FRP3層で漏れてしまっているのはなぜ?キャンピングカー

Q:馬渕様
キャンピングカーのこちらの動画では三層で雨漏りしています。
何が問題でしょうか?

※動画については載せておりません。

A:FRPの問題点について

いつもお世話になりありがとうございます。
大変おもしろい動画ですね。ありがとうございます。
この動画の中に学びがたくさん隠れているのでとても興味深く拝見しました。


まず、道具の選定

1.脱泡

最も重要なのは脱泡作業です。

これは泡=ピンホールを抜くという意味です。
ピンホールが存在すると毛細管現象で水が内部に侵入します。
脱泡は防水という機能面も兼ねるとともに、下地に密着させる美観面においても重要な意味をなします。

今回、塗布と、脱泡を兼ねるAローラーを選定していますが、この商品は、極小面積の部分を簡易的に施工する用途であり、広い面積においては、別の選択肢の方が良いです。

塗布の例:塗布=塗布ローラー(使い捨て)脱泡=脱泡ローラー
とくにキャンピングカーシェルのように平たい面積の集合体の場合、動画にもありましたが、広い面積の脱泡ローラーが適しているといえます。

たとえば、100mm4インチの脱泡ローラーと200mmのローラーでは単純に脱泡作業が半分程度に削減できるのがわかると思います。塗布は6インチ、脱泡は6インチ以上が適していると言えると思います。ただし細かい部分もありますので、小さいものもあると便利ではあります。
またAローラー最大の問題点は別にあります。樹脂は塗布後すぐに脱泡作業に移れないという点です。
例えば服にシチューをこぼしたとして、本当に染み込んで来るのはしばらく立ってからだと思います。ここが水のような粘性との違いです。
つまり、タイムラグがあるということです。
連日工作チャンネルの動画にもあげましたが、シチューが完全に服に浸透してからでないと脱泡作業を行う意味がありません。

樹脂移動中に脱泡作業を行っても後から気泡が入る可能性があるからです。
該当動画のその後にもありましたが、毛羽立ち等がみられたのは、そのためです。
浸透後に脱泡積層を行う必要があります。

工程を省くことを奨励してはいますが、塗布、脱泡は工程を分けたほうが良いのはそのためです。
塗布→最初に塗ったところが浸透→脱泡というような順序になります。

現在全国より詳細の質問が殺到しておりますので、質問をまとめていただけると大変うれしく思います。

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