浴室FRP防水工事の注意点とは?
Q:いつもお世話になりありがとうございます。
馬渕さんにお聞きしたいのですが、
在来工法で浴室をリフォームしたいと思っております。
この場合どのような点に注意する必要がありますでしょうか?
A:FRP素材屋さん馬渕です。
こちらこそいつもお世話になりありがとうございます。
さて、在来工法ということですのでタイル下地など浴室のリフォームだと思います。
下地は耐水合板のケースもありますが、殆どはモルタル仕上げの下地です。
工事監理の場合、しっかりと下地を乾燥させてください。
浴室は室内の密閉空間が多いので換気をよくし、扇風機で空気の入れ替えを行ってください。
ただし、夏場などで直射日光があたり、扇風機であおったりするとドライアウトという現象でモルタルの強度低下が起こる可能性がありますので、注意してください。
とはいえ、完全に水抜きすることは難しいと思いますので、
合板、コンクリート用の湿気硬化型ポリウレタンシーラーを施工者がきちんと塗布していることを確認してください。
このタイプは、合板やコンクリート用の湿気、水分と反応硬化するタイプで、水分が大敵なFRPポリエステル樹脂との親和性を高めてくれます。
塗布量は0.2kg/㎡ですが、染み込みが速い場合は、塗布量を上げる必要が出て来る可能性もあります。
現場現場で調整しましょう。
このモルタル下地の上にFRPを施工していきます。
立ち面は下から1M以上は欲しいです。
浴室全体をFRP水槽で囲うようなイメージですね。
配管の取り合いなどは非常に気を使う部分です。
動きがある配管の場合は柔軟性がある
ポリウレタンシーリング材を奥まで充填するのが良い方法です。
端部はあくまで簡易防水となることはしっかりと確認しておきましょう。
(大工木工事、FRP防水施工者、左官工事、設備配管工事、ユニット工事、水道工事)など
もし動かない場所であれば
ロービングヒモを巻くなどしてしっかりと防水しましょう。
但しロービングヒモなどを巻くと端部がRになって後工程が大変になるケースがありますので、ご注意ください。
ガラスマットは壁面から落ちてこないようにしっかりと壁面に留め付ける必要があります。
樹脂を塗布すると想定より重くなり垂れるケースがあります。
樹脂充填分も含めて壁面に取り付ける計算をすることが重要です。
必ず上から積層していきます。
下から積層すると上の方からハガレて来ることがあるためです。
立ちが高いので、壁面からタレた樹脂はきちんとローラーですくっておきましょう。
樹脂過多は強度が上がらないばかりか、急発熱による収縮、高コスト、施工性低下など良いことは一切ありません。
壁面が終わったら底面を施工していきます。
底面にガラスマットをわりづけてください。
端部はRをとってもよいなら面木をつけてガラスマットをきちんとラップ(かさね)しましょう。
どれだけ綺麗に平面を積層しても家というのは躯体の動きが目地部に集中することを頭にいれておくことが絶対に必要です。
モルタルというのはアルカリ性の物質です。
下地のモルタルはポリウレタン樹脂シーラーにてブロックしてありますが、
上からもモルタルなどが来るのが浴室工法の通常と異なる面です。
そのため耐アルカリに優れた樹脂を使うことはもちろん、施工時もその影響を頭に入れる必要があります。
通常、FRP防水では樹脂リッチを避ける傾向にありますが、樹脂の塗布量を削りすぎるとアルカリ性にとってはマイナスにはたらく場合があるので、中塗りをするもしくは樹脂を若干ですが多めに塗っていきましょう。
中塗りが終わったら砂をまく、トンボをつけるなど後工程がやりやすいように足をつけます。
浴室にだれも入らないようにスコッチテープなどでしっかりと浴室をガードしましょう。
およそこんなところがポイントになろうかと思います。
またご不明な点がありましたらいつでもお問合わせいただきますようよろしくお願い致します。
FRP素材屋さん馬渕