防水下地の含水率について

Q:工務店のブルーシートのかけ方が甘く、防水下地がいつも水浸しになっています。
それをガスバーナーで炙って対処しているのですが、
下処理シーラーで良いものはありますか?
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A:いつもお世話になりありがとうございます。
FRP素材屋さん馬渕です。
まずはじめに、
ガスバーナーは絶対危険ですので、
持ち込みを禁止してください。いますぐにです。

一般的な雨仕舞、ブルーシートですとベランダ内が半密閉状態になります。
シーラー施工後、穴あけをするための
電動工具からベランダ内に充満した溶剤に引火しそこで火の海になったという話を聞きました。
(実話です。)

電動工具よりも遥かに危険なガスバーナーを木造住宅に持ち込むことは非常に危険です。

さらに、下地とはいえ、お施主さんの一生に一度の家に対しガスバーナーで炙ることは
とてもではないですが、おすすめの方法ではありません。
○対策について
批判するだけなら誰でもできますので対策を示したいと思います。
ここからは対策となります。
工務店さんの監督さんは良い家を創るという意味においては協力者になります。
そのため以下の体で説明してください。

○含水率の件
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今回は下地が水に濡れてとても施工出来る状態ではありませんので
施工を延期させていただきたいです。
もしこのまま施工すれば、のちのち高い確率で監督さんの方にクレームが入る可能性があります。

そのため延期させてください。
ブルーシートの孔で下地が濡れてフクレにつながる案件もあります。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
と説明してください。

○再施工の件
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
今後このブルーシート養生の問題を放置すれば高い確率で監督さんの方にクレームが入る可能性が
ありますので、次回からこことここを直していただけると嬉しいです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

たしかに工程管理上工期がずれると大変なことになります。

しかしここで決断すれば、下地を乾かす工程とのちのちお施主さんに誤りながら再施工する手間が一気に省ける計算になります。
またベランダ防水施工は家づくり工程でいくとかなり最初の工程ですので納期の延期は圧倒的にしやすいです。

勇気をもって決断してください。

工務店さんは、【クレームが入ることを極端に嫌う】傾向があります。
当たり前です。
そのためそこをきちんと説明すれば必ずわかってもらえます。

むしろ【信頼がおける】と判断してもらえるはずです。
だって、せっかく来たのに帰るんですから。

○次からの対策

で、次からちゃんと施工されているか確認することが大事です。

電話で依頼がくると思いますが、その際に、
(明日は雨予報ですが、きちんと雨仕舞をされてますでしょうか?)
(ちょっと確認してみるわ!、明後日でもいいけどね。)
こんな会話になると思います。そして
これを繰り返せば大丈夫です。

どんな優秀な職人もずぶ濡れな下地では良い防水ができないことを
念頭におくようにしてください。

○材料的な意味

含水率が高いと問題が起きることを話しましたが、もうちょっと突っ込んだ話をすれば、
一般的なウレタンシーラーは空気中や基材中の湿気と反応硬化する湿気反応硬化型樹脂を使用しているケースが多いです。

その場合、下地の含水率が0であれば反応ができないことになります。その意味においては高い含水率ですと反応が進みやすいです。

事実夏場のシーラーは高温多湿で硬化が速いです。

ですがあまりに高温多湿状態で早すぎると、反応が進みすぎるのか、発泡するケースがあります。
この状態になると、下地からのエアーや水分が上部に上がってきてしまう可能性があるので、
注意が必要です。

しっかりした下地以外では施工しないという判断がときには必要になるということですね。

工程がしっかりしてこれば信頼関係が生まれ、ちょっとやそっとでは他社に仕事が流れなくなります。
※あうんの呼吸が大事になります。

単価等厳しいという話も聞きますが、こちらからの要望も前向きな(工務店さんによってはクレーム削減、原価低減、納期短縮)になるのであればどんどん提案していくことはお互いのメリットにもなります。

どうぞよろしくお願い致します。

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