2018年1月27日 / 最終更新日 : 2023年3月27日 rpxfn670 FRP樹脂 樹脂の収縮比較について Q:FRP素材屋さんこんにちは。 当方三重県でバックアップ型の製作を行っているものです。 他社製品で低収縮をうたってある樹脂を購入したのですが、かなり収縮が激しいです。 上のアッパー素材がバックアップ型の収縮でねじれがでて困っております。 訴訟問題に発展するかもしれないので大変困っており、こちらのサイトを見ると非常に専門的な知見をお持ちだと思いました。 なにか知見をお持ちであれば教えて下さい。 A:いつもお世話になりありがとうございます。 FRP素材屋さん馬渕です。 同じような相談がないわけではないので、実は実験をしておりました。 多分○○○○○という店だと思いますが、当店にも何件か情報が入ってきています。 実験の画像を添付しましたので御覧ください。 上記が実験の画像です。 実験は、 1.FRPが剥離するPPの容器に20mlづつ樹脂を添下する。 2.気温2度、湿度40%条件下 3.硬化剤5%をピペットにて計量し、20秒カクハンする。 4.硬化時間および樹脂の物性を測定する。 というものです。 A 透明クリア樹脂 B FRP素材屋さん一般樹脂(4kg、1kg等の小分け品) C 国産カーボン用ポリエステル樹脂 D 他社一般低収縮品 該当の商品において 透明度 黄味 赤味 収縮 硬化時間 粘性 の6点において調べました。 A・FRP素材屋さん透明クリア樹脂 透明度 A 水のような透明度です。 黄味 A なし 赤味 A なし 収縮 C 試験体の中では低収縮 硬化時間 D 約1時間で剥離 粘性 C 粘性が高い 気泡 B 初期気泡が多かったものの、硬化時間が長いためかほぼ消泡 合計20ポイント ○特性 透明性においては最上ポイント B・FRP素材屋さん一般小分け樹脂 透明度 B やや白濁しています。 黄味 B 黄ばみが多少あります。 赤味 B 赤味はありません。 収縮 B 収縮は他の樹脂に比べて少ないです。 硬化時間 B 約20分で硬化 粘性 B 低粘度 気泡 B 低粘度のためほぼ消泡 合計21ポイント ○バランスが取れている樹脂 C・カーボンクリア樹脂 透明度 C やや白濁しています。 黄味 C 黄ばみが多少あります。 赤味 A 赤味はありません。 収縮 C 収縮が見られる。 硬化時間 B 約30分で硬化 粘性 C 中粘度 気泡 C ほぼ消泡・一部欠損あり 合計17ポイント ○赤味が抑えられている樹脂 D・他社一般低収縮樹脂 透明度 C 透明度が少ないです。 黄味 D かなり黄ばみが強いです。 赤味 D 赤味も強く気泡が沢山入っています。 収縮 C カーボン用と同じくらいの収縮 硬化時間 B 約30分で硬化剤 粘性 C 中粘度 気泡 D かなり上部に気泡が残っている。 合計12ポイント ○中粘度で消泡性、変色に課題あり、収縮も低収縮性は認められず。 という判定になりました。 透明クリア樹脂は透明度や変色については別格です。 ただし温度の制約を受けやすく、粘性が極めて高かったです。 逆に夏は極端にサラサラになります。(季節型が無いため) FRP素材屋さんの一般樹脂は一番バランスがとれており、低収縮、耐変色性、粘度、消泡性ともすぐれている結果となりました。 カーボンクリア樹脂は、特徴があり、赤味が極端に少ないため、黒のカーボンが映えるということが言えそうです。 厚みがあるのでわかりづらいですが、乳白色系のカラーでエアロパーツの裏地樹脂としても十分使用できると思います。 該当の他社製品は、低収縮とうたってあるものの、 ひと目で分かる通り、色味が強いです。(物性の優劣とは関係がないかと思います。) 樹脂の収縮が大きく消泡性にも問題があります。 内部の気泡が全体に抜け切れていません。 他社では、低収縮をうたっていますが、正直私には根拠がよくわかりかねます。 そのため大事な型等であればきちんとした低収縮樹脂を ご利用頂いたほうが良いかもしれません。 また必ず事前にパッチテストを行ってください。 収縮量はPP樹脂容器の縁からの高さを基準としています。 より凹みの大きいほど収縮したという判断材料としました。 今回のテストは、 冬季厳冬下で行った試験であり、通常の硬化剤範囲を超えているので あくまで参考ということで解釈してください。 また他社製品に関してはサンプル数が少なく、たまたま季節型がおかしかったのか、ロットの問題からかもしれません。そのためあくまで参考にする程度で解釈してください。 どうぞよろしくお願い致します。 FRP素材屋さん馬渕 商品ページはこちら↑↑↑ 関連記事 コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目ですコメント ※ 名前 ※ メール ※ サイト 次回のコメントで使用するためブラウザーに自分の名前、メールアドレス、サイトを保存する。 email confirm* post date* 日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)