ボード研磨の世界にようこそ。NEWワイドベルトサンダー始動予定
どうもこんにちは。
まぶちでございますよ。
今日は板を削る機械である”ワイドベルトサンダー”について
ワイドベルトサンダーってどういうもの?という疑問に回答していきたいと思います.
以前アミテック社製ワイドサンダーについて、報告させていただきました。
結構なアクセスをいただいており、感謝です。
ワイドサンダーTMTWS143
トマト工業では2027年にワイドサンダーの導入を予定しています。
今までは1つのヘッドのサンダーだったのですが、
新型機は3連ワイドサンダーです。
特殊加工技術
トマト工業は、日本で唯一、ケイカル板を2.5mmまで研磨できる超薄物研磨技術を持ちます.

ペーパーはこれ。
これ写真ではわかりにくいんですが、めちゃくちゃ巨大なんです.
普段目にするA4のサンドペーパーの42枚分!!
逆にいえば、1軸あたり、42倍の速度で削れるってことです。
さらに、それを3軸で回すので、126倍の速度で削れるってことですね。


構造はこうです.
板を投入し、鉄軸のサンダーでまずは削ります.ここで大きく厚みを落とします.

次に2番軸で少し削ります.
ここでは、番手を下げて、細かい番手で前の粗目をけします。
最後に3番軸では、ゴムローラーで優しく削り、パッドをつかって面で抑えることで、
傷をナラして仕上げます.
通常2mm程度落とすには、2回通さねばならないのですが、
3つのローラーによって、一度に2mmを落とすことができます。
これで厚み替えを簡単にできます。
研磨の5要素
研磨をする目的は5つの要素に別れます.

①不陸調整
凹凸がある素材の凹凸層をまとめて削ってしまうことで、非常にキレイに仕上げることができます。
②厚み替え
厚みを揃えることができます。
たとえば、12mmの板を10mmにするなど。
③塗装下地づくり
塗装というのは最も難しい加工なんですが、
その塗装をするときに、表層に凹凸があれば、それを拾ってしまいます.
キレイな塗装の最前提は、下地がキレイであることなのです。
④接着下地づくり
塗装は、塗料ですが、接着剤のための要素もここにはいります。
たとえばガラスに木工ボンドを載せても、ペリッとはがれるとおもいます。
これは表層がツルツルであるがためです。
ここに無数の傷をつけることで、接着性能を飛躍的に高めることが可能です.
荒手の番手で傷を一気につけます。
そのため、ボードの接着でもし困っているのであれば、これで解決できる可能性が高いです。
⑤脆弱部の除去
板の表面には製造時についた脆弱部が存在したりします。
たとえば酸化皮膜であったり、プレス機の汚れ、離型剤の付着、オイル汚れなど。
これらは、塗装や、接着剤の邪魔になります。
たとえばパンにバターを塗ったあとに、ジャムを塗っても、上で滑ってしまい、パンには付着しませんよね。
ジャムが塗料であり、接着剤なわけです。
その場合、バターが浸透している部分ごと削ってしまうようなイメージです。

これら⑤要素を実現できます。
トマト工業のサンディングシステムの特徴
さて、ここからはトマト工業だけの特徴を少し。
①素材を選ばない。
集塵問題
ワイドサンダーは、めちゃくちゃ電気を食いますので、大型の素材メーカーなどに入っている機械です.
100kwくらいで、250kwのパソコン400台分!!
そうした素材メーカーは自社の板の加工をやってますので、異素材を嫌います.
なぜなら粉を巨大な掃除機(集塵機)で集めて集約していますので。
そこに異素材が交じると、とんでもないコストになるのです。

我々の場合、機械ごとに集塵をおこなっているため、粉塵の分別が容易です。
ペーパー問題
さらに、適した研磨ペーパーがあります。
ワイドサンダー砥粒の「ABC」まとめ
| 砥粒 | 名称 | 特徴とメリット | コスト感 |
| A | 酸化アルミニウム (A/WA) | 鉄、木材など幅広い材料に使える。汎用性とコストパフォーマンスが最も高い。建材用途では最も一般的。 | 安価〜中程度 (基準) |
| C | 炭化ケイ素 (C/GC) | ガラスやセラミック、硬い木材、MDF、ケイカル板などに適する。硬度が非常に高く、目詰まりしにくい。 | 中程度 (Aよりやや高価) |
| Z | ジルコニア (ZA) | ステンレスなどの硬い金属や、重研削に適する。砥粒が砕けて切れ味を保つ「自生作用」があり、耐久性が非常に高い。 | 高価 (Aの2〜3倍程度) |
代表的なのは、A品番の酸化アルミニウム、そしてC品番の炭化ケイ素です。
コストを考えてA品番を使っているところが多いのですが、我々は炭化ケイ素でも、
ジルコニアでも可能です.
よくある質問
Q:試作でけずりたいんだけど可能?
A:1枚から可能です.
Q:持ち込み材料でもできますか?
A:多分できます。詳しくは営業にお問い合わせください。
Q:どんな素材ができますか?
A:木材、MDF、ケイカル、パーチクルボード、フレキシブルボード(セメント板)、樹脂板
など。範囲外は知見はありませんが、チャレンジはできると思います.
というわけで、板の研磨に困ったらトマト工業にぜひお問い合わせください。



