ケイカル板・フレキシブルボード、不燃建材のよくある質問についてまとめてみた。
前回は”自転車で花粉症が治った”という記事でしたが、
なぜか大変アクセス数が伸びました。
ただ今回はめずらしく自転車も山登りの話は一切なしでございます。
トマト工業では、不燃のボードを中心に取り扱っていますが、
ケイカル板、フレキシブルボードなどの不燃ボードについてよくある質問についてまとめてみました。
トマト工業では不燃建材の販売、加工を行っています。ぜひ御覧ください。
ケイ酸カルシウム板・フレキシブルボードの違いについて
■ケイカル板(けい酸カルシウム板)
カテゴリの違い
ケイカル板、フレキシブルボード共繊維強化セメント板というカテゴリに入ります。
主原料の違い
ケイカル板はけい酸質原料、石灰質原料、補強繊維が主原料
フレキシブルボードはセメント質原料、補強繊維が主原料となります。
比重の違い
比重もケイカル板が約0.8、フレキシブルボードは倍の1.6になります。大きさが同じなら重量が2倍になるということです。
強度の違い
重さが倍あるフレキシブルボードは強度も高いです。
例えば縦方向の曲げ強度でいくと、
ケイカル板が10N/mm2に対して、 フレキシブルボードは25N/mm2と高い強度を誇ります。
色の違い
組成の違いからくる色の違いがわかりやすいですね。
ケイカル板はホワイト系
フレキシブルボードはグレー系です。
ケイ酸カルシウム板・フレキシブルボードの耐熱性は何度?
耐熱性
フレキシブルボード・ケイカル板とも耐熱性は60度程度と解釈ください。
ただし、耐熱性の概念と言うのは物性が変化する点と言えます。
単一素材であればたとえばぐにゃりと曲がるなどわかりやすい部分もありますが、
複合的な素材の場合すべてが変化するわけではないです。
有孔ケイ酸カルシウム板とは?どのくらいの穴ピッチなの?
有孔ケイカル板とは
有孔ケイカル板はケイカル板の表面にたくさんの穴があいた板です。
これの特徴は、壁の裏側に吸音性の高いグラスウールなどを置いて、わざと音を貫通させることで、吸音させる仕組み、吸音ボードとして使用されます。
また家の軒の換気を行う目的でも使用されます。
穴のピッチ
よくある穴ピッチは5Φ×25というピッチです。
これは5Φの穴を25mm間隔で開けていくものです。
他に8Φ×20というピッチもあります。
これは8Φの穴を20mm間隔で開けていくものです。
他の穴ピッチはあるの?
残念ながら規格品ではありません。
通常穴ピッチが決まった製品の場合、一度に多くの穴を同時に開ける機械があります。
トマト工業の最新ドリリングセンタであれば、どんな穴ピッチでも対応可能です。
ドリリングセンタについて
石膏ボードとケイ酸カルシウム板の違いを教えて下さい。
石膏ボードの特徴
石膏ボードは大変すぐれた素材で価格が安く、様々な種類があるのが特徴です。
石膏ボードは多くの品種があるため、
ここでは一般的に言う標準的な石膏ボードとの比較について解説しますす。
石膏ボードが優れた素材であることの代表的な理由は、価格が安いことが挙げられます。
再生原料を主原料に使っていることもあり
9.5tでホームセンターでは400円代からてにはいります。
石膏系の素材は比重の割に柔らかい特徴があります。
加工性もよくクロス下地や塗装下地として家やマンションの内壁に使用されています。
直接目に付くことは少ないですが、
現代ではその殆どの建物に利用されているといっても過言ではないでしょう。
◎耐水性の違い
大変すぐれた特徴を持つ石膏ボードですが、この石膏ボードも一つだけ弱点があります。
それは水や湿気に弱いということになります。石膏というのは、水を吸うとボロボロになってしまうのです。
というわけで、水回りや半外部では比較的水に強いと言われるケイカル板やフレキシブルボードの出番となります。
常時水かかりしない場所ではケイカル板、
常時水掛かりする場所では、例えば土木資材などでは
フレキシブルボードの加工品がよくでています。
カテゴリの違い
石膏ボード、ケイカル板とも不燃性の板となります。
石膏ボードは9.5mmが準不燃、12.5が不燃となります。
石膏ボードは別名プラスターボードとも呼びます。
(プラスターは英語で石膏の意味)
主原料の違い
ケイカル板はけい酸質原料、石灰質原料、補強繊維が主原料ですが、
石膏板は石膏、表面の再生原紙が主原料となります。
石膏ボードの代表的なメーカーは2社
吉野石膏とチヨダウーテの大手二社の独占となります。
タイガーボードは吉野石膏社の代表的な商品名となります。
比重の違い
比重はケイカル板の0.8に対して石膏ボードが0.65となります。
不燃性能の違い
発熱性試験では、同じ厚みであればケイカル板の方が低い値を示します。
つまり不燃性能がケイカル板の方が高めということになります。
なぜ発熱性試験でケイカル板の方が低い値がでるのかについては、
これは石膏ボードは表裏に紙が貼ってあるからです。
不燃材料の中には、化粧板の基材として使用されるケースが有ります。
その場合、上に塗装なり、シートを貼るわけですが、これが発熱性試験で高い値を出してしまいます。
そのため基材にはより発熱性が低いものを持ってくる必要があります。
そのため不燃化粧板基材では、
ケイカル板が基材として使用されるケースが多いようです。
また火花が出る可能性がある照明電器、電機、電工、配電部材、機械設備部材などではケイカル板が使用されています。これも、石膏ボードが燃える可能性のある紙を貼ってあるからです。
配電関係や電器部材などでも石膏ボードよりはケイカル板が使用されるのは、こういった点があるからだと思います。フレキシブルボードでも良いのですが、こうした部材は加工ができないので、加工性の良いケイカル板が選択されます。
石膏ボードは現場系ではよく使用され、
ケイカルボードは工場系でよく使用されているのはこうした側面があります。
色の違い
石膏ボードは紙の黄色の色が代表的です。ケイカル板はホワイト系です。
代表的な石膏ボードとケイカル板ですが、このような特徴があり、それぞれ一長一短があるのです。
スラグ石膏ボードとケイカル板の違いを教えて下さい。
■ケイカル板
◎カテゴリの違い
スラグ石膏ボード、ケイカル板とも繊維強化セメント板というカテゴリに入ります。
◎主原料の違い
ケイカル板はけい酸質原料、石灰質原料、補強繊維が主原料ですが、
スラグ石膏板は石膏、スラグ、補強繊維が主原料となります。
◎比重の違い 比重はケイカル板の0.8に対して、スラグ石膏が1.0と1.25倍の重量比があります。
◎強度の違い
曲げ強度 縦方向の曲げ強度に大きな差はありません。
◎寸法変化率の違い オートクレーブ養生という手法で結晶化されるケイカル板と
そのまま出荷されるスラグ石膏ボードの違いは何でしょうか。
大きな差があるとすればまさにここになります。 寸法変化率試験はJISA5430に準拠していますが、
ケイカル板の場合長さ方向の寸法変化率は0.15%以下、スラグ石膏では0.20%以下となります。
例えば長さ2730のサイズとして
ケイカル板ですと4.1mmの変化、スラグ石膏ですと5.5mmの変化と
約1.4mmの寸法変化の違いがあります。
これは貼った後にどれだけ寸法が変化するのか。ということに置き換えられると思います。
スラグ石膏と比較すると寸法変化によるワレ、クラックといったクレームが 入りにくいのがケイカル板といえます。
◎色の違い
両方ともにホワイト系でその違いを見つけることは難しいでしょう。
◎プレシーラーの違い
スラグ石膏板はエマルジョン系のシーラーが打ってあります。
これは吸放湿による寸法変化を抑える目的とも類推できますが、そのため塗装によってはのりが良い物があります。
例えば現場でよく使用されるAEPアクリルエマルジョンペイントの類などは、ケイカル板よりも素地の状態では密着性は高いといえます。
ただ、エマルジョン系のシーラですと上物の塗装の種類によっては
剥離を起こしたりリフティング、縮れ、フクレを誘発することもあります。
注意が必要ですね。
◎価格の違い
アスノン5×3×6が一番出筋の商品かとおもいます。
1枚あたり740円
ヒシタイカ#70 5×3×6が
1枚あたり650円
ですので、ヒシタイカ#70 の方がやや割安かと思います。
ただこれは建材店さんによって大きくことなりますので、精査が必要です。
化粧ケイカル板ってなに?
化粧ケイカル板とは、ケイカル板の表面に化粧(塗装やシート貼り)を施した板で、
現場で塗ったりする必要がなく、そのまま設置出来るタイプの板です。
表面が綺麗で品質が安定しており、現場での加工がいらないことなどメリットが豊富で
近年急速に普及しています。
不燃材とは?耐火とは?
不燃材というのは材料のカテゴリです。
コーンカロリーメーターというヒーターで材料をあぶって、
その発熱性を調べますが、
ある一定の熱量になるまでの時間が
5分以内であれば難燃、
10分以内であれば準不燃、
そして一番長い
20分以内であれば不燃材料
としての材料認定が 受けられます。
※他に有毒ガスの排出がないかどうか等も調べます。
そしてこれら不燃材料を使用した構造、
(例えば不燃材料10ミリ以上とC鋼の組み合わせなど) が耐火◎◎分という壁の構造になります。
従いまして、不燃材とは材料、部品であり、耐火とは料理、製品というような構造であるように置き換えられると思います。
外壁に使用したいのですが。
外壁というのは直射日光や、紫外線、風雨など非常に高い耐久性が求められます。
ケイカル板は軒裏など直接雨掛かりしない場所に使用されますが、
雨掛かりする場所にはおすすめできません。
外壁などでは耐衝撃という観点から見る必要もあり、
衝撃などで割れる可能性もあります。 フレキシブルボードは外装用で使用されることもあります。
素地ではなく耐水塗装を施すことを推奨します。
フレキシブルボードの中には、寸法変化が大きく外装に適さないものもありますので、ご注意下さい。
こちらの記事が参考になるかと思います。
フレキシブルボードに内装用と外装用があるのですが、違いは何でしょうか?
例えば、内装のクロス貼りであれば後からボードが動くと目地にクラックが入ることがあり、
問題が起こります。
そのため内装用にはより寸法安定性を高めた製品が必要になります。
そのためオートクレーブという高圧、高温の釜で養生した製品が内装用として存在します。
セルフレックスA(オートクレーブ)が該当製品となります。
あくまでカタログ値ですが、オートクレーブ養生のあるなしで、1820幅で約1ミリ程度の寸法変化の違いがあります。
ケイカル板を加工したいのですが?
切断については数箇所であれば表に綺麗に筋をつけ、
裏からカッターナイフで何本も筋を付けます。
チョコレートを割るようにして折り、凸凹をサンドペーパーで磨けばカットもできます。
トマト工業では専用の刃物と機械を使ったカット加工を行っておりますので、
量があればそちらをおすすめいたします。
フレキシブルボードを加工したいのですが
サイディング用などの丸ノコでないとカット加工が難しいです。 トマト工業では専用のダイヤモンドソーを使用したカット加工を行っておりますので、
そちらをおすすめいたします。
尚、フレキシブルボードの場合、
複雑な形状のカット加工、異型カット加工、円形などの特殊加工はできませんのでご了承ください。
色を塗りたい
基本的にケイカル板、フレキシブルボードとも専用のシーラーと呼ばれる下塗りが必要になります。
これは表面の粉ドメ、アルカリドメなどの役割を果たすためであり、
これを怠ると、経年劣化が早くなり 塗装のはげ、にじみ、アルカリ涌出など各種の不具合を起こします。
シーラー塗装後適合する塗料を塗ってもらえば大丈夫です。
重さはどれくらい
重さについては感覚値で非常に難しいですが、比重が一般的な指標になるかと思います。 木材の比重が約0.6とし、ケイカル板が0.8ですので約1.3倍の重量差といえます。 フレキシブルボードはケイカル板の倍の比重になりますので、グッと重くなります。
■代表的なボードの比重
合板
0.65
石膏ボード
0.65
MDF
0.80
ケイカル板
0.80
ハードボード
1.00
水
1.00
フレキシブルボード
1.60
アルミ
2.68
鉄
7.87
アスベスト混入はないの?
2004年から国産のケイカル板、フレキシブルボードには混入しておりません。
また撤去程度であれば重篤な問題になることは想定されにくいといえます。 外国の製品については現在独自調査中ですが、危険性が高いという経過
報告になります。
外国の製品については
(特に中国)
危険性が非常に高く、
1.補強系素材・アスベストなど
2.重金属系素材・カドミウム、鉛、六価クロムなど
を含めた含有危険性があります。
また組成が不明で大きくばらつく特徴がありますので、トマト工業では 加工の取り扱いをしておりません。
ケイカル板の種類をおしえてください。
専門的な話ですが、ケイカル板には1種と2種があります。
1種は重くて薄い物、(通常のケイカル板)
2種は軽くて厚い物、になります。
商品名では1種はヒシタイカ#70、ハイラック
2種はヒシタイカ1号、2号、ケイカライト、タイカライトになります。
なぜ認定番号が2つもあるの?違いは?NM8578、NM8576
おそらくケイカル板の不燃認定番号、NM8578、NM8576かと思いますが、
昔ケイカル板の協会が2つあり、そのどちらかでとった認定の違いによるものです。 NMは Noncombustible(不燃) Material(材料) の略です。
試験自体は同じですので、どちらも同じ不燃認定ということになります。
というわけで、まとめて見ましたが、
こと不燃のボードだけに限ってもたくさん質問がありますね。
トマト工業では不燃建材の販売、加工を行っています。ぜひ御覧ください。
お世話になります、マンションのベランダ間仕切り板の材料として考えています、モルタルの壁の中にLアングルを取り付けて、それに石膏ボードを皿の鉄板ビスで取り付けコーキングして塗装してます。境の壁に両側から止めてます、それがベランダの床についてるためカビが付いています。取替えるんですが、1,258㎜×655㎜が15枚です。耐熱の樹脂板とか穴を開けて鉄板ビスで止めて済ませたいです。良い材料はありませんか?よろしくお願いします。