木工用NCと金属用NCの違い
木工用のNC機はNCルーターと呼ばれる事が多いです。
金属加工用はマシニングセンタと呼ばれる事が多いです。
(自動工具変換装置がないものはNCフライスです。)
いったいどこがどう違うのでしょうか?
●ワーク固定方式の違い
木工(建材)用はとにかく大きな板を加工することが多いです。
そのため、エアーで真下に吸い込み板を真空吸着する方式が一般的です。
一方金属用は小さく固い物を切削することが多いため、クランプと呼ばれる万力のようなもので締め付けて固定するようです。
●機械剛性の違い
建材用は大きな板を加工します。
基本的にはXYZをサーボモーターが動かし座標値に動くというものです。
金属用は車の部品などをイメージするとわかりやすいですが、高い精度を求められることが多いです。
建材はどちらかというと大雑把です。(笑)
サーボモーター自体は1/1000㍉の単位で制御は可能です。
ただどのようにサーボモーターが動いたとしても側枠が動いてしまっては精度が出ません。
そのため、金属用は精度を出すために、箱をがっちりと造ってあります。
重量がありそれぞれの精度もバッチリ出ています。
建材用はそこまでの精度をだしてはいません。
機械メーカーでは1/10㍉~1/100㍉の精度というようにうたっているところが多いようです。
では木質系がおとっているかというとそういうことではありません。
剛性が劣る代わりに、コストメリットがでるということがあります。
より大きな物の加工に適しているといえます。
特にガントリー式のNCルーターは建材系ならではのテクノロジーだとおもっています。
門型と比べると場所をとらず高速移動が可能です。
●刃物の違い
前も説明しましたが、
建材用はストレートのビットを使い、金属用はエンドミルとよばれるねじったビットを使用します。
これは建材用の真空吸着をビットの抵抗ではがしてしまうのを避けるためです。
金属用は熱を持つのでクーラントで冷やしながら加工します。
●切り粉処理の違い
金属用は箱のようなものに入っており、金属がその箱内で飛び散るようになっています。
代わって建材用はエアーで集塵します。
そのため、集塵用のカバーがついています。
●ウチの加工機
つらつらを書いてきましたが、ウチは木質系でも金属用でもありません。
ウチの加工機は2台とも
不燃板用です。(もちろん木質も可能)
正直機械メーカー、刃物メーカー共に不燃板に対する知見がなく、データーなどは自社で蓄積する必要があります。
大変な部分ではありますが、そこがウチの強みとなれば良いなとおもっています。
イバラの道ですが、前に前に進んでいきたいとおもっています。
いろんな違いがあって面白いですよね!
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勉強になりました。
有難うございました!
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ガントリー型=門型ではないのですか?
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くえさん
コメントいまさら気づきました。ありがとうございました。
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ガントリー型、門型両方共枠に主軸が固定されている方式は同じです。
ガントリー型は港湾にあるように、門(枠)ごと動くもの、門型は門(枠)は固定され台が動くもの。
になります。通常のフライス盤と同じですね。
金属用と異なり、建材用はワークが大きいこと、門自体の剛性をそれほど求められないことから、こうして門が動く方式ができたようです。
圧倒的なメリットは場所を取らないことです。
ただし剛性は門型のほうがあります。うちも平安鉄工さんの旧式門型NCがありますが、びくともしません。この剛性のおかげ化ほとんど故障知らずです。
ガントリーの方はよく故障したり、刃物の先端がビビってぶれたりします。
お互い一長一短があろうかと思います。