木工機械展に参加した件 その3

さてみなさまこんにちは。

 

まぶちでございますよ。

 

今日も朝からみんなの笑い声が聞こえてきて、とても嬉しいです。

お客さんやサプライヤーさん、そしてみんなに感謝の毎日です。

 

 

前回も無駄に長いいつもの感じになりましたよね。

 

言いたいこと言い過ぎたので少し反省しております。

 

というわけで第3回。

 

平安コーポレーション

さて、日本のNCトップメーカーの一つ、平安鉄工社です。

ボーリングマシンです。

こちらのマシンは平安鉄工独自のFANUCを搭載しており、見ての通り大変ゴツい作りになっております。

たとえば、x方向のボールネジの太さからみてわかるように、高い剛性によって長持ちするものづくりをしています。

 

海外の機械は、骨と皮で構成されていますが、日本の機械は中身がぎっしり詰まった感じで構成されています。

思想の違いですね。

 

アミテック、SHODAなどと同じ剛性主義に入るでしょうか。

 

圧倒的な信頼感を形成しています。

 

機械は、側だけ長持ちしてもだめで、制御も安定させる必要があります。

 

その制御もFANUCのため、長期で安定して使うことができます。

海外機械が10年というなか、それこそ30年というスパンで会社に貢献してくれます。

 

制御は、平安FANUCという仕組みで、対話型ソフトを搭載してます。

 

平安コーポレーションが誇る巨大な5軸NCマシニングセンタです。

 

こちらは、巨大なATCがついてますが、木工木型などのほか、自動車のモデル制作、

航空機産業にもつかわれております。

 

巨大なリニアガイド、ボールネジなどで構成されている加工機械です。

なぜ、航空機産業などで、こうした平安、SHODAの機械が好んでつかわれているのかというと、

 

巨大なモノを加工する際に、森精機、オークマ、マザックなどだととんでもないコストになるからです。

 

金属用のマシニングセンタは、剛性を高めて超精度をだしますが、その基準で制作するととんでもない価格になります。

 

また、設計が0から必要になるので、こうした場合、比較的自由度が高く、

かつ大きいものを研削できる平安、SHODAなどの

NCルーターが求められるということになります。

 

なので、愛知、岐阜で有名な航空機パーツメーカーにも何台も入っております。

 

たとえば、工作機械でも超精度を求められる心臓部もあれば、

 

カバーや制御機器の枠など、精度が必要にならない場合があります。

適材適所で存在しています。

 

レーザーマシン

こちらはレーザー加工機です。

原理は一緒で、サーボモーターが位置を決めながらモーターを回して超軽切削と、文字入れ、レーザー彫刻を行う機械です。

100Vで動く機械ですのでオフィスに入れることもできそうです。

チップソー

チップソーは、真誠社。

 

木工から派生して様々な分野に展開を測っています。

 

木工では、兼房社というもっとも大きく、みながベンチマークしているトヨタみたいな企業があります。

 

その他の会社はそれぞれ独自領域をもち、その分野に特化するあるいは、オリジナルの小ロット製品に強みをもつなどして

棲み分けをはかっています。

 

 

旋盤

こちらはNC旋盤。旭川機械です。

旋盤は、バイトとよばれる刃物を当てて加工するのですが、該当の機械ですとこのように捻った形の形状の制作も可能です。

 

通常であれば、バットのように、左右対称物しかできませんが、このような複雑な形状を旋盤で作れるというのがこの会社の優れたポイントかと思います。

 

丸仲商事

丸仲の縁貼り機です。

 

トップガンとよばれる機種で、国産としてはほぼ丸仲製しか出回っていないような気がします。

海外製と対抗しているのが、この機械。

 

ではなぜ制作するところがすくないのか。

 

その秘密はこの機械の機構にあたります。

この機械の裏側には、なんと9個もの工程が入っているのです。

そしてそれらが完全に同期して動く必要があります。

 

削って、のりを塗って、プレスして、エンドカットして、トリミングして、綺麗に慣らして、エンドカットして、トリミングしてバフをかける。

 

信じられないくらいの工程をそれを20秒程度で一気に連動して行ってしまう。

 

という工程の集合体になります。

 

もう一つ難しいのが、板の概念になります。

 

たとえば、鉄工やアルミであれば、ボードブロックのサイズというのは正寸で決まっています。

 

しかし木工の場合、板がポイズン、あっまちがえた、反っていたり、

波を打っていたりします。

 

そのため、機械が完璧な動きをしたとしても製品に不良がでることがあるのです。

 

 

ならいの手法

 

それを解決するための手法が、”ならい”という手法です。

 

ボードの表面にそって微妙に加工幅を調整する手法です。

 

この手法をとることによって、動きのあるボード加工ができるのです。

 

ならいの手法は、板をガイドとして、切削基準を変えていく手法です。

この概念は、金属加工にはありません。

 

アナログなのですが、非常に繊細な知見が必要な概念。

ならいの手法は、丸仲商事、東洋鉄工社あたりが得意な分野です。

 

 

スピード主義

大手企業に強みをもつ。

と申しましたが、丸仲商事の強みは3つあります。

 

1.スピード主義

2.デファクトスタンダード

3.ロボット

 

です。

1.スピード主義

アミテックや、SHODA、平安といった剛性主義の会社と少し毛色がちがいます。

中小のオーナー企業は減価償却を超えて長く働いてくれる剛性主義を好む傾向があります。

 

しかし大手企業の経営者は減価償却を数字で見ています。

 

たとえば機械の耐用年数が8年とかなので、

数字上は、これで機械の価値が消える。

となるのです。※数字上はです。

 

そのため定期的に入れ替えを行います。

つまり減価償却耐用年数を超えて働く必要がない。

 

ということになります。

 

そのため過剛性よりも、初期コストや、派遣さんなどがはじめてみても、使いやすいかどうか。

に重点がおかれるわけです。

 

そしてもう一つは、生産性になります。

大手企業では、小回りよりも量産性を重視し、時間あたりの生産数を重視するため、

丸仲商事製の機械はこのタクトとよばれる時間あたりの生産数に非常に力をいれています。

 

それは、海外の高速機械を凌ぐほどです。

 

で、この原理を聞いたのですが、ATOMレベルの私のプロセッサでは、理解が難しいのですが簡単にいうとこうです。

 

制御はシーケンサー制御で行います。

命令は順序立てて行います。

1.主軸を回展させる。

2.吸着を開始する。

3.シリンダAを動かす。

4.シリンダBを動かし軸を加工させる。

5.Z軸を下降させる。

 

といった順序で行います。

それぞれのタイムがあり、2の信号をひろって3をうごかすため、これが蓄積し遅くなります。

 

このタイムを最適化することにより、

最適化というか、削り込む。といった感覚でしょうか。

 

これによって、全体のショットタイムを短くしています。

 

たとえば、通常のボーリングマシンであればワンショット3秒近くかかるものを

丸仲の高速ボーリングですとわずか1秒にてショットをうつことができます。

 

シーケンサー制御からスピードを高速化することで、圧倒的な速さを実現しています。

 

NCルーターが重切削なら、

ボーリングマシンは軽切削に特化したスピードマシン

 

ととらえることができます。

 

2.デファクト・スタンダード

なぜ丸仲製の機械が大手企業のラインにならんでいるのか。

 

という質問をしたことがあります。

 

そしてこの質問が、丸仲商事の強みの本質につながっていきます。

 

導入の謎

 

大手企業は各社自前のシステムを持っています。

 

この自前システムは時には、新しい機械にとって障害になることがあります。

 

しかし丸仲商事は、この障害を逆手にとって、自前システムから単純なCSV形式に落とし込むような仕組みを構築しました。

 

いわば翻訳機のようなものです。

 

このソフトウエアを抑えたことにより、大手企業とそれに付随する協力企業群を取り込むことができた。

 

ということです。

 

Windowsのように標準規格をつくったことにより、参入障壁として働いているということです。

 

海外の機械ですと、自前の優れたシステムがあっても、大手企業の仕組みと合わないため

そのポテンシャルを発揮することができなかったりするのですが、丸仲の機械はそれをクリアしている。

 

ということでした。

 

この上流から抑えるという仕組みこそ、丸仲の強みの本質であると感じました。

 

我々には、

 

中国の量産仕事を国内に取り戻す。

 

という計画があります。

 

今後間違いなく量産仕事は増えてくると思いますので、

こうした国産機械も逆襲が始まることを期待します。

 

3.ロボット

 

ロボットというのも丸仲商事の強みの一つです。

 

ロボットに秀でているのは、木工業界では丸仲商事と東洋鉄工ですが、

社内に優秀なロボット人材を育成しているのがこの会社の特徴の一つといえます。

 

 

最後にラッピングマシンについても。

 

 

巾木、窓の枠材などは、日本ではシートを貼るケースが多いです。

耐水木質ボードに、枠材を貼る。というガラパゴス仕様なのですが、

これをつくる会社は丸仲の他海外に数社あるのみです。

 

ちなみに、中国の安いメーカーがあるのですが、知見が足りないので不良を連発する。ということで地雷案件になっているようです。

こちらがラッピングマシン。

このラッピングマシンはセッティングをわずか5分で完了させるマシンです。

 

形状をならうことで、製品を高速にセッティングすることができます。

 

 

JCP

 

最後にこの章では、JCPという仕組みについても。

 

丸仲商事やアミテックは、JCPという企業連合に入っています。

ジャパン・キャビネット・プロセス。

という企業連合で、ホマッグや、scmといった総合木工企業コングロマリットに対抗するために

作られた共同体のようです。

 

とういつ規格を各企業がもつことにより、お客さんからするとあたかも一つの企業で機械を購入したような

そんなイメージです。

 

各メーカーは、独自でいくのか、企業連合に入るのか、他社と提携するのか。

そんな戦略が垣間見えますね。

 

 

多様性こそ成長の根幹である。

 

私は、中古のGalaxys10liteという機種を使ってます。

 

家も、車もスマホも全部中古。

 

新品はチャリだけ。なんつって。

(ビンボくさ❢❢)

 

日本ではiPhoneが一番良いというのはわかっています。

たとえば、修理のときに部品が安い。

ディスプレイで部品だけでも2万もしますが、iPhoneなら3,000円台です。

バッテリーも5,000円位しますし、ケースもフィルムもほとんど売っていません。

iPhoneならどこでも手に入ります。

 

しかし、Galaxyをつかったことで、Galaxyのカメラの発色の良さなど

Android端末の良さもわかりました。

 

全部がiPhoneだけになったらそれはそれでつまらないし、値上がりしても買わざるをえなくなります。

メーカーも改善努力をしなくなるでしょう。

 

機械も一緒で、各種多様なサービスがあることによって、機械や産業そのものが発展していくのだと思います。

 

日本という国で素晴らしい機械に囲まれて仕事ができることを誇りに思います。

 

 

 

 

 

 

 

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