ベランダの防水クレームについて
弊社では数千件のベランダの防水をやっておりますが、なかにはやはりクレームをいただいてしまったこともあります。
中でも多いのが
1.トップコートのハガレ
2.防水の浮きフクレ
です。
他に多いのが
水たまりです。・・・
エッと思われるかもしれませんが、みずたまりのクレームが多々あります。
ただこれは防水施工の問題に起因する物は少なく、下地の勾配の取り方に起因します。
1.大工工事で床の勾配がとれていなかった。
2.設計上の問題で床の勾配がとれなかった。
3.モルタル勾配がとれていなかった。
という3つのケースが考えられます。
ベランダの防水にはそれぞれ1/100以上の勾配が必要です。
でないと、水がたまりママが洗濯を干すときに足が濡れたり、滑ったり、コケが生えたり良いことがありません。
具体的には2間(3,640)であれば、36ミリ以上の勾配というような感じです。
長さが長いベランダの場合、例えば両端で5間(9,100)のベランダであれば、両端に排水ドレンをつければ、それぞれ46ミリづつ中心より勾配が付いていればよいです。
ただ、設計上どうしても排水1個にしないといけない場合、91ミリもの勾配を付ける必要がでてくるのです。
またベランダの奥行きが910の場合、内寸は780ミリになります。
この780に溝120を付けると660とベランダの歩行スペースがかなり狭くなります。物干しを置くとさらに狭くなります。
そのため、溝をなしにするケースが見られますが、この場合は、サッシ側から表に8ミリ程度の勾配をつけ、さらに91ミリ付けないといけないため、合計で約100ミリ勾配をつける必要が出てきます。
こうしたネジリ勾配の場合は、より下地が複雑になってしまいます。
話は戻りますが、
1.大工工事で床の勾配がとれていなかった。
2.設計上の問題で床の勾配がとれなかった。
3.モルタル勾配がとれていなかった。
のそれぞれのケースについて
1.については、床の下地をつくるときに勾配が足りなかったケース
2.については設計士さんの現場に多いのですが、デザインを求めるためにサッシの掃き出しの高さが足りなく勾配がとれなかったケースです。
3.については、モルタル左官工事で勾配がとれないケースです。よくあるのが、左官屋さんはモルタルのイメージで勾配を作ってしまうことです。
モルタルは表面に微細な凹凸があり、凹凸を伝って流れやすく、また中にしみこむので、それほど水たまりをきにする事はありません。
FRP防水の場合は、表面張力で玉になり、完全に水が残ってしまいます。
モルタルで良いとおもった勾配がベランダ勾配には足りなかったと言うケースがよくありますので、現場の監督さんは注意する必要があると思います。
またモルタルは手作業ですので、完全平滑ではありません。そのため、見た目は良くても所々凹んでしまったりというケースが見られるので、勾配に余裕を持つことをオススメしています。
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