。ご期待に沿えず申し訳ございません。
ご指摘の「紫色(または青みがかった色味)」は、基本的には製品の特性によるものです。
1. 色味の主な原因と用途の違い
- 促進剤(コバルト)の色: 樹脂に最初から混ぜられている促進剤(コバルト)の色が、青みがかった色味として現れます。
- FRP用途での問題: 通常のFRP成形(厚み1〜2mm程度)では、この青みがかった色味が出にくいため、屋外アトラクションなど長期耐候性が必要な用途として非常に適しており、実際に利用されています。
- 厚みがある用途での問題: 今回のように厚みがでる注型(容器などに注ぐ)用途の場合、促進剤の着色が濃く出てしまい、お客様が想定された「無色透明」の仕上がりになりにくいという点がございます。表記が言葉足らずであった可能性があり、大変申し訳ありません。
2. 無色透明を求める場合の推奨品
今回のような厚みが出る注型用途で、最も高い透明度と無色透明に近い仕上がりを求める場合は、やはり以前ご使用いただいていた**「透明クリア樹脂」**が一般的です。
「透明クリア樹脂」は物性が特殊ですが、透明度は非常に高い製品です。
Q2:無色透明を求めるなら、やはり「透明クリア樹脂」に戻すべきでしょうか?
お客様からのご質問の要点
無色透明を求めるなら、やはり「透明クリア樹脂」に戻すべきでしょうか?
A2:FRP素材屋さんからの回答
はい、無色透明に近い仕上がりを最優先されるのであれば、**「透明クリア樹脂」**をおすすめします。
1. 透明クリア樹脂の特徴
- メリット: 透明度は非常に高いです。
- デメリット: 屋外環境では黄変しやすいという欠点があります。また、タレてしまうため、壁面などへの樹脂コーティングには向きません。
2. 代替案(青みを抑えたい場合・耐黄変性を確保したい場合)
お客様が今回「ハイクリアレジン2」に変えられた理由が「紫外線への耐黄変」のためであれば、紫外線吸収剤の添加もご検討ください。
Q3:その他、今回の事象について馬渕さんからの所見はありますか?
A3:FRP素材屋さんからの回答
今回、厚みのある注型用途で「ハイクリアレジン2」をご利用いただいたことで、弊社の製品説明における「厚みがある場合の着色の出方」に関する言葉足らずを認識いたしました。貴重なご意見をいただき、感謝申し上げます。
いただいた情報を元に、今後、「連日工作」チャンネルにて、ポリエステル樹脂の特性や、注型用途とFRP積層用途での違いについて解説動画を公開する予定です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ご不明な点がありましたらいつでもお問い合わせください。