高所作業車バケット・電工用FRPバケットの補修・修理方法
Q:電工バケットにヒビがはいったので治したいです。
どのような手配をすればよろしいでしょうか?
電工バケットは作業環境上、破損が起きることがありますが、FRPで補修・修理が可能です。
プロになおしてほしい場合は、車屋さん等に持ち込んで相談してみてください。
FRPは特殊技能ですので、車屋さんのスキルをよく確認してくださいね。
プロが身近にいない場合、ご自身でチャレンジしたい場合などは
専用のFRPセットがありますので、そちらをご利用ください。
※高所作業によるものですので、安全に関しては細心の注意を払うようにしてください。
FRPの材料をお持ちであれば、専用のセットでなくてもできますが下記に代表的な補修の手順を記載しておきますので
ぜひ参考にしてみてください。
代表作業手順
※高所作業によるものですので、安全に関してはご自身で細心の注意を払うようにしてください。いかなる責任も負いません。
【作業手順】
1.清掃
割れた箇所を清掃します。
2.研磨
#30の粗手サンディングペーパー布タイプで、サンディングします。
この際に、一方向だけでなく、縦横方向を意識すると密着性が増します。
FRPであれば、密着は良いですが、PPポリプロピレン製ですと基本的に化学的に密着させることができません。
そのため、荒手の番手でゴリゴリ研磨して、表層に凹凸をつけてください。
ここにFRP樹脂が入り込むことで、機械的に密着させるイメージです。
そのため、PP製に関しては、密着を高めるために研磨作業を念入りに行なってください。
3.マスキング
補修箇所以外をマスキングします。
4.欠損箇所がある場合
欠損箇所がある場合、防水テープなどで下地を創ります。黒いブチル面が隠れるように
両側から合わせて貼ってください。
その他、カドがとがった場所などは、ガラスマットがなじまないことがあるので、付属の防水テープにて
代用ください。
FRPのバリなどがあれば、研磨ペーパーでよく研磨して落としてください。
5.清掃・プライマー
再度清掃を行い、研磨粉などを除去してください。
場合によってはプライマーを塗布してください。
FRPのバケットであれば、研磨のみでも十分に付着します。
6.ガラスマット
パッチをあてるために、ガラスマットを予備裁断してください。
カッターナイフなどを利用します。
段差を目立たせたくない場合は、手でちぎるとより自然な仕上がりになります。
1層で約0.6-8mm程度になります。強度が必要な場合は、枚数を増やします。
3枚程度であれば、一度に樹脂を含浸することができます。
ガラスマットを養生テープなどで固定しておきます。
この際、重量がかかりますので、重量を想定して多めに養生テープで固定してください。
※固定が難しい場合、樹脂を塗ってからガラスマットを貼ることもできます。
状況に応じて変更ください。
7.樹脂制作
樹脂を使う分量だけ計量し、硬化剤を1%入れます。
最初に全部使ってしまうと途中で硬化するケースがありますので、最初の1回は少なめで制作しましょう。
カクハン時間は1分程度よくまぜてください。
8.樹脂を塗布
樹脂を塗布して行きます。
樹脂を塗布していきます。含浸までに時間が多少かかります。
飴色になったら脱泡ローラーで脱泡をしていきます。
9.脱泡
上記を繰り返し、脱泡しFRP面を作っていきます。
強化したい箇所があれば、ガラスマットを追加し、強度アップをすることができます。
10.研磨
研磨します。
11.トップコート
トップコートに1%硬化剤を入れ、よくカクハンします。
カクハン後、トップコートを塗布していきます。
塗布量は、0.4kg/㎡となります。
1㎡で400gが使用量になります。