大判の合紙加工

加工のほとんどは、切削加工などが多いですが、今回は珍しい加工です。

板紙と板紙を合わせる合紙というお仕事です。
今回は、大型の合紙です。なかなか大型の紙を貼るところがないようで、弊社に試作依頼が来たのが昨年の秋です。

秋からお待たせしてしまっていたのですが、ようやく第1回の製作ができました。

弊社のロールコーターを使った加工です。

接着剤は通常の合板用のサクビ(酢酸ビニル樹脂エマルジョン系ようは木工ボンド)ではなく特殊な接着剤です。

ロールコーター

これまでに

板紙が薄いので、0.5ミリ~程度・上ローラーに付いているノリが下ローラーに転写するというケースが頻発しました。

そこで

1.下への接着剤転写の問題

改善:ロールの研磨
改善:工法の改善

トマト工業では溶剤系の塗布を多く扱っています。
そのためゴムロールが膨潤して平滑性が悪くなるケースがよくあります。

そのため膨潤していた上ロールを平滑にして平行度が取れるようにしました。
これによって下ロールに接着剤が転写すること無くできました。

またお客さんの案により2枚通しすることで厚みを稼ぐことができました。

仮圧着後、油圧プレスにて押さえ込みます。
P1060285.jpg

2.貼り合わせのズレの問題

改善:専用治具の製造

4×8移動の問題があります。4*8は通常1250*2420と言ったサイズですが、
今回のものが1200*2500程度と大変大きく、その為持ち運びの問題がありました。

持ち運びの問題については、ロール高さ改善などでどうにか出来そうですが、
問題は、ズレの問題です。
接着剤が少ないとテープとテープの接着面をそれぞれ併せてかつ、ずらしていくようなもので、
ずらし作業ができません。

そのため鉄骨溶接で貼り合わせの専用台を造りました。
これによって併せてそろえる事ができるようになりました。

年末にメーカーさんのお仕事の際に作業台について教えて頂きました。
ヒントを元に特注で製作しています。

P1060287.jpg
接着剤は生もののため手速く作業をすすめる必要があります。

接着剤を増やしたり、水分を増やす事でずらしができることもありますが、
そうすると板紙が膨潤するケースがあります。

まだプレスへの搬入の問題がありますが、1つづつ改善して行きたいと思っています。

トマト工業馬渕



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