日本トムソンさんにLMガイドについて聞いてみたよ!!
おはようございます。
まぶちでございます。
前回関市の展示会で、日本トムソンさんが出店していたので、お話をじっくり聞いてきました。
その内容について少しお話したいと思います。
トマト工業では、
【中国から仕事を取り戻そう。】
というスローガンで、IT、IOTをつかった効率化を勧めています。
日本トムソンという会社
前回、関市のものづくりについてお話をしたのですが、そこで
実は機械要素系が関市は強い!!
という話をしました。
実際、関市の展示会ビジネスプラス展in関は大盛況だったんですが、
そこで、機械要素系の会社が多数出店されていたことはあまり知られていません。
特にとても優秀で我々がベンチマークしている企業さんについてお話したいと思っています。
もちろん関市ではフェザー、貝印が有名ではありますが、機械要素系企業でものすごく有名な会社があります。
関市でいうと
岩田製作所さんと、イマオコーポレーション、鍋屋バイテックさんです。
岩田製作所さんは、塗装治工具や機械要素、イマオコーポレーションさんはハンドルなどに定評があります。
独自の加工技術と製品群をもち多数の顧客を持っています。
アクセスのめちゃくちゃ多いこの記事を御覧ください。
ミスミに登録されている25の機械要素メーカーがあります。
たとえば、LMガイドのTHK、空圧工具のSMC、CKD超有名どころが揃ってますが、ここになんと4社も関市(あるいは近隣)に拠点がある企業があるのです。
さきの岩田さん、イマオさんの他、NBKは鍋屋バイテック社、全国的にも有名な超有名な企業です。
そして左下にあるIKO、これが日本トムソン社です。美濃に拠点があります。
では、この日本トムソン社、一体なにを作っているのでしょうか?
LMガイド、リニアモーションガイドです。
さっぱりわからないと思いますが、
こちらの記事を参考にしてください。
直線的に動くベアリングになります。
我々のNCルーターでも普通直線に動くのは、角型スライドなどを使っていたのですが、この手法は、精密に加工された角ガイド
こちらはベアリングのように玉で転がすのではなく、油だけで動かす方式です。
しかしこれだとmaxで8m/分しか出ません。
また、部品の交換ができないのと、焼入れ後の研削などコストがかかってしまいます。
これを部品化したのがLMガイドになります。
超高速で動くことができ、部品交換ができ、粉塵にも強いタイプや、動きが軽いタイプなど様々なバリエーションがあります。
今回
職務質問かってほど、質問をしたので会話形式にて書いていきます。
担当された方がめちゃくちゃ詳しく、かつ論理的な話し方でとても素晴らしい方でした。
魅力の10%も伝えられず、本来動画にするのが一番なんですが、ブログでご了承ください。
日本トムソンのLMガイド
私:THK※がLMでは有名かと思いますが、御社の製品の特徴はなんでしょうか?
※THK→世界シェア50%のモンスター企業、工作機械のLMガイドといえばTHKくらいの企業です。
ト:THKのリニアガイドは、1点支持なんですよ。逆にIKO(日本トムソン)のLMガイドは、ガイドの中に2点支持になってます。精度が非常に高いです。
機械メーカーによっては途中で止まる!なんてこともありますが、これは機械側の精度の問題になります。
私:なるほど、なぜIKOではこのような方式を採用しているのですか?
ト:やはり精度になりますね。しかし売る方にとってはTHKの方がスムーズに動くので、売りやすいとは思いますよね(笑)
LMガイド業界について
私:最近、LMガイドが全く足らないという状況がありましたよね。
ト:よくご存知ですね。数年前、全く足らないという状況がありました。
私:あれの原因は何だったんでしょうか?
ト:あれはとにかく納期重視で、機械メーカーが各社に同じ注文を発注したことが原因です。
私:しかしたくさん発注してあまったらどうするんですか?
ト:違約金をはらってでも早いところを採用する。そんな極限状態だったんです。
私:そうだったんですか。現行どんな会社があるんですか?
ト:日本にはほぼ4社あります。
トップのTHK、それからSNK、そしてIKO、ウチですね。それから台湾のハイウィンがありますね。
私:あの緑色の所ですよね。ウチにもハイウィンがあるんですが、サビがすごいです。
10年前くらいの機械なのですが、今は大分良くなってきていると思いますが。
ト:あのLMガイド騒動でかなりシェアを伸ばして来ていると思います。
LMガイド不足は経産省からなぜ出さないとお叱りを受けたくらいなんですよ。
私:半導体で車ができないように、LMがないと機械が作れませんよね。
種類について
私:ここにたくさんの種類があるんですが、どういった違いがありますか?
ト:こちらはコロネジですね。
私:スゴイコロですね。
ト:こちらは有限しゅうどう言いまして、ある範囲内の駆動をするものになります。
私:動く範囲に制限があるんですね。
ト:小さいものは、半導体製造装置に組み込まれたりして使われているんですよ。
私:なるほど・・・
青いガイドと黒いガイドの違い
私:この青いガイドと黒いガイドの違いはなんですか?
ト:この青いガイドはグリスが含まれているんです。
私:グリスが含まれている?
ト:グリスが回るようになっているので、メンテナンス性が高いんです。
私:なるほど・・・
というわけで、日本トムソンさんにLMガイドのお話を聞くことができました。
多くの知見が詰まっているこのレールによって工作機械などの超精度のサポートをしているんです。
よく、日本のものづくりは中国に負けた❢❢などと宣伝するメディアがありますが、実はこうした機械、もっというと
機械を構成する機械要素部品については凄まじく強いメーカーが日本にはあります。
おそらく目立たない分野でコツコツと頑張る。という特性に向いているんだと思います。
日本のTHKや日本トムソンがなければ、半導体の機械が作れません。
機械がつくれなければ、iPhoneだってGalaxyだってできないんです。
こうしたすごいものづくりをしている企業が地元にあるのをとても嬉しく思いました。
日本トムソンさんありがとうございました。