ド田舎ロケット15
○試作の難しさ
さて試作というのはとても大変です。
なぜなら試行錯誤が入るからです。
このトライアンドエラーによる経験値の蓄積こそが大切だと考えています。
床の設計ではたくさんの問題が発生しました。
それも作ってからです。
我々二人だけの設計部隊が頭で考えて作った床ですが、いくつかの重大な問題をはらんでいました。
初期床の問題点
1.重量が重すぎて運搬が極めて大変であること
2.表面、小口、裏面に防水塗装剤を施工するため、施工が大変なこと
3.勾配をつけるためかなり細かくカットした合版を使用するので、材料代、加工代がかさむこと
などで問題がたくさんでました。
そこで、再試作を繰り返していきました。
床の問題点は土台を木材と防水材に頼っていましたが、これを鋼製化することで、加工工数の削減と、軽量化、コスト低減を可能にしました。
勾配に関しては、勾配素材を使用することで、軽量化を実現しました。
問題を解決せねばならない。そういう想いが毎日のアンテナになり、いくつかの劇的なアイデアへとつながっていきます。
恥ずかしい話、最初の試作一号機に関しては、とても販売できるレベルではなかったと思います。
しかしそれをもって我々がつくった一号機を完全否定することはできるでしょうか。
それはできません。なぜなら
我々のプロジェクトにおいて最も価値が高いのがこの一号機なのです。
もしこの一号機がなければ次の二号機も無いのです。
二号機はこの一号機を改良することに注力することで格段の進化を遂げました。
具体的には、床重量40kg⇒床重量20kgへ
コストも40%低減を果たしています。
我々はこの試作サイクルを高速化していくことにより改善を勧めていきました。
この失敗策とも言える一号機床でしたが、我々はそれを放棄することなく、一号機の床に組み込み実際に使用することにしました。