ド田舎ロケット20
6月は開始後3ヶ月目です。
他のインターン生はイベントを開いたり、ハデな商談をひらいたりと華やかな発表があるなか、
我々商品開発チームはモグラのように土中に埋まり続けていました。
橋本くんは
暑くなってきた工場で汗だくで作業することが多くなってきました。
このころ会社で欠員が出ており慢性的な人出不足の問題に苛まれていました。
ほうぼうのバックアップに入ることが多くなり終日現場に入っております。
終わると従来の業務に戻るということで商品開発の方は橋本くんがほぼ専任で行うことに。
私も橋本くんも机で作業するということがほとんどありませんでした。
われわれ商品開発部は地下に潜って開発することが多く、
作業や、手伝いも多いです。
そういった意味では
大企業に代表される
きらびやかな月9系商品開発部とは全く異なります。
モグラ系商品開発部なのです。
大手企業であれば潤沢な予算をもとに、各チームの応援のもと
商品開発を進めることが出来ると思います。
そして完全に設計と製造は分離しております。
しかし我々は
”やるぞ、橋本くん”
”はい❢❢❢社長❢❢❢”
っつって自分たちで加工してますからね。
平成のばん団右衛門先生。
商工会議所依頼の講義で、こんなことを話したことがあります。
○薩長土肥
薩長土肥の話です。
薩摩、長州、土佐、肥前です。
維新の原動力となった4カ国
薩摩には大久保利通や、西郷隆盛
長州には桂小五郎や、高杉晋作
土佐には坂本龍馬
などきらびやかなスターがおります。
では肥前は?
有名な人は名前が上がらないと思います。
スターはおりません。
その中で、なぜこのような雄藩にはいることができたのか。
といいますと、藩主鍋島閑叟公が教育を徹底したことにあります。
肥前は、藩政改革を行い、徹底的な教育により藩士を育成しました。
そして肥前は自藩で当時最新鋭の技術であったアームストロング砲の開発運用に成功しました。
江戸時代にですよ。
この日本の小国が当時ヨーロッパの小国ほどの軍事力をもつまでに至ったということです。
戊辰戦争においても、東京の幕府軍残存兵力が上野の寺に立てこもりました。
この最大の勢力をアームストロング砲は一撃で粉砕しました。
この世界においても最新兵器の開発による軍事力を背景として
明治維新という世界的にも稀に見る革命がなりたったのです。
翻って我々中小企業はと申しますと、当然、薩長土のようなスター選手はいません。
ではどうすれば雄藩になれるか。
肥前スタイルです。
この肥前のように地道な藩政改革と教育、育成こそが大事なポイントなのではないでしょうか。
そう思わざるを得ないのです。
中小企業の生きる道はこういう道ではないでしょうか。
橋本くんの日報
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【2017年6月8日日報】
8:00〜8:15:掃除
8:15〜12:00:中間研修資料作成・床と屋根FRP切り出し
12:00〜12:50:昼食
12:50〜17:00:発表会準備・プリトナー(防水剤)コーティング・床と
屋根FRPコーティング
【本日の学び気付き】
今日は、月曜日に完成した床と屋根のFRP・プリトナー(防水剤)を使用して
コーティングを行いました。
FRP・プリトナーに関しては、ノウハウがあるので1日かかってしまいましたが綺麗にぬ れたと思っています。
また、新たな課題が見えてきました。
課題1:屋根FRPにガラスマットを入れなければならなくなった。
課題2:排水筒部分の接着剤によって少し浮いてしまう
課題3:時間が掛かってしまう。
です。
課題1に関しては、ガラスマットを入れる事とプラスに上からシャワーを浴びている姿が見えてしまうという事と、真夏日だと室内が大幅に暑くなるという問題が生じるという風に助言をいただきました。
課題2に関しては、2度接着剤を塗っているのでその分上に上がってしまったのかと思います。しかし、排水筒の上にガラスマットを敷くので排水筒の周りが膨らみ、水の流れが悪くなる可能性があります。
課題3にかんしては、試作品のためトライ・アンド・エラーで試作品を作って行ったので作成するスピードが遅くなってしまったとおもいました。
一気に3つ塗るともっと早くFRP・プリトナーが塗れるとおもいました。
明日は、15:00〜の発表会とセカンド難関であるドア部分の壁の作成と部品発注ができればと思います。
23日の完成に向けて気を抜けないです。
今一度、気を引き締めて設計に取り掛かって行きたいと思います。
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【今日の成果】
・床FRP・プリトナーのコーティング
・屋根FRP・プリトナーのコーティング
どれだけ頭の中でシミュレーションしたとしても、実際にやってみないと分からない事が多くありますね。
課題1も含めて改善点をあげます。
仕様書に記載してください。
端部処理に時間がかかる件
※今回多くの時間をバリとりや、研磨、手直しに使ったと思います。
その殆どが端部とよばれる角や、凹凸部でした。
この部分が改善できればかなり時間と労力を節約できると思います。
◎ガラスクロステープの改善
そこで、巾48のガラスクロステープから巾100に変更する。
端部処理がギリギリになって突き合わせ喧嘩になった部分の改善が可能。
脚の処理に関してはおよそ1/3労力が改善
バリ取り作業がなくなる。
研磨処理作業の時間短縮
◎排水口の改善
排水口は掘り込み量を増やすこと。
ポリウレタンシーリング材の充填量を確保できる。
◎横壁ガラスの改善
樹脂をぬってからわりづけするのではなく、
予め型をつくり、切り出したマットをわりづける。
床下の一番時間がかかる部分も型のような物を作って
プレスしてきりだしてもよい。
◎樹脂量の改善
樹脂の硬化材量を適正化することで作業効率がアップできる。
1代目積層⇒2代目積層⇒1代目研磨⇒2代目研磨⇒1代目トップ⇒2代目トップ
と待ち時間なくできるようになる。
幾つかポイントがあるが、改善を積み上げる必要がありそう。
生産の改善の方は、引き続きこちらでもやっていきます。
ドアの設計に注力しましょう!!!
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○頻発する不具合
よきせぬ不具合が頻発していたことがわかります。
予想以上に時間がかかったり、施工に手間取ったり。
朝昼晩、すべてでバックグラウンドでシャワールームの改善のことが頭を駆け巡るようになっていきました。
疲労度は蓄積していき、士気の高さだけが商品開発部の原動力となっていました。