【5分でわかる】エッジバンダーとは?木工に使用する縁貼り機とは? 基本編
さてみなさまこんにちは。
まぶちでございますよ。
今日はトマト工業にあるエッジバンダーの解説。
エッジバンダーとは?縁貼り機とは?
縁貼り機、エッジバンダーって多くの木工所がもってるんですが、
何に使うものか、案外知られていません。
こちらがエッジバンダー。
なにをする機械か。
板の側面にエッジ材を貼る機械になります。
こうした板、側面にテープみたいなものを貼っていく加工になります。
で、じつはこれかなり多機能な機械なんです。
内部はこんな感じになっておりましてですね、複雑怪奇なんですが、
かなりのユニット構成になってます。
これ、実はこれだけの機能が内包されているんです。これ、最低限の加工で、実際はもっと加工領域があります。
①板の側面にエッジ剤を貼ります。
接着剤は、220度くらいにあたためた糊を使用。
PUR(ポリウレタンレジン)系接着剤
原料はこんな感じのもの。
②エンドカット
板に貼ったエッジ材だけを綺麗に切り落とします。
③トリミング
エッジ剤は板に対して幅が広いので、両端を削って成形します。
④側面トリミング
平で落としておいた後から、トリミングでエッジを丸める工程です。
他にも、プレミーリング機能や、スクレーパー機能、バフなど多機能になればなるほどすごい金額になっていきます。
どんどん全長が長くなっていきますね。
機能の多さは全長でだいたいわかりますね。
高いものだと5,000万!!
ちなみに、トマト工業が使ってるエッジバンダーは、グルージェットという機能がついてます。
この機能は、糊を噴射することで塗布量を極限まで抑えることができる仕組みです。
糊のはみ出しがなく、仕上げが全く他の仕様とことなります。
通常は、糊をローラーに転写させてベタ塗りするんですが、そうすると圧着した際にはみ出してしまうことがあるのです。
円形加工の場合
ちなみに、円形加工の場合、
こんな機械で円形のテーブルも加工できます。
こちらは手作業で板を回しながら押し付けていきます。
より高度な円形加工は?
で、もっと高度な機械もあり、すべてCNCで行う、BAZという機械がホマッグからでております。
岐阜県でも一部の大型の先進木工所だけに入っています。
1億くらいするんではないでしょうか。
機械メーカー
次に機械メーカー。
ホマッグ社(独)
ご存知最高峰のメーカー。
あのイケアとタッグを組んで大きくなった会社で、
最新鋭の設備をだしてくるイメージです。
機械もすごいし世界一なので、営業さんの自社製品への愛情や自信も世界一です。
(怒られるぞ!!)
剛性の極めて高い機械でブレなく、エッジを綺麗に仕上げます。
エッヂテックシリーズ。
ドイ本国に提携木工加工所をかまえ、そこで実地試験開発をしながら、
レベルの高い機械、オールウェイズ出しくれる。
(ラーメン二郎かバカッ❢❢)
で有名です。
木工屋の社長は工場をホマッグで揃えること。
ついでにベンツかBMWを揃えることが成功の証とされてます。
えっ、私、私はホンダの
フリード(中古&事故車)
じゃないですか。
(聞いてないわ❢❢)
ビエッセ社(伊)
世界でホマッグを猛追する、イタリアのビエッセ社ももちろん
高機能なエッジバンダーを出してます。
AKRONやSTREAMシリーズを出しています。
ホマッグと世界でバチバチやりあってる会社。
BDくらい。
熱風を送り込むことで圧着させる技術を持ちます。
背面をすべてポリカーボネートクリアパネルで覆うことで、メンテナンス性を高めています。
ホルツヘル社(独)
ホルツヘルは独でも職人集団のような気風で、エッジバンダーに強みを持ちます。
最高峰のグルージェットシステムが有名です。
CNCはホマッグでも、縁貼りはホルツヘルを使う会社さんがいるほど。
とにかく仕上げ、糊肌が綺麗と評判です。
通常海外機は、メンテに難点がありますが、
メンテナンス性もすぐれており、
特にここ木工の最先進地域といわれる中部圏内だと、
ホルツテクニカナゴヤさんがあることからシェアが圧倒的な印象です。
丸仲商事(日本)
日本も優秀な機械メーカーがあり、あの丸仲商事さんがこれにあたります。
特徴は現場にあわせたカスタマイズ性にすぐれており、またCSVなどの汎用データで、
各種機械との連携ができるのが特徴で、国内の大手キッチンメーカーなどの採用率が非常に高いです。
海外機は仕組みをブラックボックス化しているのに対し、csvデータという一番カンタンなデータを使って工夫できるのは
大きく評価できる点であると思います。
また、日本メーカーの最大の特徴はメンテンナンス性にあり、なにより安心感があります。
各国機械の特徴
それぞれの機械メーカーのパーツの選び方に国民性というか、思想がみえて面白いですね。
中国の機械は安いものを選びます、
ドイツは高性能なものを、
日本は信頼性があるものを選びます。
量産工場にとって最も重要なのは、カタログスペックではなく、工場ラインを如何に止めないか。
止めてしまった途端、全サプライチェーンに影響がでてしまいます。
そのため、壊れにくい堅牢性や、自社でパーツを交換できる保守性、外部からの復旧スピード
などが最も重要な要素になります。
三式戦闘機飛燕の例
1943年戦争まっただなか、日本は最新鋭の三式戦闘機飛燕を開発しました。
ドイツから高性能な液冷エンジンをライセンス生産してできあがったこの機体は、
日本陸軍の大きすぎる機体とともに現場に配布されました。
その数なんと3,000機以上。
いかに期待されてたかがわかりますが、戦果的にはあまりパッとしませんでした。
最大速度592kmと高速であり、カタログスペックは素晴らしいものがありました。
しかし、現場では高性能、精密仕様があだとなり整備性が悪く現場は最高速度492kmの隼を好んで使った。
と記載がありました。
どれだけカタログスペックが高くても、
信頼性や整備性こそが機械として信頼に値する。というのを物語るストーリーです。
さて、どれが優れているのかどうかというのは意味をなしません。
なぜなら現場にどうあうか。の方が大事だからです。
オムライスもカレーもどっちも美味しいのです。
というわけで、自社に一番適した機械はどれなのか。それを選ぶのもまた楽しいものですよね。
というわけで、エッジバンダーの紹介でした。