ラミネーターにフラット・エキスパンダーロールを設置したら、不良が【絶滅】レベルで激減した件
どうもこんにちは。
まぶちでございます。
朝、トマト工業の周りは全体が凍りついており、日が当たりだすのが、10時過ぎのためさむすぎて震えております。
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さて、工場のラミネーターでは多くの問題を抱えておりまして、ある特定のシートの場合どうしてもシワが入るという問題がありました。
かなり改善を加えていたのですが、今回大型アップデートが適用されました。
それが、フラットエキスパンダーロールです。
このロールは、旧来品が中央が凸形になっているバナナロールだったのですが、これでどうしても問題が多発しました。
原因を深ぼっていくと、どうにも4尺のシートだと中央からサイドにシワを広げていくのですが、3尺だと中央の凸部からはずれるのでシワが入りやすい。
という問題がありました。
エキスパンダーロールの中でもフラットエキスパンダーロールを設置しました。
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フラットエキスパンダーは、ゴムの伸びを利用してシートを広げる効果を持たせるものです。
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旧来品が、バナナ状に円弧を描いているローラーです。
対して今回のものが、フラットなゴムをつかったエキスパンダーロールです。
原理は上記の通りで、上からみると、排出側に向かってゴムを伸ばすようなシートになります。
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フラットエキスパンダーについては、全周にわたって平均的にシワを伸ばす効果を持ちます。
そのため中央を選ばないので、拡幅効果が得られます。
ラミネーターの改善により
以上、ラミネーターの改善により、いくつもお客様にメリットがでる加工ができるようになりました。
そもそもラミネーターは建材でどういうところにつかわれてるの?
と聞かれるので、
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ずばりこうした木目を使った場所です。
すべて化粧板が使われているのです。
とはいえ、我々、大量のものを高速で作ることはできません。
しかし以下の特徴を持っています。
大量ロットは苦手なのですが、小ロットや、品番がコロコロ変わるもの、一品物など他社があまりやりたがらない分野が最も得意です。
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①小ロットの加工大歓迎
日本一短いラミネーターなのですが、その半面、小回りがききます。
先日などは、
ワタシ”ラミネーターだれが動かしてた?”
社員”えっサランくんですが。”
ワタシ”エッ一人で???”
社員”そう。一人で。”
まさかのワンオペ。
すき○もびっくりです。
ラインが短いので、投入から取り出しを一人で作業できるという機械。
で、小ロットというとラミネーターの世界では、100枚とか、10枚とかが小ロットなんですが、
我々、1枚からでも大丈夫です。
②シート貼り納期が早い
準備が一人で、投入、搬出も一人でできるので、シート貼りの納期がめちゃくちゃ早いです。
通常ロット流し生産をしているところでは、小ロットをやろうとすると、ロット品が終わった谷間にやる必要があります。
しかし我々はロット生産をしておりませんので、ほぼ即製作ができます。
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最短当日
による即納体制、これが我々が目指す加工の姿です。
③小割り材の加工
ラミネーターは、通常910幅など幅広が多いのですが、
我々小割り材の加工が可能です。
高速重厚長大ラインだと、決められたサイズ以外ができません。
今まで貼ったラミネートのホソ尺の幅はなんと50mmです。
細尺の加工が可能です❢❢
④厚物加工
厚みは、15mmまで実績があります。
厚物も貼れます。
⑤シート材種
壁紙、オレフィン、塩ビ、薄紙などシート材種を選ばないという点も特徴です。
たとえば・・・
サンゲツの壁紙
なども板に貼ることができます。
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実績ありメーカー
・サンゲツ
・リリカラ
・東リ
技術的にはかなり難しいのですが、独自のパラメーター調整により実現しました。
また、塩ビシート、オレフィンシートから、強化紙、薄紙の加工も可能です。
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EBコーティングのオレフィンシートは機能性も高く非常に高機能です。
商品名はDNP社のWSサフマーレ、凸版印刷社の101エコシートです。
共和ライフテクノ社のラポール
紙系では、
共和ライフテクノ(旧日本グラビヤ工業)のリアール・グローマ
DICデコール社のデルナチュレ
サカエグラビヤ社のガイアが代表的な品番です。
個人的な主観ではありますが、耐久性では、オレフィンのDNP、WSサフマーレが相当強いです。
101エコシートではスマートナノという付加品番があり、こちらはほぼ同等だと思います。
みなさんが一番化粧シートとして見ているのは、住宅のフローリングになります。
傷や耐久性、耐候性など内装建材としては、最も高い性能を求められる部分に使用されているだけあって、
この技術は非常に高いものがあります。
なにげに、傷がつかないので生産する側としても嬉しいのです。
質感では、紙系に軍配があがります。
またコストメリットもでてきます。
共和ライフテクノのリアールシリーズと、DICデコールのデルナチュレが双璧です。
どちらも本物の無垢板、突板の質感に近づいてきていると感じます。
オレフィンと違ってより本物感がでています。質感は抜群です。
工場で生産しやすいのは、リアールシリーズの方です。
デルナチュレの方は、塗布量にかなり敏感な特徴があります。
しかし貼りあがったときの質感は素晴らしいの一言です。ダイナミックな縦木目柄は一見の価値ありです。
細かい点で言えば、デルナチュレは色柄の統一性が優れております。
リアール・グローマはバラエティに富んでいます。
ガイアはガイアで、かなり特殊な色柄があるので見ていて楽しいです。
ここで、どれが一番とか聞かれることがあるのですが、
これはカレーとオムライスどっちが美味しい。
と聞くようなもので、どれも美味しいのです。ただ個性があって素晴らしいと感じています。
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ちなみに、強化紙の一番の用途は、こちらです。
そう、ドア建材などの面材に利用されています。
我々のシートは、樹脂シート系に使われる基本エチレンサクビという高級糊を使ってますので、ほぼほぼどんな対応も可能です。
他にも、サクビ系、2液水性ビニルウレタン、エチレンサクビなどが標準です。
現行、溶剤系には対応しておりません。
多くのラミネート屋さんがコンテナで糊を仕入れてますが、
うちは20kgの箱ダンのため接着剤の面からも小ロット対応が可能です。
⑥付加加工
またその後の2次加工も得意分野でワンストップでできるので、納期、コスト、品質面でお客様にメリットが提供できます。
切削加工と糊をつかう塗装加工は別会社のパターンが多いです。なぜか。それは切削粉がでる加工と相性が悪いからです。
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しかしトマト工業では、化粧後の有孔、切削、切断、巻き込み、塗装など各種加工が可能です。
⑦台板の種類
通常のラミネート屋さんは、合板系などの木質系が多いです。
しかし我々は木質系に加えて、ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、スラグせっこうボード、フレキシブルボード
木毛セメント板、サイディングボードなどの加工が可能です。
通常粉の問題等もありますが、こうした無機建材の特徴を知っているトマト工業だからこそ加工が可能です。
試験研究、開発案件、超小ロットに最適
これらを総合すると、量産品は他社で得意なところがたくさんあるので、そちらをご利用いただいた方がお客さんにとってメリットがあると思います。
その中で
我々の立ち位置はまさに試験研究や、開発案件のように量はないが、頻繁にやり変える部分
と、超小ロット品というところにおいてはお客様にメリットがあります。
たとえば、開発案件においては、多少のコスト差よりも実は納期が早いことがメリットだったりします。
条件を変えて試作したり、開発のためのデータ取りであったり
PDCAサイクルを高速で回せば、開発が爆速化すると思います。これこそが我々がこの特殊な設備でやりたいことなのです。
ぜひご利用ください。
ではまた!!