上塗りはできる?
よく、防水層を作った後に、トップコートは引き渡し直前にして欲しい。
といわれることがあります。
お気持ちは本当によくわかります。
防水層を作った後に、いろんな業者さんが入って、
中には、塗料や土壁の土を落としていく方も見えます。
ウレタン系の塗料なんかだと、お施主様にひきわたすときに、ハウスクリーニングで取れない
場合もあります。
しかーし!しかし、
トマト工業のオリジナルのお客様では、上塗り後日工法はやっておりません。
【サービスが悪いじゃないか?】とか、
【人件費を浮かせたいの?】といわれますが、そうではありません。
もし、汚れてしまって、あとで塗って欲しいという場合には、もちろん喜んでタッチアップにもいきますし、塗料を小口でお渡しするサービスも行っております。
では、なぜそこまで、上塗りを後日にする工法をしない事。にこだわるのか?
それは、塗装屋さんの使う塗料と全く違う、防水用トップコートの特性にあります。
防水用トップコートは塗料ではありません。
おかしいですか?そうです。色はついていますが、塗料ではない・・・
厳密にいえば、
【塗料と同じ感覚で使用してはいけないもの】なのです。
上塗り後日を推奨しないのは3つの理由があります。
①防水層を作った後に放置すると、防水層自体が安定して、樹脂間(防水層+トップ)での分子間結合ができなくなってしまいます。
②また、われわれの使用するポリエステル系トップコートは、樹脂の中にトナー(色)が混ぜ込んであるのです。
もし、防水層を作って、そのまま2~3か月放置すると、防水層の上にほこりや、ゴミなどが付いて膜を作ってしまいます。
膜による層間剥離の可能性があります。
③さらに、ポリエステル系トップコートは、粒子が粗く、馴染み下地になじみにくい性質を持っています。
たとえば、ツルツルのガラスの上に塗料をぬってみると、なかなか剥がしずらいのにたいし、
ポリ系トップは、(ペロッ)と取れてしまいます。
粒子の粗さゆえ、下地の防水層と密着しずらいのです。
②、③は工程をかけて施工するので、問題はなくなりますが、①だけはどうしようもありません。
【2週間いないならば対応できる樹脂をもっていますが、現実的ではありません。】
これが逆に仕上げも最後まで行うと、防水層自体の分子構造が不安定なため、トップコートと分子間で結合するのです。
当日中にトップコートを塗る事で、分子間結合で強固な1体型防水層ができるのです。
日を置くと、防水層の分子結合が安定してしまい、アンカー効果による物理的な密着のみになってしまうのです。防水層が2層になってしまいます。
防水層の寿命自体大きくかわってきます。
お施主様にとって
最高の性能の防水をご提供するために、上塗り後日仕上げは推奨していないのです。
分子完結合を理解していない業者さんにより、今日も悲劇が繰り返されていくのです。
【何回治しにいったことか・・・】