工場・製造業の3Dプリンターの活用方法と、活用・改善事例について
さてみなさまこんにちは。
トマト工業です。
今日は3Dプリンタの活用法についてお話します。
展示会で何十台と3Dプリンタを見てきましたが、コストパフォーマンス等を考えて導入したのが、
フラッシュフォージ、ADVENTURE4という機種になります。
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具体的にどう使っているのか?
という質問をお客さんからされることが多いので、
今回はこれに答えてみたいと思います。
また、最後に無料配布ページを用意しておりますので、ぜひご利用ください。
3Dプリンタとは?
まず、3Dのプリンターとはなんぞや。
という話なのですが、ケーキのモンブランをイメージしていただきたいです。
あれってなんか紐みたいなものを垂らしてグネグネにしてるじゃないですか。
3Dプリンタもまさにあれで、ノズルからあれを出して積層していきます。
高熱で吐き出された樹脂は、冷えて固まって定着する。
という流れです。
制作方法
制作方法は、まず設計が必要です。
うちの場合、設計は自社のONECNCミルEXPERTを使っていますが、別になんだっていいです。
個人利用ならおそらくFUSION360がベストではないかと思います。
ミドルレンジクラスの3DCADが無料で使用できます。
数年前ならありえない最新の3DCADが簡単にできる良い時代です。
2次元のCADならJWCADがベストですが、3DならFUSION360です。
3Dの設計方法
3Dの設計方法はまず2Dで絵を書きます。
その上で、その絵をところてんのように押し出していきます。
棒や円筒に関しては輪郭を書いておいて、それをグルンと回して棒を作る。
基本的にはこの2つだけ覚えればあとは付け足しでOKです。
くぼみとかはどうやって作るの?と言う事なんですが、
これは、くぼみの部分凹の凸の絵を書きます。
今度はこの凸をまるごと引っこ抜いて削除すると
くぼみができます。
基本的な動きはこんな感じです。
スライサーソフト
3Dプリンターには専用のスライサーソフトがたいていついており、
それをつかって造形をしていきます。
スライサーソフトの役割は、積層の密度を決めたり、指示パーツをとりつけたりといった
付加的な要素を設計していきます。
とはいえ、大変直感的にわかるようにつくられているので、ここはそれほどハードルは高くありません。
3Dプリント
3Dプリントは、セットしてボタンを押すといった感じです。
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工場での制作事例
工場ではいくつか制作事例があります。
製品としてはまだ販売しておりませんが、工場の治工具として大活躍しております。
治具制作例
制作担当:坂井
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機械パーツ
既存メーカーから来た機械パーツだと、現行にそぐわないことがあります。
そのためこれを再設計しました。
ドリリングセンターの抑えですが、径が大きいので、ドリルがあたってしまっておりました。
そこで径を再設計したものが右側
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マシニングセンタ抑え治具
こちらはガントリーマシニングの抑えなのですが、従来鉄板がついておりました。
ダイヤの刃物が壊れてしまうので、木製にしておりましたが、水分で膨らむのと反るので、PLA製のこちらのものに変更しております。
剛性があがりたわみにくくなりました。
制作担当:坂井
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レールにゴミがおちて、シリンダーが詰まるという故障案件がありました。
これをシリンダーへのゴミ量を劇的に改善させる治具として制作しております。このガイドがあることで、シリンダーにゴミが落ちなくなりました。
ジャストサイズに設計できることの強みです。
ツールホルダ
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ガントリーマシニングセンタのツールホルダ。
結構重要なパーツで、機械がこのアームから刃物を選択して取っていきます。
しかし上下にぶれたりするので、この樹脂がへし折れる件が続発。
そこで合板をつかって整形していました。
これ金属系の型が見たら笑われると思うんですが、まさにこのレベルだったんです。
ここのホルダから機械ヘッドがこの刃物を選択してゴリゴリ削ります。
結構基幹設備なのですが、このバーが折れてしまうので、木製合板で作り直しておりました。
これを3Dプリンターにて制作しました。
担当:社長
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oneCNCにて製図し、
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PLAにて制作取り付けをしました。
3Dプリンタの代表的な素材は、ABSとPLAです。
ABSは昔よくパソコンの筐体に使われていたあれです。
紫外線で真っ黄色になりますね。
PLAについてはポリ乳酸という樹脂で、最大の特徴はソリにくいという点です。
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前よりも格段に安定したと思います。
つかみのちからは充填率によってコントロールさせることができます。
ツールホルダはすぐに折れるのと、代品が非常に高いので、困っている方も多いと思いますので、制作して販売したいなと考えております。
カウンターをつかった自動計測装置
つぎはカウンターを使用した自動計測装置です。
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こちらは応用が期待されており、
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パネルソー切断機に取り付け、切断回数をカウントする用途に使用しております。
いままで刃物の切断回数がだれにもわからなかったので、これが改善されます。
また、作業者が生産数をカウントするときに、数えなくてもすむような省力化装置について改善を検討しています。
3Dプリンタを活用したものづくり
トマト工業では従来のパネル加工にあわせて簡単な樹脂製品であれば3Dプリンタで試作ができますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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最大寸法は200mm×220mm×250mmです。
結構大型のものができてしまいます。
管理をしない生産管理へ
現在工場では
【管理をしない生産管理】というものに取り組んでおります。
これは、ガチガチに管理しなくても各自が自発的に最適な行動を行う仕組みづくり。
というものです。
これについてはまた後日おつたえします。
それではまた!