【5分でわかる。】ラック&ピニオン、ボールネジ、LMガイド、リニアガイドってなに?
さてみなさまこんにちは
まぶちでございますよ。
今日は駆動方式の話をしたいと思います。
機械に潜ってグリスアップをしたり、故障をなおしたりと過去いろいろやってきたわけですが、
そのあたりの情報を発信していきたいと思います。
駆動方式・ラックピニオンとは?リニアガイドとは?サーボモーターとは?
我々の機械には
ラックピニオン、LMガイド、リニアガイド、ボールネジ、サーボモーター
と言われる駆動方式が採用されています。
駆動についていろいろな種類がありますが、この概要をきちんと理解しておく必要があります。
それぞれがどんな役割を果たしているのか。
○ラックピニオン、ボールネジ
まずは駆動方式として、ラックピニオンとボールネジ、
これらは駆動させるための【推進力をもつ駆動】といえます。
※日本が誇るKHK社のラックアンドピニオンギア駆動
※日本が誇るKSS社のボールネジ駆動
モーターが回転することで、ラック、ボールネジを通じて直線の動きになることがイメージできると思います。
○サーボモーター
そのラック&ピニオン、ボールネジを動かすのがサーボモーターです。
そのため、サーボモーター×ラック・アンド・ピニオン、サーボモーター×ボールネジはセットになります。
通常タミヤのモーターであれば、電源をつけたときに動きます。
動きはなんとなくであり、動く量はだれもわかりません。
しかし、サーボモーターは【制御できるモーター】という理解ができます。
動きを制御できれば、直線距離を正確に把握することができます。
どれだけ回転するか(移動するか)を制御して、各軸を動かす。
これが工作機械、ロボットの動きの基礎となります。
CADというのは、座標点データをもった図面です。
その座標点をXYZに変換し、モーターで制御して駆動させる。
これがNCルーターの基本原理であり、工作機械の原理になります。
また次回解説をしていきます。
○LMガイド、リニアガイド
さて次はLMガイド、リニアガイドです。
LM(エルエム)などとも呼びます。
服のサイズではありません。
(あたりまえだ❢❢)
こちらは同じようなものですが、レールになっております。
こちらは推進力を持たない駆動方式となり、駆動のガイドをしてくれます。
ガイドレールだから、LMガイドなんですね。
リニア・モーションガイド、LMガイド、名前がとても良いです。
※リニアというのは、比例というような意味合いです。正直に動くみたいなイメージでしょうか。
上記写真を視ると、テーブルの直下にボルト・ナットがあります。これがボールネジ
ボールネジがあり回転することでテーブルを動かすことがイメージできます。
そのテーブルをうまくスライドさせるためのレールが両脇についていますが、これがLMガイドになります。
LMガイド≒リニアガイドであり、THK社の商品がLMガイドになります。
つまり
レトルトカレー(総称)がリニアガイドであり、
ボンカレー(商品名)がLMガイドになります。
ヤクルトや、サランラップのように商品名が総称になっているんですね。
そのためガイドサポートがLMガイド(リニアガイド)、駆動がボールネジまたはラックピニオンになります。
こちらも直線運動ですが、LMブロックの中の玉が回転して抵抗を減らしています。
我々、不燃系の建材をやってますと、このLMガイドに粉塵が入り込み、玉を弾けさせることがあります。
タマのようなボールベアリングがどんどん飛んでいくことがあります。
玉がとんでいくので、
業界用語でホームランと呼ばれています。
(よばれるか❢❢)
LMガイドにはボールが入っており、エンドシールで粉塵等を避けながらうごきます。
不燃材料にはいろいろな材料があります。シリカ、アルミナ、グラスファイバー、カーボンファイバー、
もう素材自体が研磨材のような粉やスラリーがあたりまえです。
このようなきわめて過酷な条件で切削をしていく必要があります。
LMガイドに粉塵等で問題があり、ここに抵抗がかかると、サーボモーターに強い負荷がかかってしまいます。
結果として過負荷状態となり、機械が止まるわけです。
一般の金属加工用マシニングセンタですと粉塵ではなく、大きな切削カスとなるので問題はおきづらいのですが、
我々のように日々粉塵との戦いをしなければならないところはここへの知見がマストになります。
LMガイドへの粉塵によってボールネジのボルト部分が折れたケースもあります。
ボルトネジなんと、32mmもある直径ボルトがへし折れたのです❢❢
LMガイドが如何に抵抗を下げていたのかがわかりますし、
サーボモーターの負荷というのは相当な力になります。
○LMガイドの粉塵対策
LMガイドの粉塵対策については、オイル管理、オイル選定、グリス管理、グリス選定
グリス方式、オイル方式、定期メンテナンスといった数多くの工数によってなりたっています。
どちらからというとものすごい地味ではありますが、ここがノウハウ、会社の知見になるのではないかと思います。