シーラーの役割
塗装においてよくわからないもののひとつにシーラーがあります。
ほぼ、シーラー=プライマーと考えられます。
トマト工業では化粧下地材(合板、MDF、ケイカル板、フレキシブルボード、パーチクルボードなど)にシーラーをうった経験があります。
特にケイカルとフレキシブルボードについては、シーラー処理が必須と言えます。
良く仕事を頂いているお客さまからシーラーを省きたいがどうしたら良いかという相談を受けます。
※シーラーの仕事をしている人に聞くのもどうかと・・・といつも思うのですが・・・
シーラー省きにいつも失敗して戻ってきたりします笑
シーラーがなぜ必要か、これは新築など現場施工にも言えることですが、
1.ケイサンカルシウム板は強いアルカリ性の性質を持っています。
アルカリと酸は反発するので、化粧シートや張り合わせ材の酸性の接着剤と基材(ケイカル板)が剥離しようとしてしまいます。
シーラーを打つことでこのアルカリを止めてやることができます。
住宅の軒天井などでもこのシーラー処理を怠った現場はベリベリに剥がれているケースを見たことがあります。
2.粉吹キンの防止
ケイカル板は石膏ボードの親戚です。
石膏ボードはボサボサで手で触ると白くなります。
これは表面の粉が剥離して手についてくるためです。
粉の上にセロテープを貼っても粉が着くだけで接着力がガタ落ちすることを経験している方もいるとおもいます。
ケイカル板もこのようなもので、基材自体は結晶化しているとはいえ、表面には粉が吹いています。
この粉を止めるために、表面にシーラーで造膜して足を作ってあげるのです。
土台の弱い基礎を固めてやるイメージです。
3.表面の平滑化
シーラーの役割の一つに表面の平滑化があります。
厚み調整時の凹凸を消す役割です。
ケイカル板の基材の厚み調整は3種類あります。
A.オートクレーブ仕上げ。
オートクレーブというピザ釜からだしてそのままの状態。見た目はフラットですが、若干凹凸があります。
含水率の違いや組成の均一度の違いでやや凹凸が見えます。
B.プレス品
ケイカルの板をプレスして圧着させます。
表面が一番綺麗ですが、稀に層間の剥離が見られる場合もあります。
C.研磨品
Aの状態の物を研磨して、表面の厚みを規制します。
一番厚み精度があります。
Cの研磨品などは研磨のペーパーの跡がどうしても残ります。
この上に薄手のシートを化粧する場合、白色や黒色、単一色ですと表にこの研磨跡がでることがあります。
この跡を消すために、表面に造膜するシーラーは非常に効果的な面があります。
シーラーは縁の下の力持ちです。
地味なのでいつもリストラに合いそうになりますが、頑張っているのです。
シーラー処理はトマト工業まで。