カーボン繊維はポリエステルかエポキシ樹脂かどちらが良いですか？
Q:カーボンにはエポキシの方が適していますか？
エポキシの方が強度がでるって聞いたんですが、
ポリエステル系はどうなんでしょうか？
A:◎◎さん
いつもお世話になりありがとうございます。
ＦＲＰ素材屋さん馬渕です。
お問い合わせ頂き、ありがとうございました。
回答した担当が本日お休みのため、代理で回答いたします。
今回のケースは◎◎さんがどういった面でカーボンを求められているかによって、採用する素材が異なってきます。
◎機能面
機能という点で高価なカーボンを採用されるのはおそらく、強度と、軽量さが理由だと推察されます。
強度についていえば、カーボンの性能を引き出すためには、カーボン、樹脂のボイド（空隙）を少なくする必要があります。
実は日本の東レ等カーボン繊維が優れているのは、繊維中のボイドを極限までなくすよう設計製造されているからです。
板材等に加工した時カーボンおよび樹脂の間のボイド空隙が起点となり、破壊がおこるからです。
樹脂と一体化させたカーボン製品についても、レジン側のボイドは強度低下の原因となります。
その点において手作業で行うハンドレイアップ方式ではある程度限界があります。
そのためレジントランスファーモールディングという高圧加熱プレスする方法か、
真空で吸い出すレジンインフュージョン方式が取られます。
軽量さといった点についていえば、ハンドレイアップ方式ではどうしても樹脂の比率が高くなってしまいます。
鉄筋コンクリートで言えば、コンクリート過多の状態です。
この方式だと設計上の重量強度比の最適鉄筋比率よりもぶれてしまい、重量がかさみます。
そうすると、カーボンの最大の良さである軽量さを犠牲にすることになります。
カーボンクロスとの相性はポリエステル樹脂よりもエポキシの方が高いです。
◎美観面
ではなぜ、ポリエステル樹脂プラスカーボンが流通しているかといいますと、
巨大な設備や、型など初期費用がいらないこと
手軽にカーボンの質感を再現できること
など主に美観面での要素が大きいです。
それほど厳密な強度は必要ない、
美観を重視されるというのであればポリエステル系という選択になります。
この前提にたって言いますと、
カーボン用クリア樹脂が（ポリエステル系）おすすめです。
理由は3点あり
①ポリエステルの中でも比較的相性が良いこと
②安価であること
③サイズバリエーションが多く買いすぎの無駄が発生しないこと
です。
おそらくそれほど大量には必要ないと思いますので、これがおすすめです。
硬化剤をいれて、通常のFRPのように成形が可能です。
どうぞよろしくお願い致します。
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