鎧兜前立て製作
甲冑同好会さんの前立て作成
関の甲冑製作同好会さんは、昔ながらの製法で一から鎧兜を造っています。
そのこだわりは半端ではなく、通常アルミなどの軽金属をつかうところ、本物の鉄板を使用し
叩きながら製造しています。
その前立てつまり伊達政宗でいうところのトンガリ月型のシンボルをトマト工業で製作しています。
今回はきずな・絆です。
技術的に言うと、それぞれの切削線はマシニングセンタの10Φ、6Φ、3Φ、そして最小の1Φのボールエンドミルで加工しています。
マシニングセンタのため加工用途に応じて刃物を替えています。
すべて細いビットでやればいいじゃない?
と思うかもしれませんが、細いビットですと回転径が小さいので、切削スピードがあがりません。
また切削高さも限界があります。
しかし、太いビットですと高速に送ることができ、厚物も一度に加工できます。
その分、半径のRが角にのこるのと、細い場所が加工できない、切削粉が大量に出る。
といった点があります。
CADに関しては、
細すぎて線がないような所は自分で線を造ってあげる必要があります。
加工に適さない図形の場合、CADで手作業で修正が入ります。
今回のフォントはアルファキャムで取り込んで加工できましたが、
アウトラインフォントと呼ばれる線形状のフォントはCADで読み込めないので、
フォント→CAD-DXFデータ→CAMデータとして読み込む必要があります。
この場合は、それだけ工程が増えるということです。
加工に適したCADを作り、
各ビットをどのくらいのスピードで送り、何段階に分けて彫るか、鋸軸を如何にして使うのか?
実践可能な最適加工状態のCAMを造ること。
といったところがマシニングセンタオペレータの仕事になります。
どんな仕上がりになるか今から楽しみでございます。