ド田舎ロケット6
6.開始後1ヶ月の挫折
屋外シャワールームの開発。
企画、設計、試作、製造、広報、販売
実際に商品を開発してから製造に至るまで、ここまでの段階があるでしょうか。
当初、それぞれを分担して商品開発を行うことを目的としておりました。
設計(建築設計士さん)
製造(トマト工業製造チーム)
企画・広報・販売(開発チーム・社長・インターン生)
と言った区分けです。
専門的な設計を外注化し、企画製造に専念する手法です。
インターン事業が走り出してから設計士さんの選定に入っては遅いので、
すでに設計士さんにも話を持っていっており、順調に話がすすむはずでした。
◎計画というのは上手くいかないものである。
【計画というのはうまくいかないものである。】
これが経験値であるというなら、これほど経験値が高い人間もそうはいないでしょう。
第一回目の打ち合わせ
ここは完全な私の責任になるのですが、設計士さんにはいままでにないデザイン性に優れたシャワールームを開発したい。
と伝えていました。
それは嘘ではないのですが、あくまで構成する機能の一部という認識でした。
一方、橋本君が集めたアンケートでは、
清潔感、掃除のしやすさ。などが上位に入っておりデザイン性はその下の方という結果になりました。
◎プロダクトデザインにかかる費用は一回きりではない。
また生産物の設計というのは、その設計費用一回のみではなく
売れた数にも数%がかかってくるということに気づいたのが
依頼した後でした。
そうした予備知識がないままプロジェクトを進めてしまっておりました。
そこで機能性、生産性を重視するのか、
一方、デザイン性を重視するのか。
それぞれ求める方向性が異なることがわかり、
かつ生産設計を頼めば、売れた数に対して設計報酬が従量的にかかってきます。
開始後僅かな期間でどちらの方向性で行くのかを決めていく必要に迫られることになりました。
わずか1ヶ月で方向転換を迫られること。
しかも大幅な。
それはまるで我々の行く先を暗示するかのようでした。