FRPに硬化剤は何%入れたら良いの???

Q:FRPに硬化剤はどれだけ入れたら良いの?
A:硬化するためには様々な諸条件があり、一概に答えにくいという回答になります。
一般的に言えば1%前後を目安としてください。
最初少量で使い切れる分だけ製作して徐々に時間を見ながら増やしていくと効果的です。
硬化時間がなぜスパッと答えられないかは以下のように様々な要件があるためです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
まずFRPの硬化のメカニズムを知ることが大切です。
樹脂中のコバルトと硬化剤の成分が反応して熱反応を起こし、主材である樹脂を硬化させます。
つまりいちばん大切なのは熱という事になります。
◎硬化剤に起因する問題
硬化剤の量が足らない・・・樹脂に対する硬化剤の量は物性としては0.5%-5%の範囲です。これは樹脂1kgに対して硬化剤5gから50gの量です。
つまり範囲内で外部環境に応じて適切な量をチョイスしないといけません。これがずれると硬化時間が極端に遅くなったりすることがあります。
◎樹脂に起因する問題
樹脂の季節型が違う・・・樹脂には季節性があり、夏用の樹脂は硬化時間が遅くなるよう調整されています。仕様樹脂が夏用で、冬期に硬化させようとしてもなかなか硬化しない場合があります。
樹脂の種類が違う・・・樹脂にあった硬化剤をチョイスする必要があります。これが店舗をまたいで購入しないほうがよい理由となります。
FRP素材屋さんでは、樹脂、トップコート、ゲルコート、ホワイトパテ、各種高機能樹脂、スチロール用樹脂などの主材と硬化剤を合わせてあります。
◎外的環境の問題
気温が低い・・・気温が低いと硬化時間が極端に伸びる傾向があります。
下地の材質・・・下地が硬化熱を奪うような素材だと硬化が遅くなります。
下地の温度・・・夏場で暖められた鉄板などは当然硬化が早くなります。
湿度が高い・・・湿度が高いと硬化時間が変わるまたは硬化不良の原因となることがあります。
風の有無・・・風の有無で硬化時間が早く成ることがあります。
水槽などの底部・・・水槽など密閉空間の底部では、透明なスチレンガスが滞留し、硬化不良を起こすことがあります。
下地の材質・・・シリコーンシーラントなどの上部で、FRP樹脂が硬化しないケースがあります。おそらくシリコーン中の成分や、可塑剤がFRPに移行し硬化を妨げていると思われます。
◎表層未硬化の問題
パラフィンワックスの有無・・・ノンパラ樹脂だと表層はいつまでも硬化しません。
パラフィンワックスの種類・・・パラフィンワックスの季節型によっては表層が未硬化になる場合があります。パラフィンワックスは必ず季節にあった型を用意してください。FRP素材屋さんでは通年タイプを使用しています。
スチレンガスの滞留・・・スチレンガスが滞留しやすいと未硬化になります。
湿度の問題・・・湿度が高すぎると表層の硬化が促進されない場合があります。
つまりこれだけの要因があるので、いちがいに言えないケースが多いのです。

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FRPに硬化剤は何%入れたら良いの???”へ2件のコメント

  1. 春日谷伸和 より:

    お世話になります。
    木板をノンパラ樹脂を使いガラスマットで積層し、
    最後に色付きトップコートで仕上げようと思いますが
    積層後時間を空けずにトップコートを塗っても大丈夫でしょうか?

  2. rpxfn670 より:

    お問い合わせ頂き、ありがとうございました。

    積層後すぐにトップコートを塗ることもできなくはないです。

    ただし樹脂層が厚くなることで、蓄熱しやすくなることから
    硬化時間が速くなる傾向があります。

    硬化が早くなると、収縮が大きくなるのでノンパラ硬化後に行うのが一般的ではあります。
    どうぞよろしくお願い致します。

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