ボード研磨加工の世界へようこそ。木工、せっこうボード、ケイカル板

さてみなさまこんにちは。

 

まぶちでございますよ。

 

今日は研磨加工の話。

塗装前の板に研磨をかけるかかけないかでどのくらい仕上がりがかわるでしょうか。

左右でこれだけ面精度が違います。

 

これが研磨加工。

 

ワイドベルトサンダーによる研磨加工とは?

 

ワイドベルトサンダーは、その名の通り、幅の広い研磨ベルトを使用して、

木材や金属、合板、MDFなどの材料の表面を研磨したり、厚みを均一に整えたりするための大型の機械です。

 

 

仕組み

ワイドベルトサンダーは、基本的に2本以上のローラー(ドラムプーリー)に、

幅の広い「エンドレス研磨布紙(ベルト)」を張り、それを高速で回転させて使用します。材料は自動で機械の内部を通過し、

この研磨ベルトによって表面が削られます。

 

サンディングペーパーの親玉みたいなペーパーです。

 

 

  • 研磨の精度: 非常に高い精度での研磨が可能で、0.1mm以下の単位で厚みを調整できる機種もあります。
  • 多段構成: 粗削り用の硬い金属製のドラムと、仕上げ用の柔らかなパッドなど、複数の研磨ユニットを組み合わせることで、一度の通過で粗削りから仕上げまでを行うことが可能です。

主な用途

ワイドベルトサンダーは、その高い精度と効率から、主に以下のような用途で活躍します。

  • 厚み規正: 板材の厚みを正確に揃える。自動かんな盤で発生しやすい、刃物による削り跡や端部の欠けを防ぐことができます。
  • 表面研磨: 木材の素地や塗装面の仕上げ研磨、金属の表面仕上げ。
  • 複合材料の加工: 集成材、合板、LVL、パーチクルボード、MDF、カーボン板などの表面加工。

    主要メーカー

    日本国内では、アミテック(旧 竹川鉄工)がワイドベルトサンダーの主要メーカーとして知られています。

    長年の実績があり、多くの木工工場で導入されています。
    他にも、キクカワエンタープライズなどのメーカーが様々なタイプのワイドベルトサンダーを提供しています。

    砥粒について

    砥粒についてはいくつかありますが、木工については主に2つ

     

    木工用ワイドサンダーの砥粒についてですね。ワイドサンダーの仕上がりや効率は、使用する砥粒の種類と番手(粒度)によって大きく変わります。

    砥粒の種類

    主に以下の2種類の砥粒が使われます。

     

    • 酸化アルミニウム (Aluminum Oxide / Alumina):品番でいうと、AとかWAと表記される酸化アルミニウム。アルミナタイプです。
      • 特徴: 人工的に作られた砥粒で、非常に硬く、耐久性に優れています。切れ味が鋭く、高い研磨効率が得られます。
      • 用途: 広範囲の木材の粗削りから中仕上げまで、最も一般的に使用されます。硬い木材の研磨にも適しています。
        下記CC品番よりも、靭性があるので、粘りがありカケにくいメリットがあります。
    • 炭化ケイ素 (Silicon Carbide):品番でいうと、ÇとかCCとか表記されます。
      • 特徴: 非常に硬く、鋭い結晶構造を持つ砥粒です。独特の脆性があり、研磨中に新しい鋭いエッジが生成されるため、切れ味が長持ちします。せっこうボードや、ケイカル板などの無機建材によく使用されます。
      • 用途: 木材だけでなく、塗料の剥離や、一部の複合材料の研磨にも使われます。特に、非常に滑らかな仕上がりが求められる研磨や、湿式研磨にも利用されることがあります。

    砥粒の番手 (粒度)

    番手は砥粒の粗さを表し、数字が小さいほど粗く(目が粗い)、大きいほど細かく(目が細かい)なります。

    • 粗目 (#40~#80程度): 荒削りや、表面の凹凸が大きい材の初期研磨に使用します。
    • 中目 (#100~#180程度): 粗削り後の下地調整や、中程度の平滑化に使用します。
    • 細目 (#220~#400程度): 最終仕上げや、塗装前の表面調整に使用します。さらに細かい番手もあります。

    選び方のポイント

    1. 目的: 粗削り、中仕上げ、最終仕上げ、塗装下地など、研磨の目的によって番手を選びます。
    2. 木材の種類: 針葉樹のような柔らかい木材は、目が詰まりやすいため、やや粗めの番手から始めるか、番手を上げすぎないように注意が必要です。広葉樹のような硬い木材には、切れ味の良い酸化アルミニウムが効果的です。
    3. 前の工程: 前の工程でどれくらい平滑になっているかによって、次に使う番手を選びます。急に番手を上げすぎると、前の番手の傷が消えにくくなることがあります。1.5の法則があり、だいたい1.5かけた番手で削っていくと効果的です。
      以下例として、1.5倍づつ番手を上げていった場合です。
    4. 仕上がりの要求: どこまでの滑らかさを求めるかによって、最終的な番手を決定します。

    適切な砥粒と番手を選ぶことで、効率的かつ高品質な木工研磨が可能になります。どんな木材を、どのような仕上がりにしたいかによって、最適な組み合わせを見つけることが大切ですね。

     

    まとめ

    ワイドベルトサンダーは、木工において高い精度と効率が求められる場面で非常に有効な機械です。

    特にプロの木工家や家具工房、建材メーカーなど、一定量以上の板材加工を行う環境では、その導入が作業の品質向上と効率化に大きく貢献します。適切な機種選定と運用の知識が重要となります。

     

    ではまたーーー!!

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