【軽トラックキャンピングカー】トラックキャンパーボックスFRP施工について

FRP素材屋さん馬渕です。
今回、試作品としてトラックキャンパーボックスを製作したのでその模様を少し
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完成状態はこれです。
●制作途中品
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●構造
キャンパーの枠は木材で作ってあります。
枠についてはすべてカドを落としてあります。
直角ですとFRPがなじまないので、カドをR形状にしてあります。
これはどういうことかと申しますと、FRPの繊維ガラスマットが直角になじまないためなだらかな面をつくる必要があります。
イメージしていただくと、カドに対し直角ですと”布の服”を押し当ててもピッタリとそいません。
反発しますのでね。
ガラスマットが反発して気泡が入ってしまいます。
そのため下地のカドを面取りしてあり、ガラスマットが馴染むようにしてあります。
ここをR形状にしてあげればピタッと密着します。
隙間がある状態でFRPが硬化すると空気が入ってしまい、水漏れや強度不足の原因となります。
合板目地についてはすべてクラックが入らないよう養生テープで目張りしてください。
ただし接着強度が落ちるので(正しくはテープの密着度に依存する。)
注意してくださいね。
ここから樹脂を制作し、塗布していきますが、前工程としてガラスマットを張り込みます。
●以前あった質問
他店でアドバイスされて下地に樹脂をぬってからガラスマットを施工したらガビガビになってしまいました。
●回答
基本的になれてないうちは乾燥状態で次工程に写ってください。
理由
1.ガラスマットの下層に樹脂があったとしても強度に影響はあまりないため
あくまでガラスマットがきちんと含浸した樹脂がFRPであるので余分な塗装工程は必要なし。
というのが私の見解です。
2.樹脂を下に塗布した瞬間から硬化がはじまります。
そのため樹脂が完全に硬化する前にガラスをはって樹脂を塗り、脱泡する。
という工程は施工不良に繋がります。
通常のハンドレイアップ法ではベストのガラス樹脂比率よりも樹脂が多くなりやすいです。
そのためその樹脂を多くしたところで強度への影響がないのであれば余分な工程とコストを押さえる事ができます。
●施工方法
とはいえ、壁面は通常よりも難しくなります。
・ガラスわりづけ
ガラスマットをドライの状態で張り込み、タッカー、養生テープでガチガチに固定してください。
ポイントとしては、樹脂を入れるので現状よりもだいぶ重くなるということです。
樹脂を入れてもタレない程度にきちんと下地に固定してください。
この工程が一番大切です。
カドの処理は難しいですが、なれないうちはバリをのこして硬化させ、
後工程でカットしてもよいので神経質にならないように。
・樹脂制作
樹脂を制作します。たち面は塗布量がすくなくなるので、想定よりも少なめで樹脂を作ります。
最初の一発目は特に要領を掴む前なので少なめに作れば安心でしょう。
・脱泡
脱泡工程は豚毛ローラー等で樹脂中の気泡をきちんと抜いていきます。
脱泡のコツは樹脂含浸後に泡を抜く。
ということです。塗布後すぐに脱泡させる人がいますが、この工程はムダになってしまいます。
含浸が終わったら脱泡という手順です。そのため別の場所を塗布、最初の場所が準備OKになったら脱泡
という手順で行きましょう。
どうしても空気が抜けない場合は、【抜き方が悪い】のではなく、【下地が悪い】可能性が大です。
下地を一回30-60#のペーパーで軽く磨いておきましょう。
凸形状のゴミ等があると、空気がいつまでも抜けません。
・アフターキュア
すべて積層が終わったら、樹脂が完全硬化する前にカッターでバリを切り取りましょう。
ハーフウエットの状態がベターです。カットに美味しい時間帯は10分前後しかありませんので硬さを見ながら
カッターをあててガラスがよじれない段階でカッターで切っていきましょう。
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・研磨
後工程の塗装前に研磨を入れます。
番手はトップコートであれば30、40の番手で
ウレタン系等であれば100番等の番手で研磨してください。
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研磨時間と密着度は高い相関関係があります。
サボらないように。
・トップコート塗装
最終工程は塗装です。
仕上がりはこの前の工程に依存します。
しっかりと前処理をして綺麗に仕上げましょう。
ガラスマット目をめだたなくするためには、中塗りを入れた方が良いときがあります。
中塗りは樹脂ベースに顔料塗料でいろづけした樹脂で塗布するもので、ガラスマット目を目立ちにくくする効果があります。
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施工完了品が置いてあります。
もしご希望があれば格安で引き取りが可能です。
178,000円/台
1台限りです。
どうぞよろしくお願い致します。

【軽トラックキャンピングカー】トラックキャンパーボックスFRP施工について”へ2件のコメント

  1. ユウ  より:

    会員登録直後で未購入者です、2点教えて下さい。
    FRPは全くの初心者ですが、骨組無しの軽量化したキャンパーシェル作りを検討中です。
    壁・屋根・床のそれぞれを下地には外側用合板(2~3mm)&断熱材(30mmスタイロフォーム)を張合わせ後FRP処理したパネルを合体する工法の是非、そして、ガラスマットのみ使用or マット/クロスの2積層の是非について
    ご教授お願い致します。

  2. FRP素材屋さんです。 より:

    ユウさん
    お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
    合板でサンドイッチしたものという意味でしょうか?
    骨格がないということですが、
    FRPで剛性をもたせればある程度は行けると思います。
    スタイロフォームは通常のFRP樹脂ですとスチレンによって溶けてしまいますので、
    1.スチロール用樹脂を使う
    2.完璧に目張りをしてスタイロ層まで溶剤が浸透しないようにする。
    という方法が必要です。
    クロスとマットの違いは、引張強度の違いとなります。
    布と紙のように引っ張った際に強度が段違いになります。
    クロスを入れると引張強度が増します。
    ただし細かい面、曲面等は馴染みませんので平面のみという解釈になります。
    詳細はわかりませんので一般論としての回答になります。
    どうぞよろしくお願い致します。

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