7.北アルプス山麓グランフォンド2019 それでも鷹狩山に僕は行く。

大丈夫か?


聞きますが、ぐずりながらそれでも頂上を目指します。

思うように体が動かなくなってきているストレスがあるのでしょう。


数年前までこの状況が低血糖であることすらわかりませんでした。

低血糖の症状がすすむと、”ハンガーノック”という極度の低血糖状態になり動くことができなくなります。

強度が高いと、燃やしやすい糖を優先的に使ってしまいます。

今は低血糖の症状。
頻繁に脚をつくようになったので、
自転車を降りて後ろから押して勢いをつけるようにしました。

”行けっ❢❢❢”

ビワイチを走ったときは頻繁にエイドポイントがありました。

しかし今回、山岳地を走っているので補給ができない。

◎鷹狩山へ

鷹狩山で孤独な戦いが始まりました。

前も後ろも人はいません。

ときおりぱらつく雨と霧であたりが真っ白になっています。


林間をしばらく行くと眼下にはるか遠方の峰々が見えてきました。

息を飲むほどに美しい光景・・・
miasa.jpg

標高は1000mを越しているはず。

takagariyama1.jpg

◎残り1.9km

残り1.9kmの看板が見えたとき、本来であればあとたったの1.9kmか・・・
と思いますが、子供と僕には果てしなく長い1.9kmに見えました。

しかしその看板の先はゆるい下りで距離を稼ぐ事ができます。

ずっと下りでいてくれ・・・

そう願いましたが、やがて上りがキツくなってきました。

それでも分岐があり、そこから急激な勾配が始まりました。

しかし頭上には、頂上を指し示すお店が見えてきていました。


最後の急勾配は15%くらいはありそうでしょうか。

最後のちからを振り絞って上り始めます。


ここが【最後の砦】ということを聞いていました。


鷹狩山の最初から数えると1時間くらい、ぽかぽからランドからは3時間くらい登り続けていたかもしれません。


最後の勾配にさしかかると右手におしゃれなレストランがありました。

頂上には、たくさんの人がまっており、こちらにむかって声援をかけてくれています。

峠に向かって登っていくその一歩一歩が、
そしてそれがとんでもなく遅くても
頂上に近づいていっている。

土井雪広さんの本に、
”敗北のない競技”
という自転車ロードレースの本があります。

たった一人だけの勝者を決める自転車ロードレースにおいて
この題名というのは、自転車競技の本質を表している気がします。



頑張れとかそんなものではないですね。

ここまできたら

やれるはずだ。

そう思っていました。


やればできるんだ❢❢❢
逃げるな❢❢❢

そして登りきったその先に

鷹狩山の絶景と、みんなの笑顔がありました。
takagariyama3.png

頂上では八坂中学校のみなさんがアイスクリームを出してくれました。


地元のブルーベリーのジャムがたっぷりはいったアイスクリームです。

takagariyama2.jpg

北アルプスは分厚い雲がかかっていましたが、
山麓の壮大な山々と
大町の絶景を見ながらアイスクリームを二人で食べました。


そして頂上から後は下るだけ。

残りは20km。


”もうこれで終わってしまうのか・・・”

すこし寂しくもありました・・・








7.北アルプス山麓グランフォンド2019 それでも鷹狩山に僕は行く。”へ6件のコメント

  1. Taisei's Dad より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    いつも楽しく拝見しております。
    息子さんの頑張ってる姿、かっこいいですね!感動です。

    私も今年4月に息子(小5)と一緒にAACR(100kmクラス)に出ることができました。
    後半、追い抜いていくライダーの[太字]「ガンバレ!」[/太字]という声が彼のペダルを回す力になってたと強く感じました。
    その後ろ姿を見て成長したなぁと、思わずウルウルしたのを覚えてます…(^-^;

    また、残りの距離が短くなってからの、「もう終わりなんだ…」という寂しさ、私もすごく感じました。自転車に乗り始めてから日が浅いですが、息子が付き合ってくれなくなるまで可能な限り機会を作ったり、イベントで一緒に走りたいなぁと思ってます。

    そうそう、「走り切った」ことは次にチャレンジするときに必ず役に立つかと。(うちの場合、直近だと、剣道に活かされたようです。あきらめずに攻める姿勢で「一本」につながりました。[打消]勉強にも活かしてほしい[/打消](^-^;)

    次の更新楽しみにしています!
    生意気なコメント、大変失礼しました…

  2. yuji より:

    SECRET: 0
    PASS: 290c26999d97a3fbc1923fd1bc5b3158
    シクロワイアードにこのイベントに出走している関サイの方達の写真が掲載されていましたね。
    記事を見て親子仲良くバナナ食べている写真もありましたよ。
    これからもブログ楽しみにしています。

  3. マボ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ありがとうございました。

    まさか同じような境遇の方がいらっしゃるとは!ブログ読みましたが[太字]”うんうん”[/太字]と頷くこと多数でした!

    [太字]”がんばれ”[/太字]という声が本当に励みになります。

    多分二人では途中でグズって終わりだったと思うのですが、背中を押してくれるというのはまさにこのことだと思いました。
    また剣道につながっているのは、”諦めない心”を信じることができるようになったという成長の証ですね!

    自転車の楽しみ方は様々あるかと思いますが、こうして子供と走れる幸せを感じています。

  4. マボ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ありがとうございました。

    まじですか!

    ゴリラとサルがバナナをかじってる写真ですね(笑)

    チームのみんなと走れて本当に楽しかったです!

  5. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    まさに先週の片知が、ほぼ半分の30分を低血糖症で上ったので辛さはよーく分かります(笑)

    大人できついのに良く子供で上りきりましたね♪

    子供と走れる幸せ羨ましいです!

  6. マボ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    30分低血糖はホントにヤバイですね・・・・

    子供は体重が軽いというメリットがあります。

    普段できない会話をたくさんできましたので良かったです❢❢❢

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