防水工事の水勾配はどのくらい?FRP防水木下地の作り方は?

Q:いつもお世話になりありがとうございます。

当方大工工事をやっておるものですが、FRP防水工事の水勾配はどのくらいつけるのがふつうでしょうか?
また下地をつくるに当たってその他注意点を教えて下さい。

A:いつもお世話になりありがとうございます。
FRP素材屋さん馬渕です。

住宅保証のまもりすまいさんの仕様書には

(バルコニー及び陸屋根の防水)
第8条
床は、1/50 以上の勾配を設けることとする。
ただし、防水材製造者の施工基準にお
いて表面排水を行いやすい措置を施すなど、当該基準が雨水の浸入を防止するために適
切であると認められる場合は当該基準によることができる。

とあります。

現在住宅はこのような瑕疵担保保険への加入が必要で、

雨漏りした際などは保険会社からお金が支払われる仕組みになっています。

その保険加入の際には機構が定める基準を守ってないと、

保険に入れないぞ!!

ということなのです。
つまりこれが住宅性能のスタンダードと考えるべきかと思います。

◎水勾配について◎

さて水勾配の件ですが、
昔は水勾配1/100だったと記憶してるんですが、1/50に変わったようですね。

この勾配結構きつくて
10mの大型のベランダの場合、片方に向かって200mmも勾配をつけなければなりません。
その為両側排水にして100mmづつにするのが一般的です。

おそらく1,200×10,000つまり1.2m×10mのベランダの場合、
1.2mの方向に24mm以上の勾配をつけて奥の溝に一旦水をおとし、
溝の両側に100mm勾配をつけて水を落とす。という感じでしょうか。

5m巾の場合100mmつまり10cmも片側をあげないといけません。
ただ、FRP防水特有の水たまりは少なくなると思います。
水はけがよくなれば、日当たりの悪い下部のカビや苔も生えにくく成るというメリットはあります。

デメリットとしてはベランダに降りる際の段差がきつくなる。
勾配をきつくしないといけないので、溝を作る必要があり、ベランダの出が狭く感じる。
大工さんの木工事に時間がかかる。
溝は掃除が大変になる。

といった点がありそうです。

ただ、除外規定があり、

防水材製造者の施工基準において表面排水を行いやすい措置を施す…

とあります。

わかりやすく翻訳すればこうなるでしょうか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
防水材メーカーの施工基準がこれ以下で、雨水侵入を防止するために適切であると
私達が認める場合は、水勾配は少なくても良いよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ということです。

◎FRP防水の施工基準◎

また

(5)FRP 系塗膜防水工法。ただし、ガラスマット補強材を2層(ツープライ)以上と
すること。なお、防水材製造者の施工基準において、施工面積が小さく、ガラスマ
ット補強材に十分な強度が認められる場合など、当該基準が雨水の浸入を防止する
ために適切であると認められる場合は1層とすることができる。 

基本は2層敷にしなさいよ。
ということです。

ただこれも

除外規定として

防水材メーカーの施工基準において施工面積が小さく、十分な強度が認められる場合は1層でも可

とあります。

これが具体的にどの範囲なのかはわかりかねますが、

一般的なイメージとしては10㎡以下の小規模バルコニーにおいて、#450のガラスマットを1層敷にしても良いかもしれない。

ということだと思います。

防水メーカーの仕様書にそれが載っている必要があろうかと思います。

◎立ち上がり◎
立ち上がりは250mm以上つくらないといけないようです。
水勾配分を考えると300mmというのが現実的なラインかと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

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