FRP防水の際にマットがよじれる件、仕上がりを綺麗にしたい。
Q:FRP素材屋さんこんにちは。
大変貴重な情報が沢山掲載されているので、助かっております。
FRP防水を施工する時に、マットの目がよじれてしまいます。
仕上がりがキレイにできません。
なにか良い方法はありますか?
A:FRP素材屋さん馬渕です。
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
優秀な職人が施工した現場はきれいなはずです。
ではなぜ、マット目がよじれてしまうのでしょうか?
○材料の選定
ガラスマットは繊維同士を結合させるノリ(バインダー)のような物があり、そのバインダーの量によってマットがよじれにくいものがあります。
FRP素材屋さんのマットはかなりバインダーの多いものになっております。
高価ですが、作業者のことを考慮し、セットに入る小ロット品から1本単位の製品まですべて
これを標準品としています。
※国産の直送品を除く
バインダーの多いもののメリットとしては
・メリット
1.マット目がよじれにくい
2.ガラス繊維が飛散しにくい
3.壁面からたれにくい
・デメリット
1.高価である
2.曲面になじみにくい
というデメリットもあります。
小さいもので、曲面が多いものだとソフトマットと言って柔らかいマットが好まれることもあります。
ただ、弊社では機械等でマットを切断していますが、作業者の環境改善のためソフトマットは撤去しました。ご理解を賜りますようよろしくお願い致します。
というわけで
方法としては、低飛散のマットを使用する。
ということがあげられます。
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○施工方法
一方施工方法でも改善はできます。
・塗布方法の改善
ローラーで樹脂を塗布する際に、塗布ローラーで表面をこするとマットがよじれてしまいます。
これは樹脂の含浸によってバインダーが溶け込むためです。
状態としてはガラス繊維が樹脂中で遊離している状態になります。
この状態で塗布ローラーでこすると、ローラーの移動方向に繊維がうつってしまい、凹凸になります。
改善方法としては、樹脂を基準量塗布したらあとは放置し、樹脂が重力によって含浸したあとに脱泡ローラーで脱泡していくという方法です。
ローラーでゴシゴシやるよりも重力をつかって自然に含浸させるため、施工が圧倒的に早くなります。
また仕上がりもきれいになります。
脱泡ローラーは面で抑えるよりも点、または線で抑えるので、塗布ローラーよりもよじれにくいです。
・移動の改善
優秀な職人は作業場がきれいですが、
仮に作業場が汚く、靴裏に樹脂がついていると、マットが付着し、それがマットのよじれを誘発させます。
そのためスリッパなどを用意し、裏側にポリエチの養生テープを貼ります。
汚れたら養生テープを捨てることで常にきれいな状態で施工できます。
そうするとマットがよじれなくなります。
優秀な職人は作業場を常にきれいにしておくのが原則です。
・清掃の改善
優秀な職人は上流側で問題を解決している
というのも原則の一つです。
清掃をきっちりやってないと最終工程まで凸がでてしまい、研磨作業等で対症療法することになります。
もっと言えば最終引き渡しの時点で改善していなければ後日クレーム対応ということで火が大きくなってしまうこともありえますよね。
しかし上流側の清掃の時点でこの問題を解決すれば、一番被害が少なく、労力も少なくできるということになります。
もしゴミ、異物が入っていた場合、カッターで切り取って補修せねばならず、ガラスマットのよじれの原因となります。
また繊維をカットすることで局所的にFRP防水が弱くなることも考えられます。
上流側で問題を解決しておきましょう。
上流側で解決という意味では、材料の選定が重要になってくるのです。
優秀な職人が道具や材料にこだわるのはここに原因があるのです。
というわけでいろいろ上げましたが、一度読んでいただき作業改善を図っていただきたいと思います。