ゲルコートにピンホールができるのはなぜ?

Q:ゲルコートを吹いたのですが、ピンホールができて困っております。
なにか良い方法はありますでしょうか?
A:いつもお世話になりありがとうございます。
FRP素材屋さん馬渕です。
FRP樹脂、ゲルコートのピンホールができて困るという話題は実は非常に多いです。
この対策をしたい時は、

その根本となる原因を調べる必要がある。

というのがものづくりの鉄則です。

例えば川が汚いとして、川下で必死に川掃除をするのが対症療法

川の上流に行き、問題源の工場からゴミの流出を留めるのが根治療法ですね。

どちらが大切かは言うまでもありません。
○原因と対策

今回は、上手くごまかす方法も必要かとは思いますが、
根本の原因を突き止めましょう。

ピンホールができるということは、仮説として
1.下地からの気泡の浮き上がり
または、
2.ゲルコート体積の縮みによって、面積が足りなくなるもの
3.溶剤分が上がってきている。またはエアーが混入している。

という仮説が立てられます。

1.下地からの気泡の浮き上がり
これについては下地FRPにピンホールがないかどうかを調べましょう。
ピンホール内部に空気を含んでいた場合、その空気が熱膨張で上面に浮き上がることも想定されます。
対策はFRPのピンホールをなくす。ということが言えます。
※2,3で合わせて原因を探りましょう。

2.一般にFRP樹脂の硬化による体積収縮は6-8%前後と言われます。
樹脂をベースに着色してあるのがゲルコートなので、当然硬化収縮をいたします。
ゲルコート体積の縮みによって、面積が足りなくなることが原因になる場合があります。

樹脂は一般的に硬化熱によって体積が縮みます。
表面に100塗布されていたものが95になる場合、ピンホールなどにつながるということです。

ではどうしたら縮みを少なくできるか。
ということですが、熱硬化反応を遅くすれば硬化収縮率も下がります。
従いまして硬化を遅くする。という改善ができます。
但し、長時間硬化タイムを取ると、異物の混入や壁面のタレなどを誘発しますので注意が必要です。

急激な熱反応を避ける。被着物の温度が上がりすぎないようにする。

といったカイゼン案があります。

3.溶剤分が上がってきている。空気が中に入っている。

これはゲルコートをカクハンする際にカクハン棒を工夫し、なるべく泡立てないようにする。
溶剤分については、
スプレーの巾を広げ、薄塗りを繰り返すことで、溶剤分が大きくゲルコート中に入るのを防ぐ。

といった方法があります。

また希釈剤をアセトンにしていた場合、揮発して蒸散するので、スチレンにて希釈した方が良い場合があります。

お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
どうぞよろしくお願い致します。

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