ベランダ防水、10年ごとの補修がないようにする素材はありますか?
ご担当者さま
Q:お世話になります。
○○と申します。新築工事中の施主です。
教えていただきたいことがありご連絡させて頂きました。
新築するベランダをFRP防水するのですが
10年ごとに補修工事 10万程度かかると工務店にいわれております。
紫外線による劣化がなく、補修費があまりかからない様にしたいのですが、
何らかのTOPコートの素材などを使用することで
10年ごとの補修費を20年などにできるものはないでしょうか?
地震によってひびがはいって補修が必要になることになる場合もあるようですが、
そちらは別途対策ずみですので、紫外線劣化を遅らせることが
できないかと模索しております。
A:FRP素材屋さん馬渕です。
補足説明させていただきます。
回答の補足について
結論から申しますとフッ素系の塗料を塗ればよいのですが、あまりそのようなケースはないです。
理由は
1.初期費用として高額になること
2.靭性に乏しく、物理的破損が起こること
3.塗り替えが困難になること
という理解で概ね間違いはないかと思います。
1.初期費用として高額になること
が上げられます。
※ロックペイントさんの塗料と塗替え周期より
フッ素系塗料については初期でかなりの塗料代がかかってしまいます。
10年後の効果は見えづらく普及していません。
普及していないということは量産効果で割高になります。
2.靭性に乏しい
フッ素系の素材は紫外線に対し耐候性が高いということで結合力が強いというイメージです。
結果として非常に硬度が高い素材になります。
剛性が高い反面、曲げに対し割れやすくなります。
どういうことかと申しますと
クッキーはグミに対し曲がりにくい≒剛性が高いですが、
反面曲げたときにグミよりも割れやすいです。
固いですが、割れやすいですよね。
動きがない面については非常に高い耐候性を維持しつづけますが、
ベランダは擦傷性ももとめられ、室外機など物理的な動きにも耐えなければなりません。
またベランダ下地は一枚板ではなく、パネルをつないで下地を作っているので、大きな動きがありワレやすくなってしまいます。
3.塗り替えが困難
また20年後の塗替え時にも問題がでます。
汚れがつきづらい。表面が劣化しにくい。ことから塗料が食い込むためのフックがなく
塗り替えが困難です。
ほどよく劣化した塗料というのは、表層が凹凸、ギザギザになっております。
ここに塗料がくいこむと、レゴブロックのような付着となり、強固な密着性をしめします。
汚れがつきづらい≒塗料が付着しづらい
というイメージです。
以上の観点からフッ素系クリアはおすすめできない。普及していない。
ということです。
10年で劣化する可能性がある。というのは非常に丁寧な説明で工務店さんのモラルが高いと感じました。
例えば新車を購入するとき、赤や黄色は色が抜けやすいですが、それを購入時にわざわざ説明する車屋さんはいないと思います。
10年で直ちに劣化するわけでは有りませんが、色は抜けてくるので、塗装しなおすケースもあり、塗装しなおさないケースもあります。
新車で赤が抜けて塗り直さないケースもあるようにです。
そのあたりは個々での判断となりますので、10年後に考慮されるのが今の所ベターなような気がします。
※ただし前提としてきちんとした耐候性の高いトップコートを使用した場合です。おそらく効く限り問題はなさそうな工務店さんだと推察いたします。
以上解説になります。
どうぞよろしくお願い致します。