冷却水の水漏れについて

Q:内圧がかかる冷却水の水漏れについて

FRPを施工しましたが、水漏れがあります。

どういった点があげられますでしょうか?

素材は鉄製
円形の底面を加工するため変性シリコンを下に塗ってFRPを施工しました。
一般積層用樹脂を使っています。
小さい穴についてはエポキシのパテを使用しています。

A:FRP素材屋さん馬渕です。

素材に対してまずは30・40番手でゴリゴリと研磨してください。
この地が強力な接着の土台となります。

理由は2つ
1.単純に接地面積が3倍、4倍と増えていきます。
2.表面の凹凸に樹脂が食い込むことで横方向や斜め方向への動きに強くなります。

よく勘違いされることがあるのですが、

みなさんのイメージでは
プライマーによる密着>>>研磨による密着
というイメージがあるかと思います。

未智の化学的液により夢のように接着する。

そんなイメージです。

しかし実際は

研磨による密着>>>>プライマーによる密着

という理解を持ってください。

なぜなら、プライマーの役割は

1.浸透、造膜による素地強化
2.粉体などがある場合の表層固化
3.素材のアルカリ成分キ出防止

といった点がプライマーの役割であるからです。

今回のような素材に対して、
鉄は素地強化の必要性がありません。
また粉体などはありません。
アルカリがキ出することがありません。

つまりプライマーによる密着の影響が少ないということが言えます。

こういった素材に対しては研磨による密着力増加の役割が大きいと考えてください。

●下地の変性シリコンについて

シリコンというのは、化学的に安定しているために他素材と非常に接着しにくいです。

そのためシリコン系離型剤があるくらいなので、ワックス成分のような働きをすることがあります。

シリコーン系シーリング材が下地にあるとFRPがくっつかないばかりか、可塑剤の影響でFRPの硬化不良を起こします。
これを改良したのが変性シリコーンですが、あくまで改良しただけなのであまり密着性がよくありません。

そのため下地が金属に対して変性シリコンが追従してもそこと、FRPの層間ですべってしまうので、水漏れになるケースがあります。

●金属下地について

また金属という素材の特徴を知る必要があります。

例えばステンレスのシンクに熱湯をかけると、【ボコっ】と音がすると思います。
これは熱によって形状が変化していることを表しています。

そのくらい熱によって動きがあるのがこうした金属になります。

一方で動きにくいFRP素材が上にあると、下は動くのに、上は動かない。
そんな状況がうまれてくることになります。

これが密着剥離の原因となります。

対処法は研磨をしっかりかけていただくこと。

につきます。

また金属下地のためアセトンで脱脂し、研磨、金属プライマを薄塗りすることで
より安全に密着します。

伺った細かい内容ですと、きちんと止水できるはずですので正しい順序にて施工していただければと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

お問い合わせ頂き、ありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)