FRP防水作業の生産性アップの方法について
Q:FRP防水作業の生産性アップの方法について教えて下さい。
よろしくお願い致します。
A:いつもお世話になりありがとうございます。
FRP防水作業の生産性アップの方法ですが、
1.道具の改善
2.動線の改善
3.時間の使い方
になります。
1.道具の改善
◎塗布道具を最適化しよう。
樹脂を塗布する際に、最適なローラーを使っていますでしょうか?
一番適しているのは中毛ローラーです。
短毛ローラーは毛が5mm前後
中毛ローラーは毛が13mm前後
中長毛ローラーは毛が20mm前後
のローラーを言います。
一般的には中毛ローラーですが、
短毛ローラーを使うと、樹脂の塗布量が下がり作業工程数が増えてしまいます。
逆に中長毛ローラーを使うと、毛足が長すぎて、ガラス繊維の表層をなでてしまい、凹凸になります。
◎脱泡ローラーを最適化しよう。
脱泡については平面であれば幅が広いほうが作業性は良いです。
アルミと豚毛がありますが、
樹脂が途中で硬化すると再生不可になる豚毛と異なりアルミははがして使えるので初心者向きになります。
初心者=アルミ
なれた方=豚毛
という形になります。
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なれた方は幅広を持っておかれると作業効率があがります。
※注意点はアセトンを入れた容器の幅に入らないことがありますので大きめのバケットを用意する必要があります。
2.動線の改善
◎動作距離を改善しよう
反復動作の改善
防水の実技試験は2級、1級に関わらず、時間制限があります。
ここにおいて相当な時間差が出ることがあります。
これは何を意味しているのでしょうか?
試験者をみるとこの差が何にあるのかが見えてきます。
例えば回数が多い反復動作
ここで優秀な職人は動作距離が短いです。
バケット、洗浄、ゴミ袋
このあたりの距離がほぼ動かないでよい位置にもってきているため早くなるのです。
一方で慣れてない職人はこの動作距離が長いです。
バケットまで移動し、洗浄容器まで移動し、ゴミを捨てるまでに移動する。
これらはすべてムダな動作となります。
ここを削っていくとスムーズに楽に、早くなります。
これらが優秀な職人の特徴となります。
逆は、動線が煩雑で、大変で、かつ遅くなります。
本人的には大変な努力をしているのですが、成果にむすびついてないケースが多いです。
そのため動線をとにかく短くすることを自分で考えるようにしてもらうのが効果的と思います。
☆反復動作距離は最適か☆
☑ゴミ袋位置は適正か
☑ベース位置は適正、最短か
☑よく使うものは表にあるか
☑よく使うものはベースにあるか
☑まとめてベースに持ち運びしているか
これだけ☑できるだけで相当なムダがなくなります。
3.時間の使い方
時間の使い方で大きく時間節約ができます。
例えば、町内会で料理(カレー、豚汁)をつくるときを例にして考えましょう。
工程は
1.カレーの野菜を切る。2.豚汁の野菜を切る。3.カレーを煮る。4.豚汁を煮る。5.皿に盛り付ける
6.テーブルの準備をする。
という6工程が合った場合
3,4の煮る工程のときにテーブルの準備を行ってしまう。
そうすると
時間的には6の工程が省くことができ、5の時間でできることになります。
もっと言えば、カレーと豚汁の野菜を同時に切れば、4の時間でできることになります。
このように時間の使い方というのは非常に重要になります。
町内会の例で言えば、カレーと豚汁の具材を煮る間に、6番のテーブルの準備をする。
この工程を入れ込めば、工程数はさらに減り4の時間でできることになります。
さて、防水で同じことをいえば、FRPの場合、硬化時間というのがあります。
優秀な職人は、FRP積層後に昼食に入ります。
これはFRPが硬化している時間を昼食に当てていることになります。
またプライマーが乾燥する30分程度を見越して、樹脂、マットなどの搬入を行うこともあります。
中塗りが硬化する時間を使って樹脂の残りを撤去する。
トップが硬化剤する時間を使って清掃をする。
などもうまい時間の使い方と言えるでしょう。