ユニット用外壁づくりとは?屋外、耐水その知見と応用。
どうもこんにちは。
まぶちでございますよ。
今日は屋外ユニットの外壁について。
OEMで屋外ユニットの外壁を作ることがあります。
外壁については素材がさまざまあります。
断熱、軽量性を付与した外壁
外壁というのは、紫外線や風雨から守らねばならないので、非常に耐久性が必要な部材になります。
内部層、中間層、外部層にわかれます。
外部層のマテリアル
ガルバリウム鋼板
外装のマテリアルとして多いのが、ガルバリウム鋼板です。
厚みは0.4mm等が多いですね。
ガルバリウムは、内部のアルミニウムが酸化アルミニウムになることでガード層が形成されます。
そのため、鉄板でありながらサビに強いという高機能外板になります。
メリットは
①カラーバリエーションが豊富
②耐候性、耐衝撃性など基本強度が高い。
デメリットとしては
①重い
比重が8くらいあるので、非常に重くなります。
たとえば3×6サイズで、0.4mmのガルバリウムだと約5kgにもなってしまいます。
②加工性
鉄板は加工しづらいです。
通常巨大なハサミみたいな機械(シャーリング)で加工します。
一方、パネルは、チップソーで加工します。
複合したときには、どっちで加工するのか。という話になるので、加工性に劣ります。
FRP板
FRPは厚みバリエーションが多数あるのですが、最薄0.6mm程度の平板になります。
耐候性も鋼板につぐ耐候性を持っています。
もしFRPを採用すれば、1.3kgと鋼板に比べて4倍も軽くできます。
価格はわずかに高くなります。
メリットは
①軽量化
②ビスを打ち込める場合がある。
デメリットは
①端剤処分に困るケースがある。(不燃物となるため)
②加工性に問題がある。
基本的に、トマト工業であれば②については問題がありません。
そのため、鋼板外壁をFRPに変更するケースは結構あります。
これは燃費を重視する車両架装関係や、軽量コンテナなどです。
中間層のマテリアル
中間層のマテリアルは多種あります。
合板(コスト性、ビス施工性)
まずは値段が安く、ビスが効き、加工性がよい合板です。
比重0.6程度と軽量で、ほとんどの場合に適合できます。
サイズも種々あり、ほとんどのバリエーションに適合できます。
MDF/パーチクルボード(内装の仕上げ性)
耐水性はないものの、MDFやパーチクルボードといった素材も使われることがあります。
それぞれ比重が0.8と0.7なので、多少重くなります。
表層がフラットなので、内装側にしたとき、綺麗なしあがりになります。
ケイカル板(耐水性)
中間層にケイカル板をもってくるのは、主に耐水性を持たせたい場合です。
また、不燃性についてもメリットがあります。
石膏ボード(コスト性)
石膏ボードは圧倒的なコストメリットがあります。
比重0.7と軽量な部類ですが、
9.5tか12.5tのほぼ二種類の厚みしかないのがデメリットでしょうか。
また耐水性も劣ります。
断熱材・スタイロ・カネライト・ミラフォーム・EPS(軽量化、断熱化)
こちらもよく使われます。
圧倒的な軽量化が図れます。
ちなみに、トマト工業の屋外耐水扉は、内部にスタイロフォームが使われています。
内壁層
化粧ボード
内側は、耐水性はいらないのですが、反面見えるところなので、化粧ボードが使用されることが多いです。
こちらはシャープボードや化粧板を採用するケースが多いです。
2.5mmからと薄く、重量も比較的軽量です。
MDFはビスが効きませんが、合板に変えるとビスを利かすことができます。
MDFや合板の基材にプリントしたシートを貼り付けたものです。
石膏ボード
内装をクロス仕上げとしたい場合、石膏ボードが使われることがあります。
石膏ボードをした後に、目地にパテを盛って削り、最後にクロスを貼り付けます。
化粧ベニヤ(シナ合板・ラワン合板など)
コストを意識した場合、シナやラワン合板などでそのまま仕上げるケースもあります。
接着剤
最後に接着剤について。
コスト重視の場合
サクビ系接着剤
コスト重視の場合はサクビ系接着剤で行います。いわゆる木工ボンドです。
酢酸ビニル樹脂系接着剤といい、牛乳みたいな接着剤です。
耐水性に劣りますが、柔軟な接着剤層を形成します。
エチレンサクビ系接着剤(EVA)
上記サクビ系の欠点を改良した、変性サクビです。
耐水性がアップするほか、付着性など物性があがっています。
変性シリコン系
変性シリコン系は、空気中の湿気と反応するタイプが多く、
取り回しがよく、柔軟性に優れた高機能接着剤です。
屋外でも変色が少なく、高い物性を持ちます。
ウレタン系
ウレタン系は溶剤系にしては安価で1液反応硬化型のため、取り回しはよいですが、
反応性が高く保存が難しい点、水場では加水分解する点、紫外線による黄変
が欠点です。
接着性能は高いです。
クロロプレンゴム系
黄色の粘着ゴムです。
自転車のタイヤパンク修理のアレです。
両方に粘着塗布しておき、一度で貼り合わせます。
極性が低い素材であっても張り合わせができる点が特徴。
エポキシ系
AB二液の化学反応で接着する高価格、高機能接着剤。
ABで混ぜるので、接着面への湿気混入の必要性がないことから、自己完結型の接着剤。
物性も高く、収縮もないですが、高いので採用はあまりされません。
開発支援
みていただいたように、様々な種類があり、無限大の可能性があります。
それぞれに適材適所があるので、ぜひ相談をしていただければと思います。
開発支援では1枚から加工が迅速にできます。
ぜひお問い合わせくださいね。
ではまた。