最近思うこと
最近、上場企業の倒産が増えてきているようです。
エコノミストによると、決算シーズンの終わりにさらに増えてくるとの予測です。
(ミストってつく人自体を信用はしていませんが・・・)
さて、そんな中で中小企業診断士としてよく聞かれるのが、
【黒字倒産】です。
黒字倒産ってなぜにおきるの??
ということをよく聞かれるようになりました。
一言でまとめると、
【キャッシュと利益は一致しない!!】という一言にまとめられると思います。
キャッシュ≒現金とすると、
決算で利益が大量にでても現金が同じように増えていないことがある。ということです。
少々詳しく説明すると、
会計上の利益は、
収益-費用=利益です。
ここで
収益が1000円費用が900円かかったとします。
利益は100円ですよね。
では当期の頭で、耐用年数25年の1000万円の工場を作ったとします。
1000万円のうち、当期の費用になったのは、わずか40万円です。(簡略化して説明しています。)1000÷25年=40.で1年40万円が費用になります。
収益1000円-900円(うち工場の減価償却費40円)=100円ということです。
次にキャッシュの動きを見てみましょう。
収益1000円-860円(900円から40円を引いている)-1000円(工場代として払ったお金)=
マイナス860円
となります。
キャッシュは当期でマイナスの860円になります。
つまり、利益が100円も出たのに、現金は当期の頭から見て860円もマイナスになっている!ということです。
たとえば、これがこの規模の会社だったらいいのです。
社長が役員借入金としてポッケから860円会社にだせばいいのですから。
しかし、大きな会社だとそうはいきません。
860億だったら、社長のお金でどうすることもできませんよね。
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大まかな流れだけ分かれば、細かい数字はどうでもいいです。
また、売掛金の増減や、買掛金の増減、棚卸資産の増減なども大きなズレの原因となります。
【売掛金は販売先に貸付たお金、買掛金は仕入先から借入たお金】
と考えるべきなのです。
売掛金が増えるということは、貸し付けたお金が増えるのでキャッシュの減少をもたらします。
逆に
買掛金が増えるということは、借入金が増えるのでキャッシュの増加をもたらすのです。
キャッシュフローの観点から言うと、
売掛金はマイナス要因、
買掛金はプラス要因となるのです。
なんか、逆っぽくて面白いですよね。
資金繰りに苦しむ企業が、一番決算書で見るべきポイントは、
実は、利益だけでなく、売掛金、買掛金、棚卸資産それぞれの増減と
投資額が適正値に収まっているかどうか!だと思います。
決算書の利益に頼った資金繰り計画は、いずれ破たんを起こす引き金となるでしょう。
資金繰りが苦しいのは、こうした要因があります。
決算書だけではわからないので、
その要因を探ることが必要となるのです。
急拡大して黒字をだしている会社が突然倒れるのは、
売掛金の急増、棚卸資産の急増(別の機会に)、過剰投資、仕入れサイトの短期化・現金化(安く買おうとして)などが原因です。
こういったメカニズムが働いているのです。