FRPの反りをなくすには?FRP素材屋さん
Q:いつもお世話になります。
FRP成形の時に反りがでて困っております。
どうしたらこの反りをなくすことができますでしょうか?
A:反りについては非常に難しい問題です。
FRP素材屋さん馬渕です。
幾つかのメカニズムをきちんと理解していないと今後も出続けるでしょう。
板状になっているとは思いますが、
◎後工程での反り
表層と裏面の伸び率の違い。
例えばFRP単板の表面に塗装をかけたとします。
この塗装が乾燥、硬化する際に10%体積が収縮するとします。
すると表面に乗った塗装が縮むのでFRP単板もつられて縮んでいくことになります。
◎カイゼン案
この場合、原因が塗装のチヂミにあることがわかるので、
表面の塗料の収縮率が低いものをチョイスする。
または
裏面にも同じように捨て塗装する。
といった方法があります。
◎硬化工程での反り
硬化工程では樹脂全体が縮もうとします。
FRP素材屋さんのある一般成形樹脂は平均線収縮率という値が8%という物があります。
表層の体積が8%縮んだ場合、その力はFRP全体のチヂミにつながり、反りにつながっていきます。
◎カイゼン案
・樹脂の種類を変更する。
ということは原因が硬化時の収縮ということになりますので、
収縮率の低い樹脂に変更する。
・ガラス樹脂配合率の変更
または物理的に収縮しないガラスマットの混入量を増やす。
という方法があります。
あくまで例ですが、
収縮率8%の樹脂80%、収縮率0%のガラスマット20%
全体の収縮率は6.4%の縮がでます。
収縮率8%の樹脂60%、収縮率0%のガラスマット40%
全体の収縮率は4.8%の縮がでます。
つまりこの時点で33%収縮を抑えられるということになります。
といった方法の他、
・形状的収縮緩和法
裏側に形状を凸型にして反りを物理的に防ぐという方法もあります。
・バックアップ材混入法
成形品では、見えない裏側に木などを挟んで上からカバリング(FRPで覆う)方法などで反りを防止するケースもあります。
・硬化遅延法
硬化剤を少なくし、じっくり固めることで硬化収縮を少なくする方法です。
ただし時間がかかります。
・超低収縮性樹脂を使う方法
作業的には一番楽ですが、
https://frpsozai.com/shopdetail/000000000828/ct25/page1/order/
超低収縮性の樹脂を使う方法です。
ペラ一の樹脂板でもほとんど反りはありません。
低発熱で低収縮のため表裏の伸び縮みがほとんどなく、樹脂板の反りがでないタイプです。
収縮率の実測値では0.05%とほぼ0に近い値が出ています。
詳しくはFRP素材屋さんにお問い合わせください。
反りを制するものはFRPを制す。ということでがんばってください。
FRP素材屋さん