【後半】下呂宮地へお寿司を食べにいくだけのサイクリング

どうもこんにちは。

 

まぶちでございますよ。

 

今回も随筆風に。

 

火打坂峠を超えて

 

むかしとんでもなくでかいシルバーバックのカモシカを見た峠であるが、

最近は大人気のキャンプ場ができて、獣の空気感はなくなっているように感じる。

 

坂を降りるとこのあたりは本当になにもないので、

東泉寺向かいの自販機で、コーヒーを買う。

 

10時を超えて湿気があたりを包む。

 

缶コーヒーを一瞬で流し込むと、進路を右にとり、山の中へ入っていく。

 

門和佐川と呼ばれる小川沿いに心細い道が山の中に誘うように続いている。

 

時折くる車を避けながら川にそって遡上していく。

 

魚たちが生まれ故郷への川をたどるように、この行為自体それそのものが意味を持っているような気もしてくる。

 

カレーホンポウという山の中のカレー屋さんがこの秘境にあるらしいが、

その手前に、ショートカットコースがあることをグーグル先生が教えてくれた。

 

以前は、通行止め看板があったような気がするが、心細いアスファルトが奥に来いよ。

と誘っているように見えた。

 

薄暗い道をたどっていくと、新しいアスファルトが突如現れ、安心して登っていると、

そのアスファルトが蜃気楼のように突如消えた。

 

引き返して大回りするか、前に進むか。

 

この場合、どちらが後悔しないか。

という観点から物事を判別する。

 

もしここで引き換えしたら、あの道はどんな道だったのだろうかと、

思い返してしまうかもしれない。

 

そう思い、自転車を押しながら歩くことに決めた。

 

 

結論、この決断は間違ってたのかもしれない。

 

砂利道はどんどんとひどくなり、山の奥へ奥へ続いている。

 

標高差で100mくらいは歩いたと思うが、

峠の頂上をすぎてもまだ道は続く。

 

押してあるいても、時折ハネ石がフレームにあたりそうで、

担いで降りる。

時間はすでに11時半をまわり、予定時刻を押している。

 

1km以上は歩いたと思うが、ついに舗道の切れ目に到着。

 

場違いなほどに綺麗に舗装された道が、この道中の中途半端さを明示しているようだった。

 

下呂宮地

 

上原の集落におり、そこから川を下る形で、下呂の町に向かっておりていく。

 

エアロフレーム特有の風を切る音とともに、舗道のありがたみを感じる。

 

宮地の商店街を通り抜け、ついに来た。下呂岩根屋さん。

 

下呂岩根屋

数年前に850円だったランチが1,000円に。

 

それでも十分すぎるほど安いと思う。

 

うどんの腰は、そのあたりのうどん屋さんよりもある気がする。

丁寧に盛り付けられた寿司ネタはこれ以上ないほど魅力的に視えた。

ここで、天丼や、カツ丼を食べれば後半の峠群でリタイヤになると考え、ちらし寿司ランチを。

 

白草山

宮地はローソンがあるが、その裏手に竹原峠という大峠がある。

ここを帰りのルートに選定した。

 

交通量を避けるためでもある。

 

峠の入口から白草山を眺める。

 

竹原峠は、標高差200m以上ある大峠だ。

 

人っ子一人通らない。

おそらく時代に取り残されたこの峠道は、今はその機能を完全に失っているのだと思う。

 

通谷荘

 

竹原峠で、水分を全部使ってしまったので、山水で水分を補給していると、

向かいの建屋からおじさんがでてきて、声をかけてくださった。

 

“どこからきたの?”

 

言われたので、

 

“関から来ました。”

と答えると、目をまんまるにしてびっくりされていた。

 

通谷荘と名付けられたその別荘は、そのおじさんが作ったもので、

荘を案内してくれた。

 

足湯からは、小川をみることができ、谷のそこからは、涼しい風が天然の扇風機となって体を冷やしてくれていた。

 

 

“夏はいいんだよ。”

 

おじさんは教えてくれた。

 

部屋にはたくさんの写真が飾ってあり、陽気なオーラでつつまれていた。

 

以前は、宮地に買い物にいっていたとのことだが、萩原に大型ショッピングセンターができて以来、みんなそっちにいっているよう。

 

下呂市は、下呂温泉が有名ではあるが、本来、下呂の中心は萩原なのではないかと思う。

 

谷の民族にとっては、狭隘な下呂や宮地よりも萩原のもつ圧倒的な天の広さに憧れをもつ気持ちがなんとなくわかる気がする。

 

帰る間際までおじさんは手を振ってくれた。

 

街道を下ると、谷の先に集落がみえてくる。

 

あっという間に上原の集落に合流した。

 

 

上原では、田口平二郎商店に入ったが、お店の方がいなかった。

 

旧街道をつないで、再度火打坂峠を登る。

 

ここは最初の斜度が10%を超えているので、3倍を常時だせないとキツイ。

 

ペダリングと呼吸が同期してくると、自分の世界に入ることができる。

 

キャンプ場にはたくさんのファミリーやソロキャンパーがおり、思い思いの世界に入っている。

 

ブンブンと音を出すバイクがないのが、このキャンプ場の良さかもしれない。

 

通常我々ロード乗りとバイクの方々はコースが似通るのだが、ここがコース外の理由がよくわからない。

 

飛騨金山からは再度長洞峠を超えるが、この斜度がとんでもなくキツイので注意が必要。

 

神渕までくると、庭みたいなもので、後は惰性で家に返ってくることができた。

 

 

再度思う、

サイクリングっていいな。

 

距離136km,獲得標高2,000m

 

 

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