樹脂への硬化時間と硬化剤添加量を知りたい!


Q:樹脂の硬化時間について

FRP素材屋さん様

直接のメールですみません。

 
あと少し教えていただけますか。
 
硬化剤を1パーセントで、完全に硬化に要する時間と言うのは、どのくらいかかるのでしょうか?

硬化剤の添加割合について。

 
気温にも関係すると思いますが、室温程度の場合の大まかな時間を教えていただけますか。
 
重ね重ねすみません。よろしくお願いします。

A:お問い合わせ頂き、ありがとうございました。

FRP素材屋さんです。

樹脂の硬化時間と割合ですが、

 

外気温、湿度、下地の温度、下地の素材、樹脂のタイプ、樹脂の種類、硬化剤の種類などあまりに多種にわたって要素があるので、一概に言えないのが現状です。

 
今樹脂は冬用のタイプですので、ごく一般的な使い方ですと硬化剤2%程度で1時間程度だと思います。
 
冬場は硬化剤を多めに入れて頂きますようよろしくお願い申し上げます。

最初はあたりをつけて少なめに造っておき、徐々に諸条件に合致するように調整してきます。

例:手順
硬化剤1%、樹脂1kg◎硬化遅い⇒
硬化剤1.5%、樹脂1kg◎硬化ちょうどいい⇒
硬化剤1.5%樹脂3kg◎硬化ちょうどいい量産
というように。

先程条件が多すぎると言いましたが、硬化時間に影響を与える条件は以下のとおりとなります。

想定される条件とその対応

☆樹脂の種類(春秋型・夏型・真夏型・冬型)等
冬型の方が硬化が早い傾向があります。

☆硬化剤の量
通常1%前後(物性的には0.5-5%の範囲内)

☆硬化剤の種類
硬化剤の種類(一般・効果遅延用・速硬化用)

☆気温
外気温

☆下地の温度
下地の温度は熱を奪ったりまたは熱を与えたりするため案外大きい要件となります。

☆湿度
湿度が高すぎると硬化不良になることもあります。

☆風の有無
風によっても硬化速度が変わります。

☆スチレンモノマーの滞留
水槽などの内低部は透明なスチレンガスが溜まりやすく硬化遅延の原因となります。

☆下地の含水率
下地の含水率によっては硬化速度が大きく変わります。

☆下地の材質
下地が鉄板やアルミのような断熱性が低い材質と木材のような断熱性がある材料では硬化速度が変わります。

最後にFRPの硬化剤の添加量ですが、
一例をあげます。
1月 3%または速硬化用硬化剤3%
2月 3%または速硬化用硬化剤3%
3月 3%
4月 2%
5月 1%
6月 1%
7月 0.5%または低発熱硬化剤1%
8月 0.5%または低発熱硬化剤1%
9月 1%
10月 1%
11月 2%
12月 3%

5%でも物性的には固まることもありますが、可塑剤が悪さをすることがありますので、
3%上限推奨です。

※あくまで一例です。参考にして見てくださいね。

FRP素材屋さん 馬渕

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