FRP成形物に反発力を持たせたい時は!?
Q:FRP素材屋さんこんにちは。
○○県の○○○○○ともうします。
FRPで反発力が必要なものを作っているのですが、成形方法などで硬化成形製品の物性を変えることができると思いますがあっていますでしょうか?
※質問が難しいため、簡略化しています。
A:FRP素材屋さん馬渕です。
朝から電話にてご連絡を頂いておりますが、専門的な質問があまりにも多いため、
日中は応対に追われて時間が取れません。
購入された方へのフォローを最優先させていただいておりますので、
メールにて質問いただければ嬉しく思います。
おっしゃる通り硬化成形物は様々な要件によって物性値が変わります。
○剛性を上げる配合率
FRPはファイバーで強化した樹脂プラスチックです。
このファイバーとプラスチックの割合によっても機械的強度が変わります。
反発力を剛性と置き換えると、どのように変わるのかを検討してみましょう。
ファイバーとプラスチックですが、ハンドレイアップで施工すると以下のとおりとなります。
一般的なハンドレイアップでは、ガラス含有量が30%、樹脂が70%前後になります。
この時、ガラス含有率を上げていくことで曲げ強度、引張強度、剪断強度などほぼすべての強度が上がってきます。
(注意すべきは体積あたりの強度です。樹脂が減っていくことで製品自体の強度が高くなるということではありません。)
ある一定値、閾値を超えると、曲げ、引張、などが下がってきます。
さて、ではどのラインが一番良いのかともうしますとガラス含有率40%-50%程度が同じ重量の素材を使った場合においては機械的強度が高くなります。
ただし、ハンドレイアップにおいては、施工性が落ちてきます。
つまりこの値まで持っていくのが樹脂が少なすぎて大変ということです。
○ファイバーによる剛性アップ
これは経験則ですが、剛性を上げるにはガラスマットよりもロービングクロスの方が適していると思われます。
(科学的根拠がないことにご注意ください。)
反発力は曲げ強度に比例する。という仮設が想定されます。
こと反発力剛性に関してはガラスマットの方が反発力が低下する傾向が見られます。
素材単体でみても、きちんと編み込んであるロービングクロスは
それ単体でかなりの強度を有するのに対し、ガラスマットは、ひっぱるとちぎれます。
ロービングクロスは布の服で、ガラスマットは和紙のようなイメージです。
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反発力の基礎となる曲げに対しても繊維自体が強度があるので、物性値として曲げ強度と引張強度が高い相関関係を示します。
曲げ強度が上がる設計を盛り込む必要がありそうです。
ただし、注意点として経験則に基づくものですので実際に事前テストをしていただく必要があろうかと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
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FRP素材屋さん馬渕