★せきサイクルツーリング2015in板取★に参加したよ!!その6
前回高賀神社から下りおよび平坦を走り、寺尾の集落までゆるい坂を登ってきています。
洞戸の交差点からは珍しい平坦路であり、高速巡航路です。
秋の風は体には冷たいはずですが、体の熱量がそれを遥かに凌駕しているよ
うです。
ショートの方の集団を何組かパスしていきます。
この辺りはロングとショートの合流点であり、
密度が高くなっています。
洞戸の観光ヤナから右折し
ゆるい坂に差し掛かるところでもなおまだ脚は回っています。
心拍は150から170、急加速による心拍アップと、若干の下りでの休みも含めて
今回は、加減速の多い
パンチのある走りを繰り返しています。
キツイ前傾姿勢を続けた体は腰が悲鳴をあげています。
TCR1はどこからかダンシングでピキピキと音がするようになりました。
インナーロー(一番軽いギア)は大会の途中から入らないようになり
自転車も悲鳴を上げているよう。
ゆるい勾配の坂で集団をパスして上の方に登ろうとすると、
ふいに、
後ろの方から気配がしました。
まさか・・・・
後ろをちらりと見ると、
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
きたーっっっっっつ!!
グリーンジャージの2人組です。
後先考えない
全力の逃げに対してどうやって追いついてきたのか?
ここにきてなお、脚がまだたくさん残っているということになります。
今度は若い子が先頭。
軽く会釈をしてくれました。
続けて
”お疲れ様です!”
向こうからも声をかけてくれました。
”お疲れ様です!!”
抜かれたはずなのに、なぜか笑顔がこぼれ返事がでます。
思えば、坂なんて大嫌いだったのに登りたくなるし、
抜かれても嬉しくなる。
不思議です。自転車って。
若い子はダンシングをしながら重力とは無縁のように
ヒラヒラと一気に抜いていきます。
高賀神社の坂に引き続き、
再度得意なはずの上りで抜かれたことになります。
しかし、こちらも
武儀の自転車おじさん
の看板を背負ってるわけじゃないですか。
簡単に引き下がるわけにはいきません。
すかさず、心拍の確認をします。
”心拍残ってるか??”
”いや、在庫ありません!”
”筋肉は!?”
”筋肉在庫0です!”
”根性は?”
”最初からありません!!”
全てがカラの状態です。
八方ふさがりですが、
スピードをアップさせなければ
自分として後悔してしまうことになります。
なけなしの最後のちからを振り絞ります。
”よしお・・・お母ちゃん、こんな時のために溜めておいた筋肉、全部使っちゃるけんね。”
”お母ちゃん、いけん!
そいはお母ちゃんの大事にしよった筋肉やなかね!
そいばつかったらいけん!!”
ばちーんっ!
”何ばいいよっと!!”
こいば、いまつかわんで、いつ使うと!
今ったい!!
こいは今流行っとっと”
”お母ちゃん、古か、古かとよ。
そんなコッテコテの島原なまりじゃなかと。
ばってん、
お母ちゃんの気持ちはわかったと。
堪忍して、堪忍してや・・・”
といった劇が繰り返され、
”お母ちゃん使わせてもらうと。
こいば・・・
大事に
大事に使わせてもらうと。”
”遠慮せんぎんよか!
ぜーんぶ筋肉使ったらよかと。”
”お母ちゃん・・・!!!”
”よしお・・・・・!!!”
・・・・
”お母ちゃん、筋肉、、、、
夕方のバ○ーの惣菜のごと
在庫のなかっと・・・・”
ふっといソーセージのような脚は、
そのほとんどを100kmの空気抵抗に吸収され、
すでに力を失って、煮込み過ぎたちくわのようになっています。
心拍の方もイエローゾーンを振り切り、
ハァハァ、からすでにハッハッツに変わっています。
これを行き過ぎるとぜぇぜぇになってしまいます。
なにより相手が早過ぎる・・・
そう思いました。
しかし、こちらも全く諦めたわけではありません。
”モネの池の近くで、パパガンバルでね!”
と約束しましたので。
もう一度急な坂がくる。
その坂の手前で必ず減速するはず。
というプランBにより必死にペダルを回します。
もう一度追いつく。
ティアグラの名にかけて。
ペダルに伝達される力は100%ではないはずです。
熱量となって空気中に発散されたり、
空気抵抗
反対側の足
背中の筋肉
体幹のブレ
自転車の振動
いろいろな所に吸収されてしまいます。
そういった無駄な力を総動員することにかけるしかありません。
すでに川浦渓谷下りの1時間も前から
腰がギンギン悲鳴をあげ、自転車もピキピキいっております。
自走も含めるとすでに100km近く走っています。
悲鳴を上げる体幹筋肉を無理やり押さえつけ、必死に追いすがります。
10M、20Mとジリジリと離されますが、
そこからは離されないようについていきます。
ここからはしっかりと視界に捉えて走ります。
もし、
3時間この背筋を押さえつけることができれば、
もっと早くなる。
もし、
この坂でなおまだ脚が残っていたら
もっと早くなる。
もし、
上りで2人を追えるだけのパワーが出せれば
もっと早くなる。
前方に飛び出していった、まぶしい二人を視界に捉え、
もう前だけを見据えます。
今よりもっと・・・
やがて最後の坂にさしかかろうとするとき・・・
続きます・・・