利益いろいろ

利益にもいろいろあるのをご存じですか?

住宅メーカーの”坪単価”ばりに色々あります。

この中の利益指標をきちんと答えられる人をほとんど知りません。

粗利益

営業利益

経常利益

税引き前当期純利益

どの利益に着目すべきか?

と問われたらそれは分かりませんと答えざるを得ません。

その答えはそれぞれの利益の特質を見るとよく分かります。

では順々に説明していきましょう。

粗利益 あらりえき・あらり・差金
など様々な呼び方をされる利益の元締めみたいなもんです。

たとえば魚屋さんが市場から魚を仕入れて売ったとします。
その利益です。

つまり
市場から
5000円でサンマ100匹を仕入れて
9800円でサンマ100匹を売ったときの利益です。

4800円の利益ですね。これが粗利益です。

粗利益4800円÷売価9800円=49%
これが粗利率です。

わかりやすいですね。決算書上でも売上原価
と書かれています。コレが原価です。

これは良く勘違いされるのでスタッフにも言います。

となると4800円の儲けだと大喜びしていたらそうじゃないということが言えます。

1時間に時給1000円の人がこれだけ売ったらもう今日の仕事はOKなのでしょうか?

引き続き見ていきましょう。
ここに
販売員の給料がさっ引かれます。

1000円従業員給料
900円事務員給料
500円販売員ガソリン
700円販売店経費
300円販売店原価償却費(店のパソコンや事務機器などの費用)

合計3400円 コレが決算書上の販売費、管理費=販管費ハンカンヒですね。

販売や管理のお金です。

※工場の作業などは売上原価の方にはいります。
※工場の機械などの減価償却費は売上原価の方にはいります。

さてさてコレで出たのが

9800円  売上
▲5000円 原価
▲3400円 販管費

1400円 営業利益

営業利益です。

営業利益とは通常の営業活動による利益・
”東そのまんまやんけ”の声はこの際置いときましょう。

これで終りと思いきやまたまたさっ引かれます。
どっかの国の税金みたいですね・・・

ここからデルのが
営業外費用
営業外収益

圧倒的に多いのが営業外費用です。

これは借入金の金利などデス。

支払い利息割引料です。

支払い利息だけでは
ムムムッという感じですが、さらに割引料が付いて

ちょっとお得感あるじゃん!!的な感じがしますが・・・

おまえいいとこあんじゃん!!
と言うのは大概誤解で、やっぱり
割引とは手形の割引料でさっ引かれるという意味です。

余談になりましたが、支払い利息や割引手数料みたいなものです。

その他相手先の倒産による貸し倒れ損失などが当たります。

支払い利息割引料  600円
為替差損      100円 為替は関係ないですが便宜上入れてます。
貸し倒れ損失    200円
雑損        100円

合計       ▲900円

これがさらにさっ引かれます。

営業利益  1400円
営業外費用  ▲900円

経常利益 500円

これが経常利益です。

経常利益 ÷ 売上 =経常利益率ですが、一般的に5%行けば御の字です。

今回は500÷9800=5.1%
です。


実際こんなもんということです。

ここから特別な項目に移ります。
それが特別損失特別利益です。

経営を普通に行ったときの利益が
経常利益ですね。

そこから特別なことによる±があります。

つまり

災害による損失

こんな時代ですから、
固定資産売却による損失などなどです。

災害損失    ▲200円
固定資産売却損 ▲150円
固定資産売却益  50円

差し引き   ▲300円

経常利益  500円
特別損失  ▲350円
特別利益   50円

税引き前当期純利益  200円

さらにわるいことがかさなるもので、

世界一といわれる企業への法人税
40%がかかります。

従いまして

200円
▲80円(法人税)

ということになり120円の
最終利益が出ました。

これでめでたく缶ジュースが1本も買えるということですね!!

4800円もあった利益が最終的に120円たらず、
これだけになってしまっているのです。

よくあるのが従業員は4800円をみて
こんだけ働いてるんだちょっとくらいいい目見たって・・・

一方経営者は
120円しか利益出てないじゃん!どうなってんだっ!!
働きが悪いんじゃないかっ!!

というパターンがあると言うことです。

これは無毛な論争でどこまでたっても平行線です。

もうおわかりですよねっ!

なのでウチではちゃんとスタッフに説明をしているのです。

分かりにくい利益構造が会社の軋轢を生むというのはとてもムダな事ですよね!!

利益を生み出すために見ていた項目、それぞれ原材料などばかり目につきますが、
実はこれだけ改善項目があると言うことです。

トマト工業ではこの労務費に当たる部分や販管費の大部分を占める人件費を以下に省力化できるか、に力を入れています。

そのためにはムダを省き、最短動線、最短距離化、機械化、自動化、IT化を推し進めることでお客様に低コスト、短納期のメリットを享受しつつ、自社の利益と従業員への待遇を高めようとしています。

これらのムダな項目を1つづつ減らしていけば経営が上向いてくる。そう信じています。アゲアゲ↑

この経常利益率を40%だしている怪物のような企業がカンブリア宮殿でも出たエーワン精密さんやサーボ制御メーカー、ファナックなどです。

こういった企業は総じて従業員への待遇も良く、それが顧客満足にもつながるという良連鎖を生み出しています。

すばらしい企業ですよね。

※エーワン精密さんなどは会社の利益をだれもが見えるようにしています。
なぜだかは分かるとおわかりですね。


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