「設計士が知っておくべき、建材パネルOEMのカスタマイズ可能性」
はじめに
建材の選定は、建物の意匠性、機能性、そしてコストを左右する重要な要素です。
建材パネルは、その汎用性の高さから多くのプロジェクトで採用されています。
しかし、既存の製品カタログに掲載されている仕様だけでは、多様化する設計者の意図を十分に反映できない場面も少なくありません。
そこで注目したいのが、建材パネルのOEM(相手先ブランドによる生産)です。
OEMを活用することで、既存製品の枠を超えた、自由なカスタマイズが可能になります。
この記事では、設計士の皆さまが知っておくべき、建材パネルOEMのカスタマイズ可能性について、具体的な事例を交えてご紹介します。
1. 複雑な意匠も実現する自由な「形状・加工」
一般的な建材パネルは定められた規格サイズで製造されますが、
OEMではプロジェクトに合わせた特注サイズでの製造が可能です。さらに、高度な加工技術を組み合わせることで、意匠の自由度が格段に広がります。
- NC加工による効率化: NC(Numerical Control)加工を導入することで、現場でのカット作業を大幅に減らし、工期の短縮とコスト削減に繋がります。あらかじめ正確な寸法でカットされたパネルを納品することで、現場での施工効率が向上します。
- 5軸加工によるデザイン性の向上: 同時5軸加工は、複雑な曲面や凸凹のある意匠をパネルに施すことを可能にします。これにより、ユニークなファサードや、これまでの既製品では実現できなかった複雑なデザインを実現できます。
3次元デザインを実現することができます。
2. 機能性とコストを両立する「素材・複合」の提案
パネルの基材や表面仕上げを自由に選択できるだけでなく、
複数の素材を組み合わせることで、単一の建材では成し得ない性能を引き出します。
- 耐火・高強度: ケイカル板やフレキシブルボードは、優れた耐火性を持ち、安全性が求められる空間に最適です。
※小口に鬼目ナットを打ち込んだ例:鬼目ナットによって、3次元の組み立て形状が実現できます。 低コストで耐火性を確保したい場合は石膏ボードも選択肢となります。また、表面に鉄板を貼ることで、マグネットが使えるユニークな機能性を加えることも可能です。 - 遮音・吸音: 快適な室内環境を実現するために、グラスウールボードやGCボードといった吸音材をパネルに内蔵する提案が可能です。さらに、吸音性を高めるための有孔パネル加工も承ります。
- 軽量化: 構造体への負担を軽減したい場合は、軽量なハニカムコアや中空ボードを基材に採用する提案ができます。これにより、意匠の自由度を保ちながら、建築全体の軽量化に貢献します。
3. 豊富な選択肢から選べる「表面仕上げ」
パネルの表面を仕上げる素材は、建物の印象を大きく左右します。
※該当のような自由なデザインができます。できあがりは3Dプリンターなどで事前に確認できます。
OEMでは、プロジェクトの目的やコストに合わせて最適な素材を提案します。
- コストを抑えた意匠性: オレフィン化粧板やポリ合板は、多様なデザインを比較的低コストで実現したい場合に適しています。
- リアルな質感と耐久性: ダイノックシートやオレフィンシート、強化紙などは、木目や石目、金属といったリアルなテクスチャーを再現し、ある程度の耐久性も兼ね備えています。
まとめ
建材パネルのOEMは、設計士の皆さまにとって、デザインの自由度と機能性を飛躍的に高める強力なツールです。
既製品では実現し得ないプロジェクト固有の要件に対し、最適なソリューションを提供します。
コストや工期、性能といったあらゆる側面から、建材パネルOEMの活用をご検討ください。
OEMを通じて、あなたの設計思想を形にするお手伝いができれば幸いです。
ご要望の詳細をお聞かせいただくことで、より具体的なご提案が可能です。