ユニット用外壁づくりとは?屋外、耐水その知見と応用。
どうもこんにちは。
まぶちでございますよ。
今日は屋外ユニットの外壁について。
OEMで屋外ユニットの外壁を作ることがあります。
ほとんど外部にださない情報を今日は開示したいと思います。
外壁については素材がさまざまあります。
断熱、軽量性を付与した外壁
外壁というのは、紫外線や風雨から守らねばならないので、非常に耐久性が必要な部材になります。
だって、普通の雨風はもとより、台風もあれば、塩を含んだ海風もあるわけです。
40度の太陽光で、ときに60度に行くこともあれば、氷点下10度になることもあります。
端的に言えば、耐久性が必要。
ということですね。
素材は、
内部層、中間層、外部層にわかれます。
外部層のマテリアル
ガルバリウム鋼板
外装のマテリアルとして多いのが、ガルバリウム鋼板です。
厚みは0.4mmまたは0.35mmが多いですね。
ガルバリウムは、鋼板なので錆びるんは錆びるんですが、
錆びた途端に内部のアルミニウムが酸化アルミニウムになることでガード層が形成されます。
そのため、鉄板でありながらサビに強いという高機能外板になります。
メリットは
①カラーバリエーションが豊富
②耐候性、耐衝撃性など基本強度が高い。
③軽い。
と、かなりメリットが多いです。
また、地球は鉄の惑星と言われるほど資源が豊富なので、コスパもよいです。
サイゼリアくらいコスパいいんです。
デメリットとしては
①比重の重さ
比重が8くらいあるので、非常に重くなります。
そのためいかに薄くつくるか。というところにフォーカスしています。
たとえば3×6サイズで、0.4mmのガルバリウムだと約5kgにもなってしまいます。
②加工性
鉄板は基本、加工しづらいです。
鉄は通常巨大なハサミみたいな機械(シャーリング)で加工します。
一方、建材パネルの多くは、回転ノコギリのようなチップソーで加工します。
ロックマンのアレです。
そのため、両方を貼合したときには、どっちで加工するのか。
という話になるので、
鉄屋さんは加工できないですし、木工屋さんも加工できず、
どっちも触りたがらない。
政府が作ったWEBサイトのような
特級呪物が出来上がってしまうのです。
結果的に加工性に劣ります。
FRP板
FRPは厚みバリエーションが多数あるのですが、最薄0.6mm程度の平板になります。
イメージよく学生のころ、授業中よだれを垂らしてた下敷みたい。
(お前だけバカッ❢❢)
耐候性も優れており、鋼板につぐ高い耐候性を持っています。
屋外、雨掛かりする部分で使える点が大きいですね。
また、もしFRPを採用すれば、0.6mm厚で、1.3kgと鋼板に比べて4倍も軽くできます。
価格は多少高くなります。
メリットは
①圧倒的軽量化
②ビスを打ち込める場合がある。
③屋外雨風使用可
デメリットは
①端剤処分に困るケースがある。(不燃物となるため)
②加工性に問題がある。
ただ、基本的に、トマト工業であれば②については問題がありません。
そのため、鋼板外壁をFRPに変更するケースは結構あります。
これは燃費を重視する車両架装関係や、軽量コンテナなどです。
少しでも軽くすることが重要になりますので。
中間層のマテリアル
中間層のマテリアルは多種あります。
合板(コスト性、ビス施工性)
まずは値段が安く、ビスが効き、加工性がよい合板です。
比重0.6程度と軽量で、ほとんどの場合に適合できます。
サイズも種々あり、ほとんどのバリエーションに適合できます。
MDF/パーチクルボード(内装の仕上げ性)
耐水性はないものの、MDFやパーチクルボードといった素材も使われることがあります。
それぞれ比重が0.8と0.7なので、多少重くなります。
表層がフラットなので、内装側にしたとき、綺麗な仕上がりになります。
ただ、水に弱いです。
あえて、アカデミックに学術的に言うと、
ポケモンの”ほのお”タイプって感じかな。
(どこがアカデミックだバカッツ)
ケイカル板(耐水性)
中間層にケイカル板をもってくるのは、
主に耐水性を持たせたい場合です。
また、不燃性についてもメリットがあります。
ケイカル板の中でも、タイカライトでは、耐熱が1,000度程度あるので、
耐熱ボードとしても使えます。
石膏ボード(コスト性)
石膏ボードは圧倒的なコストメリットがあります。
比重0.7と軽量な部類ですが、
9.5tか12.5tのほぼ二種類の厚みしかないのがデメリットでしょうか。
また耐水性も劣ります。
断熱材・スタイロ・カネライト・ミラフォーム・EPS(軽量化、断熱化)
こちらもよく使われます。
圧倒的な軽量化が図れます。
ちなみに、トマト工業の屋外耐水扉は、内部にスタイロフォームが使われています。
この大きさで、重量5.5kgと超軽量を実現しているのは内部の芯材が軽量であることが主な理由です。
内壁層
化粧ボード
内側は、耐水性はいらないのですが、反面見えるところなので、化粧ボードが使用されることが多いです。
こちらはシャープボードや化粧板を採用するケースが多いです。
2.5mmからと薄く、重量も比較的軽量です。
MDFはビスが効きませんが、合板に変えるとビスを利かすことができます。
MDFや合板の基材にプリントしたシートを貼り付けたものです。
石膏ボード
内装をクロス仕上げとしたい場合、石膏ボードが使われることがあります。
石膏ボードをした後に、目地にパテを盛って削り、最後にクロスを貼り付けます。
化粧ベニヤ(シナ合板・ラワン合板など)
コストを意識した場合、シナやラワン合板などでそのまま仕上げるケースもあります。
接着剤
最後に接着剤について。
コスト重視の場合
サクビ系接着剤
コスト重視の場合はサクビ系接着剤で行います。いわゆる木工ボンド、白ボンドです。
酢酸ビニル樹脂系接着剤といい、牛乳とヨーグルトの中間みたいな接着剤です。
カスピ海ヨーグルトみたいな接着剤です。
耐水性に劣りますが、柔軟な接着剤層を形成します。
エチレンサクビ系接着剤(EVA)
上記サクビ系の欠点を改良した、変性したサクビです。
柔軟性がアップしております。
接着剤の柔軟性ってじつは結構重要で、たとえば屋外外壁のように振動が繰り返される場合、
ガチガチの接着剤の場合ストレスが界面にかかりつづけ剥がれてしまうことがあります。
一方で柔軟な接着剤をチョイスすると、常時振動しても接着層で振動吸収することで、
界面剥離を防ぐことが可能です。
耐水性がアップするほか、付着性など物性があがっています。
変性シリコン系
変性シリコン系は、空気中の湿気と反応するタイプが多く、
取り回しがよく、柔軟性に優れた高機能接着剤です。
耐候性にすぐれ、屋外でも変色が少なく、高い物性を持ちます。
そのため、屋外系ではよく使われますね。
ウレタン系
ウレタン系は溶剤系にしては安価で1液反応硬化型のため、取り回しはよいです。
ただ、反応性が高く保存が難しい点、水場では加水分解する点、
紫外線による黄変が欠点です。
屋内向けでありますが、接着性能は高いです。
クロロプレンゴム系
黄色の粘着ゴムです。
自転車のタイヤパンク修理のアレです。
両方に粘着塗布しておき、溶剤を飛ばした後、
一度で貼り合わせます。
極性が低い素材であっても張り合わせができる点が特徴。
エポキシ系
AB二液の化学反応で接着する高価格、高機能接着剤。
ABで混ぜるので、接着面への湿気混入の必要性がないことから、自己完結型の接着剤。
物性も高く、収縮もないですが、基本高いので採用はあまりされません。
開発支援
みていただいたように、様々な種類があり、無限大の可能性があります。
それぞれに適材適所があるので、ぜひ相談をしていただければと思います。
開発支援では1枚から加工が迅速にできます。
ぜひお問い合わせくださいね。
ではまた。